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第1180章
2024/08/30

コミュニケーション力不足でお見送りになる理由<後編>

前編中編では、話が長いと言われてお見送りになるパターンについて述べました。今回は逆に、口数が少なすぎてお見送りになるパターンと、話が長い・話が短いのどちらにも当てはまらないパターンについてお伝えしていきます。

パターン2 口数が少なすぎてお見送りになるパターン

2-1.一つ一つ聞かないと答えない

まずは、面接官から質問をされたときに、一言しか回答しないケースです。

面接官 : 「これは◯◯ということですか?」
回答者 : 「はい。」
面接官 : 「・・・(待った上で)それならこれはやってますか?」
回答者 : 「はい。」
面接官 : 「・・・(また待った上で)つまりはこういうことですか?」
回答者 : 「いいえ。」
面接官 : 「・・・(待ってから)では、どのあたりが違ったか教えてください。」
回答者 : 「これこれの部分です。」
面接官 : 「・・・」

聞かれたことに端的に答えてはいますが、この会話の最後の方では、面接官はもうイライラしたり呆れたりしていることでしょう。

先読みのしすぎはNGですが、面接官の質問力に頼り切ってはいけません。面接官が何を聞きたいのかを察知し、ある程度まとまった情報を面接官に伝えましょう。

2-2.内容の説明がない

先ほどの例よりはましなパターンですが、やはり面接官の聞きたいことに十分に回答できておらず、面接官をイライラさせるケースです。

例えば「1番大変だった経験は何ですか?」と聞かれた時に、「どこどこのプロジェクトでした。その時はたくさん残業してきつかったです。」と答えるイメージです。

きっと、そのプロジェクトは大変だったんだろうなと思います。ただ、面接官としては、いつ大変だったのかを聞きたかった訳ではありません。その内容を知りたかった訳です。

この答え方も、面接官が「そうじゃないんだよ。」と思ってしまうよくある回答の仕方なのですが、本人は、質問に対して答えているつもりなので、問題なく答えられたと思ってしまいます。

しかし、このような場合、大抵、面接官が何とも言えない顔をしています。これはその場で違和感に気付くしかありませんので、面接官の反応を見て、おかしいなと思ったら、ご質問に対する回答になっていますでしょうかと聞いてみてください。

パターン3 どちらにも当てはまらないのに落ちるパターン

3.回答が浅い

面接官の質問に対して、答えているようで答えていないパターンです。これが1番本人も問題に気付きにくく、改善がしづらいものといえます。

先ほどの「1番大変だった経験は?」に対して、例えば「どこどこのプロジェクトでした。その時はたくさん残業してきつかったです。みな終電まで残業していたのですが、声を掛け合い励まし合って、時に休日出勤もしてなんとかやり遂げました。一致団結して成し遂げられたため充実感が大きく、達成感もひとしおでした。」と回答したとします。

一通り説明ができているのでなんとなく回答ができていそうな気になるのですが、面接官は青春ドラマを聞きたいわけではないため、何を言ってるんだと思ってしまいます。

このケースの難しい点は、本人はとても気持ちよく、熱を込めて話し切っているので、この回答が不十分であることに気付いていないことです。このパターンが「話せているのになぜか落ちる」の最も多い例であるといえます。

この場合は、面接官の質問の意図を汲み取れていないことが多いため、なぜこの質問をするのか、何を聞きたいと思っているのか、その回答で何を判断したいと思っているのかを深く考えてみることをお勧めします。

端的に答えるとは

面接におけるコミュニケーション力は、端的に話すことができるかどうかで判断をされることが多いです。端的に答えることを「短く答えること」と解釈してしまう方が案外多い印象ですが、端的に答える、の意味するところは、面接官が知りたいと思うことを必要十分な粒度と分量で答える、ということです。長すぎることがよくないのはもちろんですが、短すぎてもよくないわけです。

どれぐらい話せば良いのか分からない、という方は、一度、自分が面接官になったつもりで質問を自分に投げかけ、面接官になったつもりでご自身の回答を吟味してみてください。そうすることで、どの程度回答すれば良いかが分かってくると思います。

そして、その際の注意点としては、面接官にはほとんどあなたの頭の中の知識がない、という前提で回答を吟味することです。自分が分かっていることは相手も分かるもの、と思い込んでいると、きちんと回答を吟味することができません。ほとんど予備知識がない方が面接官であるという大前提を忘れずに、質疑応答のシミュレーションをしていただければと思います。

以上、3回にわたって、コミュニケーション力不足で面接に落ちてしまうパターンをお伝えしました。心当たりのある方はこのコラムを参考にして、ぜひ改善を試みてくださいませ。

筆者 田中 祐介
コンサルタント実績
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