転職において、年収アップできるかは多くの方が気になるポイントです。
特にIT業界の転職では、結果的に年収アップにつながるケースが多いのも事実です。
世の中の情報化が進んでいるだけでなく、昨今のAI活用やIoTの進化などにより、あらゆるビジネスや社会活動の裏側でITが必要になって来ていることが背景にあります。
システムがより複雑化している中で、それを扱うエンジニア達にもより専門的なスキル・経験が求められるようになっていることや、テクノロジーのニーズに対して人材が慢性的に不足していることが、年収が高い理由になっています。
ただ、未経験でIT業界に転職するケースは別です。スキル・経験が無い中では、いきなり年収アップするのは難しいです。異業種からキャリアチェンジする場合は、年収ダウンを覚悟して転職活動に臨みましょう。
今回は、そんなIT業界で年収を上げる方法などをご紹介します。
1. IT業界の平均年収
はじめに、IT業界全体の平均年収を見てみましょう。
年齢別に見てみると以下のようになっています。
年齢と平均年収(IT/通信)
- 20代 373万円
- 30代 505万円
- 40代 620万円
- 50代 753万円
引用元(転職なら、求人情報・転職サイトdoda(デューダ)“平均年収ランキング 最新版(年齢別の平均年収)”.転職なら、求人情報・転職サイトdoda(デューダ).2018.https://doda.jp/guide/heikin/age/、(参照2019-01-06).)
このように、IT業界の平均年収はいずれの年代も全職種の平均年収を上回っています。
異業種からの転職であれば、最初は年収ダウンもやむを得ないですが、経験を重ねていくとこうした年収に届くため、年収面で言えばIT業界は決して悪くない待遇(少なくとも全業種をならしてみると)と言えます。
また、この年収はあくまで平均値ですので、人によっては20代で800万円台や1,000万円台に近いも当然います。
下記は、年齢別の平均年収ですので、IT業界の平均年収と比較してみてください。
- 20代 346万円
- 30代 452万円
- 40代 528万円
- 50代以上 645万円
引用元(転職なら、求人情報・転職サイトdoda(デューダ)“平均年収ランキング 最新版【年齢別】”.転職なら、求人情報・転職サイトdoda(デューダ).2018.https://doda.jp/guide/heikin/age/、(参照2019-01-06).)
職種と平均年収
IT業界にもさまざまな職種がありますが、今回は代表的とされる5つの職種について、それぞれ30代前半の平均年収を例にご紹介します。プロジェクトにおける立場の違いが、年収にも現れていますので、その辺も意識しながら確認していきましょう。
- プロジェクトマネージャー 733万円
- ITコンサルタント 652万円
- プリセールス 652万円
- アナリスト 652万円
- SE 510万円
引用元(リクナビNEXT“30代エンジニア2180人に聞いた平均年収の実態と満足度”.エンジニア応援サイトTech総研.https://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=002284、(参照2019-01-06).)
上記の役割に当てはまらない方(もしくは複数の役割をこなしている方)も多いと思いますが、総じてプロジェクトの上流工程やマネジメントに関わるポジションの方が年収は高く、下流の方が低い傾向にあります。
転職の理由として「上流工程を目指したい」という方は非常に多いのですが、年収面でも良いキャリアアップになるはずです。
ただ、開発を行っている下流工程のエンジニアの年収が一概に低いかというと、そんなことはありません。
例え下流工程であっても、替えの効かないほどスキルの高いプログラマーであれば、年収もプロジェクトマネージャーと同様というケースもあります。また、年収1,000万円級のプログラマーも実際に存在しており、とことん技術だけを追求して年収を上げることも不可能ではありません。
他にも、セキュリティやAI、データ分析など、何らかの専門技術に特化したスペシャリストも高い年収を得ています。年収を上げるために、必ずしも上流工程を目指す必要はなく、自分の強みと、職種の市場価値を鑑みてキャリアを定めましょう。
2. IT業界の平均年収が低いと言われる理由
他の職種と比べて平均年収が高いにも関わらず、IT業界は平均年収が低いと思われることも少なくありません。
おそらく、IT業界に対する長時間労働のイメージにより、年収も低いと認識されているのだと思いますが、昨今の潮流によって労働環境や残業時間などははるかに改善されています。
今後もリモートワークの整備・充実化などで改善していくと考えられるため、時給換算した収入も上がっていくはずです。
また、例えば金融システムなどようなの大規模プロジェクトであれば、トータルで数百人~数千人規模のエンジニアが参画します。
こうした大規模プロジェクトでは、ピラミッド構造の体制になりやすく、二次請け、三次請けの企業が下に連なる構造になってしまいます。この構造が、どうしても低賃金のエンジニアを多く生み出してしまっているのも事実です。
加えて、テスターや運用監視といったルーチン業務が多い職種は、どうしても年収帯が低い傾向にもあります。
以前から中国をメインにオフショアの積極利用がありましたが、このところはベトナムやミャンマーなど、より単価の安い地域に発注するケースが出てきました。運用部門を丸ごとオフショアに出す事例もあり、運用に関わる方はRPAなどの新しいスキルセットを身につけていく必要があります。
3. IT業界で年収を上げる方法
ご紹介したようにIT業界は決して年収が低くないのですが、やはり少しでも年収を上げていきたいと考える方は少なくありません。
そこで、ここからはIT業界で年収を上げるためにどうすればいいのか、その方法を大きく3つに分けてご紹介します。
(1) マネジメント能力を身に付ける
前述の職種別年収を見てもわかるように、より上流工程やマネジメントのスキルを身につけることが、わかりやすい年収アップの方法の1つです。
技術スペシャリストであっても、チームで働く限りそれを統括し、管理する役割は必ず出てきます。技術志向の方であっても、年収を上げるためにはマネジメント能力も重要になってきます。
また、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントといったマネジメントや最上流工程に特化したポジションであれば、顧客からのプレッシャーや期待値も高い分、年収もそれに応じて高くなります。
(2) 市場価値の高いスキルを身に付ける
仕事で求められたスキルを身につけるだけでは、市場価値を高めることにはなりません。IT業界で注目の集まる技術要素を踏まえて、自発的に学習や経験を積むことによって、初めて市場価値が上がり、年収も上がっていきます。
IT業界はトレンドの移り変わりが極めて速く、新たに生まれたトレンドであっても数年経てばレガシーになり得ます。
例えば、数年前にPHPプログラマーの需要が高まった時代がありましたが、その後はRubyに変わり、今ではGoやPythonといったより最新の技術経験者へとニーズが移っています。
また、インフラエンジニアであればオンプレミスの技術経験だけではなく、AWSやAzureなどのクラウド経験も求められることが多くなってきました。
セキュリティやAIなどの専門分野はエンジニアが慢性的に不足している領域ということもあって、今後も需要が下がることはないはずです。
このように、IT業界では知識だけでなく実践で経験を積みながら、トレンドに沿った技術を身につけるのが何より大切です。もし、業務経験を積む機会が得られないのであれば、スキルの証明として資格を取得するのも有効です。
今後どんな技術がトレンドになっていくのか、常にアンテナを張っておきましょう。
(3) 評価してくれる環境に身を置く
最後は、転職することで年収を上げる方法です。
(1) や(2) で紹介したように、「マネジメント」や「技術」を戦略的に身につけていくことが不可欠ですが、ある程度経験を積んだ後は、企業を移ることで年収をアップしていくことも有効です。
年収レンジは、企業によってある程度決まっており、どんなに優れた技術や経験を持っていても、企業の年収テーブルを超過した評価を受けられるケースはほとんどなく、スキルに見合わない年収に落ち着くことも少なくありません。
まったく同じ仕事をしていている人が2人いたとしても、企業が違えば年収が100万円以上違っているということも珍しくないのです。
転職で年収アップを狙うためにも、現職でできる「マネジメント」や「技術」を積極的に身につけていき、年収アップが期待できる企業への転職も視野に入れていきましょう。
4. 年収1,000万円を獲得するために
エンジニアでも年収1,000万円をもらっている人はたくさんいます。
年収を上げるためには、当然ですが、年収に見合った市場価値を身につけることが大前提です。そのためには、常にチャレンジしていき、足りない技術や経験をどん欲に身につける必要があります。
そして、身につけた技術や経験を活かし、求められる成果を出していくことが何より大切です。
ただIT業界で20代や30代のうちに年収1,000万円を目指す場合は、技術や経験を「正しく評価し、好待遇を与えてくれる環境」に身を置くことも重要です。
年収レンジが極めて高い一部上場の大手企業や外資系ベンダー、コンサルティングファーム、大手Webサービス企業などに身を置くことが、1つの近道になります。
ただし、知名度や年収だけに惹かれてやみくもに転職を狙うのではなく、年収レンジが希望より低くても、できるだけ自分の活躍を評価してくれやすい、昇進しやすい企業を戦略的に選ぶことも大切です。
転職では生涯年収も考える
転職する際は、生涯年収を考えることも大切です。
例えば、オファー年収が1,000万円だったにしても、それが一時の金額では意味がありません。
たまたま業績が良く、瞬間風速的に高年収が提示されているという事例はたくさんあるため、目先のオファー年収に飛びつかず、落ち着いて長期的な目線で年収を考えることをおすすめします。
また長期的な目線であれば、年収以外の要素も重要です。どれだけ高年収であっても、プライベートの時間を確保できなければ長く勤めることは難しいでしょう。改善されつつあるとはいえ、職種や環境によっては月の残業時間が100時間を超えることもあります。
そのため転職するにあたって、プライベートの時間と年収、どちらを重要視しているかをもう一度考えましょう。
最後に一番大事な点ですが、その仕事に情熱を注げるだけのやりがいはあるかを、しっかり考えしょう。
年収を転職の目的にすると、お金以外に仕事内容へのこだわりが薄れてしまう傾向にあります。仮に年収がアップしても、転職先が全く自分の興味がない仕事であれば、モチベーションを保てるわけがありません。
IT業界への転職ならリーベルへ
リーベルはIT業界専門の転職エージェントで、コンサルティングファーム、システムインテグレーター、ハード/ソフトウェアベンダー、Web系企業など幅広い企業での実績があります。
コンサルタントは全員IT業界出身者で、業界や企業、中途入社の難易度などを熟知しており、キャリアアップにつながる求人を的確にご紹介することが可能です。
大手企業への内定率の高さも特徴で、実際にIT業界大手といわれる株式会社NTTデータやアビームコンサルティング株式会社などで内定率1位の実績があります。
また株式会社リクルートキャリア主催の「GOOD AGENT RANKING ~2018年度上半期~」においても、「ユーザー満足度部門」「紹介求人案件満足度部門」「カウンセリング・対応満足度」でいずれも4位となり、面談を受けた求職者の高い満足度も特徴です。
「IT業界への転職を考えているけど不安がある。」と考えている方は、IT業界に特化したリーベルにぜひご相談ください。
まとめ
IT業界において年収をアップさせるには、スキルや経験はもちろんのこと企業選びも大切になります。
また、長期的目線で生涯年収はどれぐらいもらうことができるか、プライベートな時間を確保できるかなどの要素も転職を検討する際に考えると失敗するリスクが減ります。