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第1055章
2022/01/07

2022年ウィズコロナ時代の転職市場予想!そしてコロナが与えてくれた「恩恵」

あけましておめでとうございます。
この年末年始は新型コロナウイルスが少し落ち着いたタイミングでもあったため、2年ぶりに帰省をされたという方も多かったのではないでしょうか。一方でオミクロン株の拡大などもありますし、経済活動はもちろん転職市場も状況に応じてまだまだ変化していくことが予想されます。
そこで今回は、コロナ禍におけるこの2年間のIT業界の転職市場を振り返りつつ、ウィズコロナ時代とも言える2022年の転職市場はどうなるのかを(あくまで個人的に)予想しつつ、コロナが与えてくれたある「恩恵」についても追って行きたいと思います。

1. 2年間の転職市場の変化を振り返る

これまでも、新型コロナウイルスが転職活動に与える影響などはコラムでも書いてきましたが、結果としてコロナ禍におけるこれまでの転職市場(候補者の動きと企業のニーズ、そして転職者数)がどうだったのかという点を以下にまとめます。

最初の緊急事態宣言が出た2020年4月前後(2020年3月~5月)=「滑り込み期間」

こちらは緊急事態宣言前から転職を考えていた方が動き始めていた時期でもあるため、結果として転職決定される方の人数は例年と変わらなかった印象です。
企業も候補者も初めてのWeb面接やコロナの脅威に不安はあったものの、2020年5月までに応募をされていた方は以前と変わらない選考基準・採用数・ポジション数で進まれた方が多く、私としても「今後どうなるか分からないから転職すると決めているなら早めに応募した方が良い」と言っておりました。これは上述のコラムで予想の通りの結果となったと言えます。

緊急事態宣言明け2020年5月末~2020年12月末=「大氷河期」

この期間は転職市場として最も厳しい期間だったと断言できます。最初の緊急事態宣言が解除された後、驚くほど求人クローズが増えたためです。
振り返ると、候補者視点(というより一般目線)としても、ワクチンもまだ無く、感染数は減ったとしても正直出口の見えない状況に「転職どころではない」として一歩を踏み出すことが出来なかった状況だったものと思います。
企業側としても、業績が影響し中途採用を止めざるを得なかった業界ももちろんあるでしょうが(アパレルや旅行、音楽業界など)、先行きが読めない状況から中途採用を一旦ストップし「様子見期間」とした企業が多数ありました。
候補者も動くに動けず、求人も減るというダブルパンチから、転職市場としては大氷河期と言えた期間でした。

2021年1月~2021年12月=「回復期」

ちょうど1年前のこの時期は「採用を止めていたが、依頼は増えており人が足らない」という相談が急激に増えた時期でもありました。その後中途採用を再スタートさせることができた企業が徐々に増え始め、また合わせてワクチン接種が徐々に始まったことから一種の「安心感」が出始めたことも影響したのでしょう、候補者の動きも活発になり、徐々に徐々に転職市場も元に戻り始めて行ったことを覚えています。
感染数自体が爆発的に増えた時でも、転職市場としては変わらず回復して行ったという印象です。

2. 2022年の転職市場予想と今年のキーワード

その上で2022年の転職市場を予想します。先に結論を言うと転職市場としては総合的には「現状維持」だと思っています。そして今年の転職市場におけるキーワードは「リモートワーク率」です。

まず2022年の転職市場における企業側の状況についてです。
上述の「中途採用を再スタートさせることができた企業」は「再スタートし切った」時期でもあり落ち着きを見せており、またリモートワークツールなど「コロナ特需」とも言える成長を遂げた企業もありますが、その特需も落ち着き始めています。
さらに「業績が影響し中途採用を止めざるを得なかった企業」に関しては、IT業界であっても残念ながら中途採用再開に至るまでは復活できなかった企業ももちろんありますし、DXの波にうまく乗り、新しいニーズをつかみ取り新たなポジションがオープンしている企業もあります。
つまり、減る所は減りきり、増える所も鈍化し、戻る所は戻り切ってきたという状況と言えます。

次に候補者側の状況についてですが、こちらは上述の変遷の通り、心情が大きく影響するため、オミクロン株の登場と共に若干鈍化するかもしれないと当初は予想しておりました。
ただこと転職市場としては「感染数」が重要な要素では既に無く、依頼・相談数に「大きな変化はない」印象であり、2022年もこの状況は変わらないと予想しています。

そして1点興味深いポイントとしては、候補者が企業を選ぶポイントとして「リモートワーク率」が非常に重要な要素になって来ているということです。
最初の緊急事態宣言(2020年4月)以降、「フルリモートワーク」となった企業が多かったことから、その働き方が身についてしまった方や、遠方へ引っ越された方なども多くいらっしゃいました。ただ、前回の緊急事態宣言が解除された後、企業としてもリモートワークのデメリットを感じることも多かったのでしょう、「徐々に出社」に戻している状況です。

各社を見る限り「週2,3回の出社」に落ち着く企業が多いのではないかと予想していますが、この「リモートワーク方針」に賛同できるかどうかで企業を選んでいる候補者がコロナ前に比べて圧倒的に増えた印象を持ちます。
ここは本当に各人の状況や思いにより異なる所です(例えば私は、リモートワークは制度としては欲しいものの「ずっとリモートワーク」というのは絶対に無理な人間です)が、直近あった驚きの例を一つ挙げます。

Aさんはご家族の介護等を理由とし、関西からのフルリモートワークを希望されていたのですが、ある東京の大企業に入社を決めました。その企業は東京での勤務がmustであり、今までは遠方からのフルリモートワークは許可されていなかったのですが、Aさんのためになんとフルリモートワーク制度を新設されたのです。もちろん業務経験等がマッチしており、お人柄や風土なども完全マッチしていたからこそでしたが、個人的には衝撃の出来事でした。

3. 新型コロナウイルスが与えた転職市場における「恩恵」

Aさんのような例は極端であり、制度を柔軟に作りすぎるのが良いかどうかという問題や、どうしても仕事上フルリモートワークは不可能な業種もあるでしょうし、統制を取った方が良い場合もあるため良し悪しはこの場では議論しません。
ただ、Aさんのような例はコロナ前では見たことがありませんし考えられるものではありませんでした。
この柔軟な変化は、ある種コロナが与えてくれた「恩恵」ではないかと思っています。
転職市場全体としては2022年も「現状維持」かもしれませんが、このようなコロナ前では考えられなかった恩恵が少しずつ見えてくる年になるのではないか、なって欲しいと願ってやまない、そんな1年になれば良いと個人的にも期待しています。

<ジャパ>

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