転職活動は個人で活動する人が多いため、あまり周囲とオープンに情報共有をすることは少ないかと思います。転職に関する情報は、インターネットや転職経験者、我々の様なエージェントなどから収集することが多いかと思いますが、昨年のレポートなどを見ると、以下の様な傾向がありましたので、参考に共有させていただきます。
転職を全く考えていない人は数%の時代?!
質問の仕方やヒアリングする層によって割合は変化しますが、転職を全く考えていない人の割合は数%というレポートがありました。つまり、ヒアリングした90%以上の人が、転職活動中、数年以内の転職を考えている、良い企業があれば転職を考えるとの回答で、転職を考えている人は今の時代は多数派となっています。これは何となく皆様も想像できるのではと思います。
ただ、少し意外だったのが、20代や30代よりも、40代の方が何かしらの転職を考えているという割合が多いレポートもあり、転職は20代や30代だけのものという概念は徐々に薄れてきている印象です。確かに、20代や30代と比較すると数は少ないのですが、今期は弊社も40代や50代の方の転職支援に成功しており、これは過去数年とは異なる傾向だと感じています。
もちろん、年齢が上がればそれだけ即戦力を期待されますのでハードルは高いのですが、それでも自身の強みを活かし、新しい環境に挑戦しようと考えている人が増えてきているのだと思います。
転職先の選択軸
キャリアの実現や仕事のやりがいを転職先の軸にする人はやはり今も多いのですが、最近はワークライフバランスを選択軸に入れる人の割合も上がっている傾向があります。具体的には、リモートワークや副業について、転職先の選択軸の1つに考えている方が増えています。これはコロナ禍で多様な働き方を経験した事も影響があったと考えます。
もちろん、以前の様にネームバリューのある企業を志望される方もいますが、私が実際に面談をしていても、数年前と比べるとネームバリューだけの志望はかなり減ってきた印象があり、むしろ新卒でネームバリューのある企業に入社したが、キャリアの方向性や年功序列の風土と合わないため転職したいという方が徐々に出てきています。この点でも転職先の選択軸はここ1~2年で変化していると感じます。
また、会社や事業の将来性を考えて選択する方も増えている印象です。これもコロナ禍の影響だと思いますが、大手でネームバリューがあるため長く働ける会社だと思っていたが、今回のコロナ禍でとても大きく業績を落とした企業もあり、次に同じことが起こったとしてもリスクの少ない業界に転職をしたいと考えている方が増えているのだと思います。
変化しつつある企業選択の軸
今回参考に記載させていただいた情報は転職活動における一部ですが、以前までは比較的常識だった有名企業に入社したいという価値観は徐々に変化してきていることを感じます。それよりも、会社という組織に関係なく自分の市場価値をどう高めるか、将来性のある会社・事業・業界は何か、自分に合ったワークライフバランスや評価制度は何かなど、ネームバリューには捉われない論理的な企業選択の軸を持つ人が徐々に増えてきていると感じます。