転職成功者の声

転職を決意したきっかけや入社の決め手、今後のキャリアパスなど、
リーベルの支援で転職を果たした人たちのリアルな声をお届けします。

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株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

T.Sさん

36歳で2次請け会社から脱却する最後のチャンスにかける
経験とフットワークの軽さを武器にプライムへの転職に成功

プロフィール
自動車メーカー系の学校を中退後、大学資格入学検定試験に合格し、工学系専門学校のシステムエンジニア科でプログラミングを学ぶ。卒業後、3次請け、2次請けのシステム会社で、大手電機メーカー系のグループ会社の案件に参画し、新人でリーダーを経験。その後も官公庁システムのサーバーの維持管理、アプリケーションの製造や改修、機能追加や新規システム開発の提案など幅広い業務を経験してきた。プライムの会社へのキャリアアップを図るため転職活動に挑み、インターネットイニシアティブ(IIJ)の内定を獲得した。
目指していたIT業界で就職できたが、そこはキャリアアップが約束される会社ではなかった。
しかし、人との出会いを大切にして、巡り合ったプライムの担当者に引き上げてもらうことで、着実に技術と経験を身に付けてきた。
そして、30代半ばを過ぎて、一大決心する。それは、今までの3次請けや2次請けの会社から、プライムのSI会社への転職を図ること。
書類選考で厳しさに直面しながらも、自分の強みを一貫してアピールすることで、2社から内定を獲得。事業会社とプライムのSI会社で迷ったが、最後は後者への道を選んだ。
困難を乗り越え、目標だったキャリアを掴んだ転職活動の一部始終を語った。

急遽チームリーダーに抜擢された新人時代

自動車メーカー系の企業内訓練校に入学したが、卒業後にそのメーカーで働くことに疑問を感じ、中退する道を選んだ。その後、大検に合格し、システムエンジニアを養成する専門学校に入学。就職活動には特段力を入れず、システム会社1社の面接を受け、就職した。

—— 最初に就職したシステム会社ではどのような仕事を担当しましたか?

Sさん:サーバーが100台以上の大規模システムで、3次請けのシステム会社のメンバーとして、サービス保守とメンテナンス業務を担当しました。しかし、配属から半年で大問題が発生します。体調不良や退職が相次ぎ、チームリーダーがごっそり抜けてしまったのです。その穴埋めに、新人の私が急遽チームリーダーに抜擢されました。

—— 新人でチームリーダーとは、まとめるのが大変だったのでは。

Sさん:新人には荷が重い役目でしたが、故障報告や復旧手順の作成、メンテナンス計画の調整など、顧客と直接折衝し、何とか安定稼働に持っていくことができました。不安はあったものの、とにかくプライムのSE部隊や顧客の懐に飛び込んでどんどん話しかけたので、すぐに溶け込み信頼も得られるようになりました。その結果として、周囲から手厚いサポートを受けられたことも、チームリーダーの大役を果たせた要因でした。

—— その後、転職されていますが、理由は?

Sさん:自分がリーダーを担当していたシステムも3年以上経って安定稼働期に入り、メンテナンスも毎回同じようなパッチを当てるだけの作業が多く、新しい技術が学べない状況になりました。そんな時、友人からベンチャーを立ち上げるので、参画してみないかと誘われたのです。新しい技術を学べて、会社を作る経験もでき、さらに給与面も優遇するという条件を提示され、すぐに転職を決断しました。

—— 転職先は2次請けの会社だったようですね。新天地ではどのような業務を?

Sさん:官公庁システムのメインフレームの周辺系サーバーに関する運用管理、保守業務です。担当するサーバーシステムの仕様をすべて理解した上で、障害時に適切な対処法を瞬時に考え、要員をアサインするのが仕事になりました。官公庁の出先機関では、様々なユーザーがシステムを日々使用し、軽微なトラブルは日常茶飯事。私はそれらのトラブルをひとつ残らず素早く対処したのです。その仕事ぶりはプライムの会社の担当者から、「残業しないのに仕事が速い」「成果物をいつも期限前に出す」「出来栄えが良い」「知りたいことを質問するとすぐに答えてくれる」などと、高く評価されていました。その結果、アプリケーション製造や新規開発提案など、私が希望する業務にアサインしてくれたため、この時期に幅広い経験を積むことができました。

プライムを目指し、転職を決意

キーマンの懐に飛び込み、関係を密にするのが得意なSさんは、希望通りの業務に配属され、着々と技術を身に付けていった。しかし、官公庁システムから一般企業のプロジェクトの担当になり、少しずつ気持ちに変化が出てきた。

—— システムを熟知した官公庁の案件から外れ、一般企業向けのシステムを担当するようになった頃から、将来のキャリアを強く意識するようになったようですね。

Sさん:キャリアを振り返り、自分は何ができるのか考えるようになりました。基盤設計や業務設計、運用保守など幅広く経験は積んできたものの、2次請け、3次請けの会社にいてはチームリーダーが限界で、マネジメントの経験を積むことが難しい状況です。一般企業の担当になって、これから先、下請けとしてプロジェクトを転々とすることを繰り返していては、将来はないと思ったのです。すでに30代半ばを過ぎていましたが、今が最後のチャンスと考え、プライムに行ってマネジメント経験を積むために転職を決断しました。

—— 転職活動の経緯を教えてください。

Sさん:私は学生時代、就職活動に余り時間をかけませんでしたし、社会に出てからも一般的な転職活動も未経験だったため、履歴書も職務経歴書もまともに書くのは初めて。とりあえず書いてみていくつかの人材紹介会社の担当者に見せたところ、「良く書けています、これで応募しましょう」と言われました。ですが、リーベルのキャリアコンサルタントだけは「不十分なので、書き直しましょう」と。特に注意されたのが職務経歴書の書き方です。30代半ばを過ぎてプライムとしてのマネジメントの経験がないというマイナスポイントをいかにカバーして好印象につなげるかに苦心しました。そして、基盤や業務開発のノウハウを数多く持っていること、フットワークが軽く人心掌握に長けていることがきちんと伝わるような文面に仕上げたのです。

—— 各社に書類を提出され、結果はいかがでしたか?

Sさん:最初はなかなか書類選考に通過せず辛かったです。実は、私は一回目の転職で、プライムの担当者の計らいで、3次請けの会社から2次請けの会社に移っています。また、三回目の転職でも同じような形で、2次請けから別の2次請けの会社に移っています。いずれも就業環境や待遇改善のためで、顧客も稼働場所も仕事の内容も変わっていませんが、経歴上は計3回の転職歴が記録されているわけです。転職回数が多いことはマイナスの印象を与え、学歴も少し特殊で、年齢も重ねているため、書類選考ではどうしても不利になってしまいます。書類選考は非常に高いハードルでした。

事業会社とプライムのSI会社、どちらに行くべきか?

書類選考で転職活動の厳しさに直面したが、それでもあきらめずに続けていると、徐々に選考を通過する企業も出始めた。そして、リーベル以外の人材紹介会社から応募した大手小売チェーンの情報システム部門のマネージャー職で、内定の通知を受けたのだ。

—— 大手小売チェーンの面接が順調で、内定を獲得されました。

Sさん:ちょうどシステムを拡大していく計画があり、そのマネージャー職でプロジェクトを牽引してほしいと、非常に良いオファーをいただきました。プライムのSI会社ではありませんが、マネジメントの経験もしっかり積めるという点では私が積みたいキャリアイメージとも合致していました。その後も転職活動を続け、インターネットイニシアティブ(IIJ)や、コンサルティング会社の書類選考も通過し、徐々に事態が好転していきました。

—— 書類選考が通ったIIJは目標だったプライムのSI会社ですね。コンサルティング会社もキャリアアップの道が描けそうです。その後選考はどうなりましたか?

Sさん:残念ながら、コンサルティング会社は1次面接で不合格の通知を受けました。面接で質問攻めに遭い、うまく論理立てて瞬間的に答えることができず、自分はコンサルタントには不向きだと痛感しました。一方、IIJは1次面接が通り、最終面接も通過し、内定を得ることができたのです。IIJからは、サーバー系の経験が多く、ベンダーコントロールが得意で、フットワークが軽い点を評価していただけたようでした。また、マネジメントスキルはフットワークの軽さを活かし、IIJに入ってから身に付けていけばいいと、言っていただけました。

—— 事業会社である大手小売りチェーンの情報システム部門とプライムのSI会社の2社から内定を獲得できました。どちらに入社するか、迷いはありませんでしたか?

Sさん:大手小売チェーンはここ数年でIT部門を立ち上げ、システムを刷新していく最中であり、そのプロジェクトのマネージャー職は魅力的なポジションでした。年収も良く、待遇面を優先的に考えれば、大手小売りチェーンへの入社を選ぶ判断もあったでしょう。ですが、プライムのSI会社で働くことは、私の長年の目標であり、何物にも変え難いキャリアでした。給料よりも自分が抱き続けた目標に向かって突き進みたい——。そうした思いがあり、事業会社の社内システムの仕事ではなく、幅広いクライアントやプロジェクトに対してプライムの立場でマネジメント経験が積める、IIJを選んだのです。

—— ついに、プライムのSI会社への入社を果たしましたね。

Sさん:思い返せば、私はIT業界では底辺と言える仕事からキャリアをスタートしています。それでも決して現状に満足することなく、強みであるフットワークの軽さを活かしながら幅広い経験を積み、とうとうプライムまでキャリアアップを図ることができました。目標はかないましたが、もちろんここがゴールではなく、これからまた新しい挑戦が始まります。今後は全力でマネジメントの経験を積んでいく覚悟です。

劣等感をバネに貪欲に行動すれば、扉は開かれる

社会人としてのスタートは3次請けのSI会社だったが、転職活動の結果、プライムのSI会社まで上り詰めることができた。Sさんがキャリアアップを成功した要因は何だったのだろうか。

—— 3次請け、2次請けの会社からプライムを目指す人は少なくないと思いますが、誰もが果たせるものではありません。なぜSさんは成就できたのでしょうか。

Sさん:私には昔から、学歴や経歴が人より劣っているという自覚がありました。ですから、上の人から認めていただくために、もっと経験が欲しい、もっと技術が欲しいと、貪欲にスキルアップを追求してきました。その場にいては自分の能力が上がらないと感じたら、プライムの担当者に別のプロジェクトへのアサインや別会社への転職なども積極的に願い出てきました。そうやって劣等感をバネに、常に行動することを心がけてきた結果が、プライムに行くチャンスを引き寄せたのではないかと、今は思っています。

—— 面接でも自分の強みをうまく売り込むことができましたね。

Sさん:自分のどんな強みをアピールしていくかは、書類選考や面接では非常に重要なポイントでしょう。「何でもできます」では焦点が定まらず、面接官も判断しづらいと思います。私の場合、フットワークが軽いこと、システムに関するノウハウを広く持っていることを前面に出し、そのスキルを柔軟に生かして貢献していきたいと、一貫してアピールしました。キャリアコンサルタントと相談し、自分という人材を採用してもらうための売り込み方の戦略を定めることが、転職を成功させる鍵だと思います。

—— 最後に転職も含めたキャリアアップを実現するキーワードを教えてください。

Sさん:やはり、“チャレンジする気持ち”ではないでしょうか。私も知識や技術がないことが悔しくて、できる限り学ぼうと行動してきたからこそ、良い人と巡り合い、次への扉を開いていくことができました。チャレンジする気持ちを忘れなければ、いくらでも上に上がっていくことができます。失敗を恐れずに立ち向かっていけば、きっと私のように結果は付いてくると思います。

—— 上を目指すには常にチャレンジ精神を忘れないことが大切ということですね。力強い言葉をありがとうございました。

ライター プロフィール

高橋 学(たかはし・まなぶ)
1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
◇主な著書
『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。
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