面接は誰でも緊張するもの。初対面の方に会うだけで緊張するのに、それが合否を一発で判断される面接という場であればなおさらです。張り詰めた空気の中、少しでも場を和ませたいと思う人もいるでしょう。ただ、アイスブレイクのつもりで言ったその一言、その態度一つでお見送りになる場合もあります。
場を和ませたいという気持ちは分かるが・・・
コンサルティングファームを受けたAさんの例です。技術力・知識・資格など十分なご経歴であり、人当たりも良く、現場の方々とすぐに打ち解けられるようなお方でした。書類選考を通過し、私も安心して一次面接に送り出したのですが、意外にもお見送りとなりました。
企業側にお見送り理由を伺った所、面接の場に相応しくない言動があったとのこと。その一つの例として、面接の冒頭で「緊張しています!」と思ったことを正直に話してしまったり、知り合いと話しているかのようなカジュアルな振る舞いがあったようです。
もちろんその時の空気感や言い方など様々な要素はあったのだと思います。ただ、改めて面接官の立場になってみて「入社したらどういう顧客と話す事になるのか」を想像してみると、納得出来るものがありました。
求められる人物像をイメージして面接に臨もう
もちろん、先ほどのような言動があっても問題無い場合もあります。ただ、面接の雰囲気は企業により、また人(面接官)によっても異なります。最後まで張りつめた空気感のまま終わる場合もありますし、最初は厳格な形で手応えがあるかどうかも分からない状況だったのに、いつの間にか笑顔で企業の内情を話してくれる場合もあります。
Aさんの例に戻ると、受けていたのはコンサルティングファーム。コンサルタントであれば顧客の経営層と話す機会も多いことでしょう。
「コンサルタントとして顧客の経営層と対峙した時に、相応しくない」
「この緊張感の中、提案が出来ないようでは心配」
一つ一つの言動、そのすべてを「自社で働ける人間か」と厳しくチェックしているのです。
一方、例えば、社内情報システム部門を受けているのであれば、その会社の社風、または現場の方々と風土がマッチするかという点を重視しているかもしれません。そのため、自ら多少砕けたアイスブレイクを入れても問題無いケースもあります。
また、営業なら初対面で顧客に良いイメージを持ってもらえるかどうかが大切です。面接を通して「笑顔が無かった」という理由でお見送りになった方も過去にいました。
また、注意したいのが、終始カジュアルな雰囲気で面接が行われるケースです。面接官がカジュアルだからと、こちらも必要以上に砕けたカジュアルな対応を取ったらそれはそれで危険です。にこやかに良い雰囲気を出しつつも、最後まで緊張感を持ち挑むことが大切です。無理にアイスブレイクをする必要はありません。
もし、「緊張しすぎてうまく話せない」「アイスブレイクは難しい」という方は是非、最初の「失礼いたします」、「本日はよろしくお願いいたします」の一言を、笑顔で元気に言うことを心がけてみてはいかがでしょうか。これだけで第一印象はぐっとよくなって、本当の意味で“アイスブレイク”になると思います。
<ジャパ>