その言葉、内容を深く語れますか?
早速ですが、次の用語を第三者(小学六年生を想定しましょう)に説明ができるかを考えてみてください。
- IoT
- AI
- FinTech
- AR/VR
- クラウド
国語辞典を参考にすると、IoTは次のように説明されています。
『あらゆる物がインターネットを通じてつながることによって実現する新たなサービス、ビジネスモデル、またはそれを可能とする要素技術の総称。』
なるほど、エンジニア経験者であれば「そういうことね」とイメージできるかもしれませんが、(ITに精通していない)小学六年生からすると、「物がインターネットに繋がる?」「新たなサービスって何?」「ビジネスモデルって何?」「要素技術の総称?・・・???」となるのは想像できます。
ではどう説明するかというと、それだけで本コラム三回分程になってしまうので割愛しますが、流れとしては、物を具体的にイメージしてもらい、インターネットの役割を共有し、その二つが組み合わさったら何が起こるか、それが私たちのサービスにどう役に立つのかを話すことになると思います。それは、IoTのみならずAI、FinTech、AR/VR、クラウドに関しても同様です。
私がなぜこのような話題を出したかというと、転職活動で応募ポジションを選定する際に同じようなことを考えて欲しいからです。小学六年生相手とまでは言いませんが、それぐらいの理解が無いと、結局入社後にギャップに苦しんでしまいます。
バズワードに飛びつくな
「思っていた仕事と違った」「聞いていたことと違った」「書いてあることと違った」などという理由で、短期で再度転職活動をするケースが多くなっています。その原因にあるのは、ポジション内容に書かれているバズワード化した内容を読み解けていないからです。つまり、言葉のイメージだけで勝手に想像を膨らませてしまい、飛びついてしまうケースが意外とよくあります。
具体的な例を挙げると、「データサイエンティストとして活躍して頂きます」という言葉に飛びつき、「データ分析に携われるのか!学生時代の統計の研究も生かせて面白そうだ!」と考えて入社したものの、コールセンターで挙げられたクレームをエクセルに手入力して、エクセル関数を用いてその属性を分析する仕事だった。または、「コンサルタントとして企業の経営課題を解決して頂きます」という言葉に飛びつき入社したものの、オフィス移転に関する電話を一日で100件かける仕事だった等、「本当に?」と思われるかもしれませんが、これに近いことは実際の転職活動の中で起こっています。
前の章の話にも書いたことに関連付けると、「データサイエンティストとして活躍して頂きます」とあった場合に、「その会社でデータサイエンティストとして活躍するということを小学六年生に説明せよ」ということがあなたに出来るかを考えてください。つまり、ひとえにデータサイエンティストと言っても様々な仕事があります。その中でも、今回の募集ポジションはどういう役割で、何を使って、どういう成果を出すことを求められているのかまで考えなければいけません。他職種も同様です。「AIを用いたシステムを開発して頂きます」とあったのであれば、「その会社でAIを用いたシステムを開発して活躍するということを小学六年生に説明せよ」ということ、つまり、AIと言ってもその幅は広く、その中であなたに求められるミッションは何かを詳しく知らなければなりません。それをしないと、「思っていた仕事と違った」という事態が想定されます。
「〇〇に携われる」という記載があってもすぐに飛びつくのではなく、まずはその言葉、ポジションを深読みし、自分に求められているものは何か、どのような業務をするのか、何が成果物になるのかなどを分析しましょう。それがどうしても分からないということであれば、それこと面接の最後に聞かれる「あなたからの質問はありますか?」と言われた際に明確化することをお勧めします。
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