COLUMN
コラム:転職の技術
第1168章
2024/05/31

原点が人を輝かせる

TM NETWORKのライブに行ってきました

先日、TM NETWORKの40周年記念ライブに行ってきました。小学生の頃から、いつかライブに行きたいと思っていたのですが、いまのいままで行けずにいました。
今回、たまたまチケットの売出し時間にネットを見ていて買えたので初参加。約30年越しの思いが叶いました。

曲目としてはTMNではなく全てTM NETWORK時代のもの。お恥ずかしながら初期の曲は知らないものが多かったのですが、小学校高学年から中学時代にかけてよく聞いていた曲もたくさんあり、チープな表現ですが、感動の一言に尽きました。

たまたま5月19日はツアーの最終日だったようで、記念ライブなら来るのではと予想していたB’zの松本孝弘さん(こっちも昔よく聞きました)もco-existence …with Tak Matsumotoというアナウンスと共に登場。Be Togetherののち、同日2度目のGet Wild。最後にはいままで聞いたことのない大爆発でフィナーレを迎えました。

当日の様子は全国の熱狂的なFANKS(TM NETWORKのファンのこと)たちがたくさんXでポストしていますのでそちらにお譲りしまして、ここではITやキャリアに関連する感想を書きたいと思います。

AIのパワーが感動を生む

当日感激したことの一つに、AI活用がありました。

私は、彼らが出したアルバムのうちでもCAROLというアルバムが最高傑作だと思っているのですが、その世界観を表現できる映像技術が1980年代にはありませんでした。しかし、30年の時を経て、AI技術によってそれが実現できたとのテロップがステージのビッグスクリーンに表示された時の気持ちといったらもう。感激で涙が出てきました(大袈裟でなく)。

自分の中でもイメージはあったのですが、こういう世界観だったのかと感動しきり。CAROLが流れるとも思っていませんでしたし、予想だにしていなかった高精細なイメージ映像が繰り広げられ、いつまでもその世界に浸っていたい気持ちになりました。

AIもいろいろあり、今回は画像処理でしたが、これからもAIによって曲の世界観をビジュアルに見ることができたら、より曲を楽しむことができるなと思いました。

原点が人を輝かせる

もう一つ、心に残った曲がありました。Carry on the memoriesという、リリースされていない曲です。メンバーがソロパートを持ってこのバラードを歌っていくのですが、それぞれがそれぞれに、40年を経ての思いを歌で語るのが印象的でした。

歌詞の詳細までは覚えていないのですが、紆余曲折を経ていまここに戻った。原点に戻って、これからも出来る限り歌を届け続けたい、という内容でした。

彼らも、これまで順風満帆だった訳ではなく、むしろ苦難の方が多かったように思います。小さな会場でのライブからスタートした彼らは、デビュー後、一気にスターダムにのしあがり、TM NETWORKとしての絶頂を比較的早い段階で迎えています。その後、TMNへのユニット名の改名があり、デビュー10周年の1994年5月19日のライブ(奇しくも今回のライブと同じ日)にて解散となります。

時を同じくして、小室哲哉さんが持ち前のプロデュース能力を遺憾なく発揮し、TK旋風が日本中を席巻します。1994年にTMNが解散してから今日まで、私は長らく彼らから離れており、その後については詳しくは知らないのですが、金銭関係や私生活など、いろいろあったことは知っています。再結成と解散を繰り返してきたその裏側には、たくさんの苦難があったことが想像されます。

Carry on the memoriesの中でも、光と闇といったワードや、誰に歌を届けたかったんだろう、他でもない、君に届けたかったんだ、といった意味のフレーズがありました。栄光と苦難、欲望と絶望、救いと非難・・・それらを乗り越えた先に見えてきたものは、どこかの誰かではなく、目の前の君に、ただ歌を届けたかった、という純粋な思い。それを切々と、語るように歌うメンバーの告白とも言えるバラードに胸を打たれました。

生きていると、いろいろなことがあります。社会人になった当初は、これをやるんだ、こうなりたいんだ、こういう社会貢献をしたいんだと、そんな純粋な思いを持ってみな仕事に励みます。

しかし、常に順風満帆であることは稀で、ほとんどの方が苦難に直面します。その中で、希望を失い、お金や地位や名声に走ったり、人によっては不正に手を染めてしまうこともあります。人間は、聖人君子ではありません。人は、悩み苦しみながら、迷い悶えながら、時に汚く泥を啜りながら生きていく生き物であると思います。

人それぞれの人生があり、浮かぶ人もいれば、沈んで終わる人もいますが、少なくとも私がその日見たユニットのメンバーは、みな眩しく見えました。浄化された魂というか、少年の心というか、何のために自分はこれをやるのかを突き詰めて考えた結果、これまで何かに覆われていたものが取れて、輝く光だけが見えた。そんな感じでした。

原点回帰。言葉はよく聞きますが、なかなか本当にできるものではありません。でも、その境地に達することができれば、これだけ眩しく輝き、人の心を打つ演奏ができるものなのかと思いました。

キャリアにも正解はなく、時に方向を見失い、袋小路に迷い込んだり、落とし穴に落ちたりもします。そんな時でも、原点は何だったかを思い起こせば、必ず前向きな方向に進んでいくことが可能と思います。

私も日々惑い、迷い、悩みが尽きない人生ではありますが、そんな時は原点に戻り、誰に何を届けたいのか?を思い出したいと思います。そして、雑念を取り払ってその思いに純粋に向かい、良い仕事をし、自分と、自分の周りの人たちがみな良い人生になるようにしていきたいと思います。

筆者 田中 祐介
コンサルタント実績
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