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第1181章
2024/09/06

PMOコンサルティングがなぜ増えているのか

PMOは立ち位置によって仕事内容が異なる

PMOは、人によって経験範囲がけっこう異なる職種だと思っています。正式名称は「プロジェクトマネジメントオフィス」。PMチームが担うプロジェクト管理に対して数値分析や可視化等を行い、プロジェクトの状況把握や是正等を促す役割を担っています。特にガバナンスやマネジメントが煩雑になりやすい大規模プロジェクトで効果を発揮する組織で、プロジェクトによってはPMと一体となった支援型や、第三者的な立場からフラットに関わる監査型、或いはユーザー側に入り込んでベンダーコントロールを行う発注者支援型などに分かれています。

昨今増えている発注者支援のPMO

ですので、PMOと一口に言っても経験している方の動き方はかなり異なります。一昔前に多かったのは、進捗の数値管理や課題整理などをExcel等で行い、報告用に可視化するレポート役。これは言い換えればプロジェクトが円滑に進むような調整部分も担っています。これはこれで専門的なスキルが必要になるのですが、どうしてもオペレーション的な部分も多くなり、外注の若手人材などが任されがちのタスクと言えるでしょうか。プロジェクトが大規模になると管理だけでも膨大となってしまうので、どうしてもこういうタスクが発生するのです。
一方で、以前から多くなってきていたのはPMと一体型のPMOです。PMチームに入り込み、PMと変わらない立場でプロジェクトを推進する役回りです。PMOにもPMと変わらないスキルや資質が求められるため、ベテラン人材の方が多く活躍されています。
こちらの需要は、PMの人材不足から求められていると言えるでしょう。プロジェクトの炎上は、場合によっては経営課題にも直結する企業リスクです。現場に任せるだけではなく、横断的なマネジメントノウハウを有する専門部隊が関わることで、課題の早期発見や支援・対策を行っていく部門になっています。
その上で、昨今は顧客側に入り込んだPMOが非常に増えてきました。
発注者支援を行うITコンサルティングは以前から存在しており、そこに特化した企業もありました。開発ベンダーへの依頼やレビュー、課題対応などに踏み込むのは当然ITスキルが求められるので、当然需要はあります。それでも、以前よりも発注者支援にフォーカスを置いた求人が増えている印象です。

DXを支援するPMOコンサルティング

これはおそらく、DXニーズの高まりと内製化の推進がその要因にあるんだと思います。大規模プロジェクトの最大のリスクは、進捗遅れや品質低下など開発自体にあります。円滑にプロジェクトを進めるべく、開発側の体制強化やマネジメントの適正化が重要となっていました。一方でDXの主役は現場部門。モノ作りそのものだけなく、何を作り、それを使ってどう業務を改善するかが重要になってくるので、現場サイドでITに精通した人材の確保が重要になってきます。発注者側でイニシアティブを握る必要があるため、DXを内製で推進する社内エンジニアの体制強化がここ数年活況になっています。
そして、それを支援するのが発注者支援型のPMOコンサルティングです。
ITの企画構想や要件定義などの最上流だけを担当し、そこから先はベンダーに任せるというのがかつてのコンサルティングファームの関わり方でした。それがDX案件が増えたことで、現場ドリブンでの業務変革を後押し出来るPMOコンサルの需要が高まっているのだと感じています。
一口にPMOと言っても、会社やプロジェクトによって関わることは大きく異なります。ご興味のある方は面接でよく話を聞いてみて、しっかり業務内容をイメージしてみてください。

筆者 鈴木 裕行
コンサルタント実績
  • 紹介求人満足度 個人の部 第2位
    出典元
    株式会社リクルートキャリア リクナビNEXT
    対象期間
    2014年4月1日〜2014年9月30日
    調査名称
    第12回転職エージェントランキング
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