COLUMN
コラム:転職の技術
第1165章
2024/05/10

「不安」との付き合い方

5月のゴールデンウイークが終わると毎年話題になるのが五月病。4月から始まった新しい環境にまだ馴染めずに不安やストレスなどから心身に不調があらわれやすい時期で、転職を考えてしまう人もいるのではないでしょうか。

そもそも「不安」は解決するものではない

私は今年で40歳になりますが、そんなおじさんの私が辿り着いた境地は「不安は解決するものではない」ということです。

お金や物で解決できる不安であれば解決することもありますが、仮にお金の不安があった時に宝くじで3億円が当たって一時的に目の前の不安が解決しても、今度は3億円の使い道や、人に言う言わない、言った人が信用できるか…など、新しい不安が生まれます。そう、不安は永遠に自分から無くなることはありません。そう考えると1つ1つの不安を解決していく意味がないのではという開き直りに辿り着きます。

明るくて不安やストレスや悩みがなさそうに見える人は、不安やストレスが無いのではなく「どうせ解決策がない」「解決策しても意味がない」と悟っているだけの可能性があります。

人生は解決策がない事がほとんど

人生では不安だけではなく解決策がない事が数多くあります。学校の勉強だと基本的に答えが用意されているので問題と答えが1セットになっていて、そこに慣れてしまうと無意識に何でも答えを探してしまう癖がついてしまうのですが、社会に出ると勉強とは異なり解決策がない事ばかりです。その不安やストレスから短期転職を考える人も多いでしょう。前回のコラムでは短期転職についての記事が出ていますので是非読んでみてください。転職すれば今のその不安やストレスが本当に無くなるのかどうかも考えてみることも大切です。

例えば、ハラスメントやどう考えても理不尽な仕事をさせられるなどの様に「論理的」「定量的」に判断できることであれば、短期転職をせざるを得ない客観的理由として説明ができますが、職場の雰囲気や人間関係という理由だと、転職をすれば絶対に解決できるかと言うと保証はありません。例え少人数の組織でも1~2人は自分と合わない人が存在するものです。

自分の人生を犠牲にしてまで我慢をする必要は全くありませんが、環境を変えても解決できる保証がない理由であれば、時が熟すまで不安や問題を「捨てる」か「解決することを諦めて無視する」という選択肢もありです。時が熟すというのは、例えばポータブルスキルとして市場価値のある仕事のスキルを取得することだけに今は集中し、そのスキルが取得できたなと判断した時などです。

自分のポータブルスキルに市場価値があれば、転職先として選べる選択肢が増えたり、独立することもできたりします。独立すれば自分だけの職場を作ることができるので、ハラスメントや理不尽、人間関係からも解放される可能性が高まります。不安や問題に対して正面から真面目に向き合わなければならないと感じる人も多いと思いますが、解決できない事は「今は解決できないこと」と割り切るという考えも、長い人生を生きるための1つの方法です。断捨離という言葉は物を捨てる時によく聞きますが、不安や問題も断捨離してみてはいかがでしょうか。

筆者 南條 充
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