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第1171章
2024/06/21

構想と実行は楽観的に、計画は悲観的に

稲盛和夫さんの「働き方」という本を久しぶりに読み返していたら「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」というフレーズがありました。転職というのは個人にとっては大きなイベントで、仕事をしながら転職活動をする場合は体力的にも精神的にも疲れます。そのために後回しにしてしまうこともあるかと思いますが、そんな時はこの考え方も1つの参考になるのではと思いました。

楽観的な構想

稲盛さんは、困難が予想される新しい事業には、あえて楽観的な人をリーダーにするとのことです。その理由は「今のままでは実現できる可能性は低いが、努力すれば成功するかも」などと楽観的に考えるためで、楽観的な人ほど実行力や推進力が期待できるためとのことでした。反対に鋭敏な頭脳を持つ人は先が見えて実行前からものごとの可否が判断できてしまうため、実行力や推進力を抑制してしまうことが多いとのことです。転職活動においても、たとえ売り手市場であっても理想の結果を得ることができる人は限られますし、タイミングや縁(運)という要素にも左右されるため「どうせ無理かな…」「まだ先でいいかな…」と考えてしまうこともあると思いますが、まずは楽観的に構想をしてみても良いのではと思います。

悲観的な計画

とはいえ、楽観的で全ての物事がうまくいくかというとそうはいきません。そこで稲盛さんは、慎重で熟慮型の人を副リーダーにするそうです。この副リーダーが様々なリスクを想定し、慎重で細心の注意を払いながら実際の行動計画を立てることによってバランスを取らせるとのことです。転職活動でも「とにかく気になった企業に応募しまくる」という進め方をしている人がいますが、そうではなく、実際の行動計画を立てる際は慎重かつ冷静に客観的に自己分析をして計画を立てましょう。チャレンジする部分と現実的な部分の両方を計画に取り入れ、計画は鋭敏に立てていくことが大切です。

楽観的な実行

計画が完了し、いざ実行する段階になった時には、再び楽観的に戻って思い切って行動できる様にしなければなりません。そうしないと、鋭敏に計画をしたがためにネガティブな点が目に付いてしまい「どうしようかな…」「やっぱりやめようかな…」と実行意欲がなくなってしまうためです。転職活動に限らず、人生の大きな分岐点では、自分の中に楽観的なリーダーと悲観的な副リーダーを立て、構想と実行は楽観的に、計画は悲観的に進めてみるのも1つの方法ですので、ぜひ試してみてください。

参考文献: 『働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」』 稲盛和夫 著

筆者 南條 充
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