ゴールに向けたあの“ポーズ”
少し古い話になりますが、ラグビーワールドカップの話です。日本代表が見せてくれた活躍ぶりは、ラグビーに疎い私でもここぞとばかりに興奮させてもらいました。
その中でも、一躍時の人となったのが五郎丸選手。大会後の今ではすっかり人気者になりましたが、なんと言ってもゴールキックの正確性と、そのキック前の動作が話題になりました。
私もテレビのドキュメンタリー番組で、ワールドカップ前の五朗丸選手の練習風景を見たことがあります。そこでは何度も何度もゴールキックの練習を行い、その度にあの一連の動作を確認しながらボールを蹴っていました。
コーチ曰く「まったく同じ動作をルーチンとして行う事で、キックの正確性を上げる目的」とのこと。動きに集中することで不安を取り除くというメンタル的な意味が強いようで、お祈りのように見えたあのポーズ自体には、それほど大きな意味は無いようです。
ルーチンワークの設計
ルーチンワークと聞くと、どちらかというとネガティブな印象を受けるのは私だけでしょうか。決められた仕事を淡々とする定常業務のように感じてしまい、そこに何かの「工夫」が無いように感じるものです。
よくIT業界の方で、「私はルーチンワークが苦手です」と堂々と言われる方がいます。「定常的な事務作業を行うのが苦痛」という意図なのですが、まぁ私も苦手な方なのでお気持ちはよく分かります。実際に効率化出来る作業はどんどんツール化するなりして、生産性を上げることは今のビジネスでは必須でしょう。
ただ、思い返してみると誰しもルーチンワークを日々繰り返していますよね。朝起きるのも歯を磨くのも、言ってしまえばルーチンワークでしょう。私にとっては朝の電車で新聞を読むこと、帰りの電車で本を読むことが当たり前の行動で、これによって自分の見聞を広げてきたつもりです。
つまり、大事なのは「ルーチンワークをどう設計するか」でしょう。
- 目的に向かって、効率的に活動する為にはどんなアクションが必要か。
- そのアクションを日常や仕事の中に、どう組み込めば良いのか。
自分にとっては当たり前の行動でも、それを24時間の中にどう当てはめ、それを粛々と実行するなら「戦略的」なアクションですよね。これを「事務的」とは言えないと思います。
ルーチンワーク、侮るべからず。