転職成功者の声

転職を決意したきっかけや入社の決め手、今後のキャリアパスなど、
リーベルの支援で転職を果たした人たちのリアルな声をお届けします。

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マクニカネットワークス株式会社

Y.Sさん

セキュリティ知識・技術力不足の危機感から転職を決意
幅広い業種に応募し、“技術商社”という新たな道を選択

プロフィール
宮崎県出身の29歳。都内有名私立大学の文系学部を卒業後、OA機器ネットワークの構築を得意とするIT企業に入社。その後、ITスキルの向上を求め、1度目の転職でセキュリティ会社に入社し、脆弱性診断のエキスパートになる。4年弱勤めた後、セキュリティの知識や技術をさらに磨くため、2度目の転職に挑み、4社から内定を獲得。そのうちセキュリティに強い技術商社であるマクニカネットワークスへの入社を決めた。
文系の学部からIT企業に就職し、その後はセキュリティ会社へ——。
高校3年の時、初めてインターネットの世界に触れた青年は、その将来性を見出し、時流を読みながら、最適と判断した道を進んでいった。
セキュリティ業界に転身したのも、その可能性を信じたから。事実、セキュリティの専門家は引く手あまたで、今や人材は常に不足しているのが現状だ。
今後もセキュリティ業界一本でキャリアを重ねたい。だが、それには脆弱性診断のスキル以外にも幅広い知識と技術が必要だと考えていた。
30代を前に、2度目の転職に踏み切り、 “技術商社”という新たな道を切り開いた軌跡を、克明に語った。

顧客満足度“0点”の案件を満点評価へ

文系学部から将来の可能性を考えてIT企業に入社した。しかし、初めて担当した案件が、トラブルとクレームの続出で顧客満足度が「0点」というプロジェクトだった。新人には明らかに荷が重い問題案件の立て直しが、両肩にのしかかった。

—— 宮崎県から上京し、有名私立大学の文系学部を卒業してIT業界に就職されました。IT業界を選んだ理由は?

Sさん:高校時代にインターネットの世界に触れ、大学での4年間はパソコンでインターネットを楽しむ日々を過ごしました。友だちの間でも「PCやインターネットのことで困ったらSに聞け」と言われる存在でした。就職活動もその将来性への期待からIT業界に絞り、会社が堅実でしっかりしていて、OA機器ネットワークの構築が得意なIT企業を就職先に選びました。

—— どのような案件を担当しましたか?

Sさん:大企業向けにPCやIP電話などOA機器基盤を導入するプロジェクトを担当しました。入社して初めてアサインされた案件が、トラブルやクレームが相次ぎ、顧客満足度アンケートの結果が“0点”のプロジェクトの引継ぎでした。クライアントが不満を爆発させている案件に、先輩リーダーとともに、右も左もわからない新人がポッと放り込まれたわけです。

—— どのように問題解決を図ったのですか?

Sさん:とにかく、クライアントの要望を丁寧にヒアリングし、一つひとつ実現していくことに力を注ぎました。以前はユーザー一人ひとりのPCを人手でカスタマイズしていた作業を、システムによって自動化するなど、工夫も施しました。2年余りの時間は要しましたが、そうした自分なりに考えた改善策が実を結び、最終的には6000台のPCをノーミスで導入することに成功。顧客満足度は一転して、満点評価を獲得しました。この案件を通じて、何事にも耐えて粘り強く対処する「耐性」が身に付いたと思います。

—— 達成感がある中、転職しようと思ったのはなぜですか?

Sさん:仕事自体にやりがいを感じていましたが、IT業界でこの先10年、20年とキャリアを積んでいくことを考えた時、PCの導入スキルだけでは厳しいと思ったことがきっかけです。異分野で実績がなくてもポテンシャルで採用される可能性がある第二新卒の年代のうちに、転職した方が得策だと考えました。希望した職種は、当時のIT業界で注目され始めていたセキュリティエンジニア。未経験でしたが、今後需要が伸びる職種だと考えたからです。ただし、スキルも実績もなかったため、応募しても不採用の通知ばかり。結局、唯一内定が出たセキュリティ会社に転職することになりました。

20人いたメンバーが3人に減り、直面した危機

セキュリティ業界に転身し、新たな一歩を踏み出した。その後、セキュリティ会社に在籍した4年間は、来る日も来る日もシステムのセキュリティホールの有無を調べる脆弱性診断に明け暮れた。しかし、業務は順風満帆とはいかず、思わぬトラブルが待ち構えていた。

—— 転職先のセキュリティ会社ではどのような業務を?

Sさん:主に中小企業向けに年間約300社に対し、システムの脆弱性診断を行っていました。特に多かったのがSI会社からの案件。SI会社がクライアントに対して構築したシステムにハッキングの危険があるセキュリティホールはないか、私たちに診断を依頼してくるわけです。そうした“システムのプロ”向けの脆弱性診断が大半を占めました。診断すると、何らかの脆弱性はほぼ必ず見つかるもので、その報告に加えてソリューションを提案するなど、業務は多岐にわたりました。

—— 順調にセキュリティ分野の技術を身に付けていったようですね。

Sさん:最初は案件をこなしながらスキルを磨く毎日を過ごしましたが、入社から1年が経過した頃、大きな困難に直面しました。脆弱性診断のチームは、社員と協力会社のメンバーを合わせて20人で構成されていたのですが、そのうち半数のメンバーが諸事情により撤退してしまったのです。さらに、その後もポロポロと社員やメンバーが辞めて、最終的に私を含めて3人に……。案件は大量にあるのに人がいない状況となり、私たちは窮地に追い込まれてしまったのです。

—— 大きな危機ですね。どのように乗り切ったのですか?

Sさん:様々な協力会社に依頼して、とにかく人をかき集めるしかありませんでした。私が責任者となり、未経験のエンジニアをメンバーに迎え、脆弱性診断業務を一から教育する日々が始まりました。教育し、案件にアサインして進捗状況を確認して、顧客との折衝も私が一手に請け負う……。難しい案件は私自らが診断業務を担当していたので、超多忙な毎日でした。しかし、そうやって図らずも多くのメンバーを管理することになったおかげで、マネジメントスキルが自然と身に付いていったのです。脆弱性診断には高度なスキルが求められるため、メンバーが成長するには長い時間を要しましたが、3年近く経過して、ようやくそれぞれが自立し、問題なく案件を回せるチームになりました。

—— 20代でマネジメントスキルを伸ばす貴重な経験を積めたようですね。しかし、そこでまた転職する気持ちが芽生えたのはなぜですか?

Sさん:メンバーを管理する仕事はやりがいがあったのですが、担当業務が脆弱性診断という範囲に限られていたため、これでは今後、幅広いスキルが求められるセキュリティ業界で戦っていくのは困難だと思いました。私は、インターネットがこれだけ普及したのは、安心、安全に使えるからだと当時から考えていました。もし情報が抜かれたりすることが常態化して信用性を失えば、誰も使わなくなるでしょう。そんな事態に陥らないよう、ハッカーからの攻撃を守る役割を担いたい。そのためにはセキュリティの様々な最新技術をキャッチアップし続ける必要がある——。私の気持ちは転職に大きく傾き、早速転職活動を始めたのです。

転身の理由を整理し、応募先の企業情報を深く理解

転職活動では、当初2社の人材紹介会社に登録したが、セキュリティ業界への理解が少なく、「これなら自分自身で応募先を見つけたほうが早い」と、自力で探した時期もあった。だが、たまたま読んだセキュリティ関連の記事が運命を変えた。

—— 自力で転職先を模索していた時期もあったようですが、転換点があったようですね。

Sさん:インターネットで情報収集している時に、たまたまヒットした記事が、リーベルのコンサルタントと、あるセキュリティ会社の担当者との対談記事でした。リーベルのコンサルタントは、その人自身もセキュリティエンジニアの経験があり、セキュリティ業界に非常に詳しく、この人なら任せられると考えて、早速連絡を取って面談に臨んだのです。面談ではセキュリティ関連各社の特徴や業界での位置付け、私とのマッチングなどを詳細に分析して、1時間以上かけて説明してくれました。

—— 面談などを通じて、希望通りの転職先は見つかりましたか?

Sさん:当初、ログ監視センターやコンサルティング会社、技術商社、セキュリティベンダー、SI会社など、幅広く提案を受けましたが、その後絞り込み、結局コンサルティング会社と技術商社、SI会社に応募することになりました。それらは、自力では思いもつかないような会社ばかりでしたね。

—— 面接に臨むにあたって、注意した点は?

Sさん:私は文系学部からIT業界に入り、1度目の転職でセキュリティ業界に転身しており、一貫性がなく、経歴にブレがあるように見えます。そこで、面接時に突っ込まれても答えられるように、なぜIT業界を選んだのか、その後なぜセキュリティ業界に転身したのかを、理由を含めて説明できるように、しっかりと整理したことが一点目。加えて、もう一点が、応募先の企業の情報を徹底的に調べて、深く理解したことです。

—— 企業情報はどのように調べたのですか?

Sさん:私の調べ方は主に2つです。1つはその会社のIR情報をチェックすること。その会社がセキュリティに力を入れているのであれば、決算関連資料に必ず、動向や計画などの記載があります。そういった情報は、実は役員面接などで面接官への質問タイムに役立つのです。例えば、その会社の最新動向に触れながら質問をすれば、面接官は「よく調べている」と好印象を抱くはずです。そしてもう1つが、技術系メディアと会社名をクロス検索して記事を調べること。その情報も質問タイムに活用できますし、もちろん志望動機を考える際にも重宝します。私は、質問タイムは自分がその会社に対する思い入れを示す絶好のアピールタイムだと考えています。実際に、深堀りした質問をすることで私への好印象につながり、その後の面接がスムーズに進むことは何度もありました。

—— 最終的には面接を受けた4社すべてから内定を獲得できました。その中でマクニカネットワークスを選んだ理由を教えてください。

Sさん:マクニカネットワークスは、海外で最新のセキュリティ製品を発掘し、日本にいち早く持ってきて、自らが各企業に構築して普及を図る、非常に有意義な事業を推進しています。この事業は、「インターネットやシステムを攻撃から守る」という私の使命感と非常によくマッチしていると思ったことが理由の一つです。また、面接やその後の社内見学で出会う面接官や社員がセキュリティ技術に精通し、それでいて穏やかな性格の人ばかりでした。例えば、セキュリティの国際カンファレンスでも発表している人が何気なく社内のデスクに座っていて驚きました。その人も決して偉ぶったりせず、人柄がとても良かったのです。この人たちと一緒に働きたいと素直に思い、マクニカネットワークスへの入社を決めました。

転職は客観的な視点を重視し、幅広い選択肢で考える

マクニカネットワークスで始まる新しいキャリアにSさんは期待を膨らませ、セキュリティの専門家として飛躍する契機にしたいと考えている。入社後の抱負と、転職成功の秘訣を最後に語った。

—— 新しく始まる今後のキャリアが楽しみですね。

Sさん:マクニカネットワークスの面接官は、「応募者がどのような人物かをしっかりと見極めて合否を決めている」と言っていました。この言葉の通り、その人の実績やスキルもさることながら、人物面を非常に重視している会社です。実際、中途採用の社員の経歴は、前職で営業やコンサルタントだった人もいて、入社してからセキュリティの技術を身に付けて活躍している人も少なくない。私もセキュリティ関連の新しい情報を積極的に吸収し、早く戦力になれるように努力します。

—— 振り返って、転職成功の秘訣は何だと思いますか?

Sさん:短期集中型でスケジュールを綿密に組んで活動できたことが一つの要因だと考えています。私は応募し始めてから約2か月で4社から内定を得ることができました。その間、前職の業務が忙しく、度重なる面接を先延ばしにしたいと思う時期もありましたが、そこはぐっとこらえ、スケジュール調整して何とか乗り切りました。もう一つは、事前準備。先ほどお伝えしたように、応募先の企業を徹底的に調べたり、自分の経歴や志望動機をしっかり考えるなど、できることは何でも行ってから臨んだことです。

—— 今後、転職活動に挑む方たちに、最後にアドバイスを。

Sさん:最初から企業や業種に関してターゲットを絞る方もいると思われますが、自分が思っている以外に、もっと良いキャリアの方向性はきっとあります。実際、私もリーベルのコンサルタントのおかげで、自分では考えが及ばなかった「技術商社」という選択肢を知ることができました。第三者の視点を参考にして、幅広い企業の中から選ぶことが大切だと、今は実感しています。

—— 信頼できる第三者の客観的な視点は確かに重要ですね。転職は自分の人生を左右する選択なので、なおさら大事だと思います。インタビューにご協力いただき、ありがとうございました。

ライター プロフィール

高橋 学(たかはし・まなぶ)
1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
◇主な著書
『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。
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