先日、「会議ファシリテーションの準備と実践」という研修を受講しました。その際、講師の方から「ファシリテーションのアドリブ力を鍛える一番の方法は、会議の設計と準備に時間をかける事である。準備をしっかり行うことで、徐々に慣れて会議の設計や準備にかかる時間は減り、結果的に会議でのアドリブ対応が可能になってくる。」と伺いました。
これは転職活動における面接準備も同じだと思います。
そもそも何故、準備に慣れることでアドリブ力が上がるのか
理由は、準備に慣れることで標準的なパターンを学習することができるからです。
会議ファシリテーションの準備を想定すると、先ず「会議の目的確認から当日のアジェンダ・論点整理」を行いますよね。この準備は、会議の本来の目的=論点に沿った会議に導くための設計作業であり、実践後のフィードバックを取り込みつつ、準備を繰り返し行うことで、会議の目的に応じたファシリテーションのパターンを学習する事が出来ます。
例えば、業務課題の原因を特定するような会議では、ファシリテーターは参加者から意見を募り、それぞれの意見が妥当であるかどうかの深掘りを行い、最終的には会議内で出た意見の絞り込みを行うことが多いです。企画等、新しいアイデアを創出するような会議では、とにかく意見を出し合うようにファシリテーターは出席者に喚起し、時には出てきた意見同士を組み合わせて今までにない視点を作っていくような行動もファシリテーターに求められます。
このように、会議の目的に応じたファシリテーションのパターンが分かれば、事前に会議の目的だけでも整理しておくことで、ファシリテーターとして今何をすべきかを瞬時に判断=アドリブでの対応がしやすくなるわけです。
また、会議というのはスムーズにいかない場合も多く、出席者の人柄や関係性によって、発言が出なかったり、対立意見が発生したりする事もありますよね。そういったトラブル対策も、ファシリテーションの準備の1つとして繰り返し行うことで、「こういうトラブルの際にはこういう対応が有効である」というトラブル対策のパターンを学習する事が出来ます。
面接も同じくパターンがある
面接も同じく、必ず聞かれる質問、面接官が気にするポイントがありますから、最初に面接準備をしっかり行えば、徐々に少ない準備時間でも良い対応が出来るようになります。
ちなみに基本的に面接官は、「なぜ転職をする必要があるのか」、「選考ポジションに求められる業務内容と、転職者の経験や希望する業務内容がマッチするか」、「企業の社風、用意できるキャリアと転職者の志向がマッチするか」を軸に、質問を考えます。
勿論、質問の仕方は面接官によって違いますが、上記3つに関する質問をされると想定して事前に想定問答をシミュレーションしておけば、どういった企業・どういった面接官に対しても使える回答パターンを準備する事が出来ると言えます。
例えば「なぜ転職をする必要があるのか」については、単純に転職理由を回答出来ればよいので、転職を考えたきっかけ、転職をせざるを得ないと思った背景を語れば問題ありません。
また、「選考ポジションに求められる業務と、転職者の経験や希望する業務内容がマッチするか」については、求人票に記載されている業務内容と求める経験から、類似するご自身の経験を整理して面接官に伝えられるようになればOK。+αで、「工夫した事」「失敗した事」等、いち作業者としてその業務を実施したのではなく、業務を行う中で自分なりに何を考え工夫したかや、何を学習したかなども聞かれますから、話せるように準備しておくとベストです。
そして、「企業の社風、既存社員とマッチするか」は、選考企業がどういった事業、商流、役割で社会に貢献しているかや、他社と違うポイントを理解した上でその企業に魅力を感じている事=志望動機を語れる事が大切です。
これらに対する一定の回答パターンを一度作ってしまえば、想定外の質問をされたとしても、事前準備の中で用意した回答を応用して柔軟に回答が出来る=アドリブによる良い面接対応が出来るようになるわけです。
効率良く、面接の回答パターンを準備するならば
とはいえ、面接は会議とは異なり人生で何度もあるものではなく、回数を重ねてベストな回答パターンを習得するというのは現実的には難しいですから、そこは面接のポイント、良い回答パターンの事例を良く知っているエージェントを頼って頂ければと思います。
なお、弊社では、転職者の希望に応じて面接対策を実施しています。王道の面接パターンへの対応方法だけでなく、選考企業・部門・ポジションに応じたポイント等、細かくアドバイスをさせて頂いておりますので、面接対応力を上げたい方はぜひご相談ください。