社会の変化とIT
社会の変化が起これば、そこには必ずシステムが求められます。コロナ禍でもシステム開発のニーズが大きく落ちなかったのは、生活や仕事の環境が変わることでシステムが求められたから。ITは今や社会のインフラを超え、生活様式や労働環境の変化が発生した際にそれを進める強力なツールになっているのです。
実はここ数年で、ある特定領域におけるITソリューションの盛り上がりが同時多発的に起こっています。業界でいうと医療・ヘルスケア、業務領域なら人事労務採用。従来もシステムは使われてきましたが、従来とは違ったニーズが発生しているのです。
医療業界におけるITの活用
医療システムと言えば、電子カルテなどの大規模な医療システムか。或いはインターネットでの医療系の情報ポータルか。長らくその2つが主流を占めていました。それがコロナ禍を経て、今は医療の現場そのものにおける変革が大事になって来ています。
例えば遠隔診療。遠く離れた場所からのリモート診断をサポートするソリューションはコロナ前からもあったのですが、より現実的な社会課題となった現在は注目が高まっています。また訪問診療など、これまでは現場任せだった領域にまでシステムが入り込み、効率化を推進するような取り組みが浸透し始めてきました。
これらのサービス化には、医療業界や現役の医師も自ら関わっているケースが多く、より一層現場に近いサービスに注目が集まり始めている印象です。
医師の転職サービスや介護施設向けの業務支援など、医療・ヘルスケア業界に対して外部から支援するようなシステムやサービスはこれまでもよく使われてきました。今は医療現場における効率性向上を謡ったサービスに、より一層注目が集まってきています。
人事業界におけるITの活用
一方で、人事ソリューションが盛り上がっているのは、ひとえに人手不足が要因と言えるでしょう。今まさに成長中のベンチャー企業だけでなく、大手企業から地方の中小企業まで、人手不足はどの業界でも大きな経営課題となっています。
人事という括りではあるものの、採用の効率化から、採用後のタレントマネジメント、メンタルヘルスケア、人事労務の効率化など、ソリューションの目的が多岐に渡っているのも大きな特徴です。
それだけ人事業務においては、顕在化していた課題が多数あったということなのでしょう。如何に優秀な人材を獲得し、有効に活躍してもらいながら会社としてのエンゲージメントを高めていくか。従業員に対する、一気通貫での取り組みが求められている時代なんだと思います。
これからの時代に必要なIT
医療にしろ人事にしろ、どちらも長年在籍している人の経験を頼りとして、業務が成り立っていたと言えるのでしょう。数年前にはどちらもシステム経験者が少なく、横断的に見渡してみてもITの活用が進んでいない領域だと言われていました。地方自治体や教育現場なども同様に、停滞していたITの活用が近年進み始めています。
これからIT業界で転職を考えている方は、社会課題と対峙している業界こそお勧めです。そこに必ずシステム開発のニーズがあるはずです。