職務経歴書の重要性
転職活動において、企業との初めての接点になる職務経歴書。転職活動をされている方の中には職務経歴書を書類選考のための書類と認識している人もいるかもしれませんが、実はそれだけの役割ではありません。職務経歴書はその後の面接、オファー検討のための評価にも影響する、言わば転職活動の成否を決める重要な書類です。というのも、人事や面接官は職務経歴書を通じて初めて求職者と接するため、職務経歴書が求職者の第一印象を左右しているからです。対人面での第一印象の重要性については多くの方が認識しており、意識されていると思いますが、転職活動における第一印象は職務経歴書によって左右される、ということです。
職務経歴書が与える印象
例えば、同じ会社で同期として同じような経験をしてきたAさんとBさんがいたとします。Aさんは職務経歴書に誤字脱字が多く、文字サイズもバラバラ、記載内容も経験を一通り書いただけ。一方、Bさんの職務経歴書は誤字脱字もなく、文字サイズも統一されており、経験を記載するだけでなく、応募企業を想定したアピール要素まで記載されている。仮に私が面接官として二人の書類選考をするのであれば、AさんよりもBさんのほうが丁寧に良い仕事をしてくれそうなイメージを膨らませ、Bさんに期待をかけて面接に臨むでしょう。逆にAさんは仕事が雑なのかな、うちの会社への意欲が低いのかな、と思ってしまいます。
つまり、面接開始時点ではすでにAさんはマイナスからのスタート、Bさんはプラスからのスタートとなるわけです。会社によっては書類選考の段階でその先の結果をほぼ決めている、という会社すらあるようです。今回の例は極端な例ですが、応募先である企業やポジション、面接官にどう見られるか?を想像せずに職務経歴書を作っている方は意外と多いように思います。
職務経歴書作成のコツ
では職務経歴書ではどんなことを意識して書けば良いのでしょうか。私が職務経歴書を作成する上で意識しているのは下記の3点です。
- 誤字脱字や「てにをは」の使い方、文字フォント、文字サイズなど細部にまで気を配る
- 応募企業やポジションを想定してアピール内容を記載する
- すべてを書こう(伝えよう)とせず、大事なポイントのみに絞り込む
1点目は文章のとおりですが、「神は細部に宿る」とも言われるとおり、良いものを作ろうと思ったら最低限意識したい点です。
2点目も当たり前に聞こえますが、意外とできていないことも多いので、注意が必要です。例えば、最近マネジメント業務が増えてしまったけど、もっと手を動かして技術をやりたいと思い、技術をバリバリできるポジションで応募されている方は多くいます。しかし職務経歴書には直近のマネジメント経験のアピールばかり記載されている、となったら、企業はどう思うでしょうか。本当に技術をやりたいのかな?とギャップを感じるでしょうし、それよりも技術的にはどんなことを経験してきたのか、自己研鑽で手を動かしているのかどうかなど、入社後の業務を遂行できるかどうかを知りたいと思うでしょう。つまり、自分がおこなってきた経験をそのままアピールするのではなく、応募する企業が知りたいと思う内容をアピールする必要があるということです。
3点目については、アピールポイントをあえて絞ることで、特徴付けをする、相手の記憶に残す、ということです。例えば、技術も得意で、マネジメントも得意で、上流から下流までできる、アプリもインフラもできる、と何でもアピールしてしまうと、特徴がぼんやりとしてしまい、どんな人物かがイメージしづらくなってしまうこともあります。一方、技術が得意で、Javaなら誰にも負けない設計・実装力がある、という大事なポイントのみに絞ってアピールすることで、「Javaに強い人」という特徴が記憶に残りやすかったりします。また、「Javaが得意ならあの案件で活躍できるのでは…?」と企業側も入社後の業務を想像しやすくなるため、本当にマッチする企業とのご縁が結ばれやすくなります。そのため、本当に大事なことを伝えるためには記載内容をそぎ落とすことも大事な作業だと思っています。
以上、簡単ではありますが、職務経歴書作成のコツです。職務経歴書は100人いれば100通りの内容になります。自分にとってベストな職務経歴書を作成し、転職活動を制しましょう。