華麗なキャリアアップを実現させたポイント
先日、以前転職支援した方と久しぶりにお会いしました。その方は私からのご支援では無いものも含めて過去3回転職されており、着実にステップを遂げられてきたご経歴です。
最初にお会いしたのは10年近く前でしょうか。IT業界に入ったのも人より遅く、エンジニアとして経験が浅い状態でした。加えて担当している技術や関わっているプロジェクトも技術力がなかなか身に付きにくいもので、正直なかなか難しいスキルセットだったのを覚えています。
それが今は、誰もが知るようなグローバル企業でご活躍です。現職企業でも高く評価され、年収もここ数年でかなりアップしました。1社目と比べてしまうと数倍になっているほどで、絵に描いたようなキャリアアップに成功されています。最初のご経歴を知っている私からするととても感慨深かったのですが、この方がキャリアアップに成功したのは大事な2つの視点がありました。
キャリアにおける決断と実行
まずキャリアアップの最初のきっかけは、Salesforceに出会ったことです。2社目の企業でSalesforce部署が新設された際に自ら挙手をしてPJへ参画。そこで真摯に取り組む中でSalesforceに強く魅力を感じ、これに特化してスペシャリストとしてキャリアを築くことを決意するのです。
今でこそ知らない人のいないSalesforceですが、その時にはまだ新興テクノロジーの一つとしてエンジニアからはよく見られていました。スペシャリストを目指す方は、まだ非常に少なかったんです。特定のプラットフォームやツールに特化する経歴は、エンジニアのキャリアとして狭まってしまうように一見感じます。ただ、この方はSalesforceがこれから爆発的に広まるだろうという確信があったんです。
そこからは行動が早く、次々に資格を取得。まだ市場に経験者が少ないという特性を活かして、市場価値を短期間で上げることに成功しました。時を同じくしてSalesforceのニーズは業界でも高まり続け、この方の年収も上がっていったんです。
そもそもAWSだってOracleだって、特定ベンダーの技術に過ぎません。Salesforceも今ではそれに並ぶブランドを確立していますが、そのテクノロジーがどれぐらい効果的なソリューションで、市場のニーズとマッチしているのか。それらを冷静に捉え、一早くキャリアを全振りした決断力がポイントでした。
長期的な基礎力の向上
一方で、ご自身をここまで成長させてくれたのは、Salesforceの知見よりもエンジニアとしての設計・開発力だと語ってくれました。Salesforceエンジニアといっても、結局やるのはシステム開発。プラットフォームこそ用意されているものの、究極的にはスクラッチでのアプリケーション開発とシステムという意味では大差なく、ベースとなるオブジェクト指向でのアーキテクチャ設計力が何より重要だと感じているようです。
昨今の流行りに乗って、Salesforceの知識だけを手っ取り早く吸収しようとする方が多いようなのですが、本当に大事なのは技術の基礎理解力。Javaをベースとした設計経験こそがエンジニアとしてのベースとなり、それが有ると無いとではSalesforceエンジニアとしても、またコンサルタント・アーキテクトとしても雲泥の差だと語ってくれました。
しかし、それを身に着けるのは一朝一夕では出来ません。根気強く、着実に技術と向き合う必要があるのです。Salesforceの最新情報だけを追いかけることではなく、エンジニアとしてのそもそもの技術力を長期的に身につける姿勢も大事なポイントになっています。
キャリアアップに必要な視点
つまり、キャリアアップを成功させたのは2つの視点です。短期的にはキャリアの決断・実行と、長期的には設計力の向上。一度自身が決めたキャリアに向けて、あとは腰を据えて力を身に付けていくスタンス。この2つの視点が、この方の華麗なキャリアアップを実現していました。
何かを決断しただけでは、キャリアアップに成功したとは言えません。それをきっかけとして、自身が取り組むべき自己研鑽に向きあうこと。この2つの視点が、ゼロからのキャリアアップに成功する秘訣と言えます。