三度目の緊急事態宣言が発令されてしまいましたね。一度目の緊急事態宣言発令から約1年、新型コロナウイルスに対しての対策は何が正しいのか、私自身悩まなかった日はないですし、専門家の方々からも様々な対策が提起されてきました。
私は元々情報セキュリティに関わっていたため、「ウイルス対策」と聞くとどうしてもマルウェアのウイルス対策をイメージしてしまうのですが、この二つのウイルス対策に共通点を感じることが多かったため、今回はその考察をしつつ、さらに昨今爆発的に感染が増えている「コロナ禍転職活動だからこそ特に蔓延する”ウイルス”」対策についても言及します。
※以後、便宜上新型コロナウイルスを「COVID-19」、情報セキュリティにおけるウイルスを総称である「マルウェア」と統一します。
1. 私のCOVID-19対策
私はコロナ前から元々夏でも電車内ではマスクをしていました。単に喉が弱く、喉を傷めるとすぐ熱が出て仕事にも支障が出るため、出来る限りの保湿と予防を兼ねてです。そしてそれでも年に少なくても2度は熱を出して寝込んでいました。
しかし、この1年熱を出していませんし寝込んでもいません。コロナ前よりも風邪自体引かなくなったのです。確かに、コロナ前よりも対策はしっかりしていますし、それこそ不要不急の外出は控えてきました。
実例を挙げると
- これまで年に2度は帰省していたが、そもそも1年半東京から一歩も外に出ていない(旅行も宿泊も0)
- 飲み会も昨年9月に友人と昼間にスカスカの蕎麦屋で飲んだ一度きり
- イベントテーマパーク等の参加も映画鬼滅の刃を観に行ったのみ(3度行きましたが)
「私はそもそも外に出ていない!」「鬼滅の刃観に行きたいけど我慢した!」という方もいらっしゃるでしょうが、恐らく多くの皆様からすると「やりすぎ」と感じるレベルだと思いますし、私も他の方に対してこうしろと強制したこともする気も一切ありません。
私は元々出不精ですし、出来る範囲であったからそうしたまでです。
そしてこの状況であってもCOVID-19に感染した可能性はあったとも思っています。
ではなぜ1年間熱を出さずに済んだかと言えば、恐らく「皆が皆出来る限りの対策を打ってくれていたから」ではないかと個人的には思っています。
電車内でのマスク、アルコール消毒等、一人でやっていても例年通り絶対に風邪は引いたはずです。たとえ外出という外出が2ヶ月に一回の美容院と鬼滅の刃映画鑑賞だけであってもです。
2. 私のマルウェア対策、そしてCOVID-19対策との共通点
次に私のマルウェア対策です。こちらも、恐らく皆様が面倒臭いと思うことを一応私はやっていると思っています。そしてはるか昔大学生の時に100個以上のマルウェアに感染して以来、大きな被害に遭ったことはありません。
私の普段の対策についても実例を挙げると
- リストアタックという言葉が出て以来パスワードの使い回しはしていない
- フリーメールアドレス宛に届いたメールのリンクを開いたことは無い(必ず直検索)
- ダウンロード自体も”不要不急”ではそもそもしないが、した場合には100%対策ソフトでチェックをかけてからインストールする
などなど、元々マルウェア対策は皆様「面倒」と思うものですし、「一度痛い目を見ないとやらない」というのは情報セキュリティあるあるでもあります。(100個以上のマルウェアに感染しPCが使い物にならなくなった時の衝撃は今でも忘れません。なぜ感染したかは内緒です)
マルウェア対策については社内セキュリティ担当としても都度都度の発信や刷り込みはしていますが、それでも私は「出来る限り可用性を取りたい」と思い、口うるさく言うのをぐっとこらえていることも多いです。
そして、「いくら対策を打ってもやられるときにはやられる」というのもマルウェア対策だとも思っていますし、そのうち私自身もまたマルウェアに感染することもあるはずだと思っていますし、そもそもゼロデイ攻撃をされた場合には全てを防ぎきることはできません。
さらに、私個人での対策では限界があります。他の社員や家族が感染したことで知らぬうちに感染してしまうかもしれませんし、情報を盗み出されているかもしれません。
だからこそ、皆が皆パスワードの使い回しなどをやめればリストアタック被害は減るでしょうし、全員が一丸となって対策を打てばマルウェア感染被害そのものも減ることでしょう。
ただし実際それが難しいから感染は止まりませんし、セキュリティ対策ソフトも売れ続けているのだと思っています。
とはいえ問題から目を背け対策を一切しないというのは間違いだとも言い切れます。
もちろん対策に限界はあることと対策しても感染リスクはあること、そして対策にはお金もかかりますし対策をしても感染する可能性を0にすることはできないでしょう。
しかし「各々が取れるだけの対策を取って損することはないし、それが全員のためにもなり得る」というのが私なりの見解です。
そして、このマルウェア対策や感染という言葉を「COVID-19」に置き換えても同じことが言えるのではないか、似ているな、と思ったのがこのコラムを書くに至ったきっかけでもあります。
さて、ではCOVID-19とマルウェア対策、「優先度はどっちが高いか」と言えば確実に「COVID-19>マルウェア対策」ですよね(私でもそうです)。理由としては「命に直結するか否か」が大きな差だと思っています。
セキュリティにおいても一番重要視すべきは「人命」ですが、どうしても一般的にはマルウェア対策は「別に死ぬわけじゃない」ために疎かにされることも多いと思っています。
しかし2つの根本対策は似ており、かつ個人の対応では限界がある、という共通点は先述してきた通りです。
3. コロナ禍の転職活動だからこそ特に蔓延する“ウイルス”対策
そして、この対策は転職活動対策にも通じるものがあります。
理由は後述しますが、「命に直結しないため疎かにしがち」なのは転職活動対策でも同様であり、さらに「COVID-19対策>マルウェア対策>転職活動対策」となっている方が圧倒的に多いと思っています。
確かに転職活動は命に直結はしません。ただ一つ忘れてはいけないのは、「命に関わらなくても人生が変わってくる」のも転職活動です。
そしてコロナ禍の転職活動で最大の問題となっている物、もはや「ウイルス」と呼べるものの一つが「安易な応募」です。
コロナ前でも「一度安易に応募してしまったのだが何とかならないか」という相談を受けることはありましたが、この1年でこの相談が少なく見積もっても倍以上に増えています。
理由としては、
- どこにも出かけられないため時間がある
- リモートのため自社にばれずに転職活動が出来る
等に加えて「人と話したいから」という、以前では到底考えられなかった理由で企業とアポを取ってしまったという例までありました。
実際先日私との面談でも「ちょっとコロナで誰とも話せず仕事にも不満があり、そんな中連絡をしてくれたためとりあえず話そうと思った」という理由で来られた方(もちろんWebです)がいました。
私との面談であれば全く問題無いですしWelcomeなのですが、同じ理由で「SNSに登録していたら名前の知っている少し気になる企業からアポがあったから話しをしてみた(つまり応募した)」⇒その結果よく分からないうちにお見送りになってしまった(先述の相談へ)という流れが起こっています。
これはコロナ前からあった”ウイルス”ですが、今後爆発的に”感染拡大”していくと思っています。
転職活動対策として実例を挙げると、
- 書類の作り込みは後々の面接対策になるため大切
- 面接において同じことを話すにも出来る限りポジティブに言いかえる
- 想定される質問への回答は話せるように準備しておく
などなど、確かに「転職活動対策はマルウェア対策同様面倒」ですし、対策をしないで受かるのであればそれが一番と思われるのも当然です。
さらにインターネット上には
「面接で思ったことを好きに話して年収も100万上がった」
「SNS経由でアポがあり書類もあまり作ってないがカジュアルに話して受かった」
といった「罠」、つまりこれもまた言い換えれば「転職活動におけるウイルスの亜種」が溢れています。
普段であれば聞き流せるものでも、このコロナ禍、一人インターネットで探す時間が増えてしまい、かつ誰もが辛い状況であることから「甘い罠」にかかってしまう、ウイルスに感染してしまう。
この状況を打破するのもCOVID-19やマルウェア対策と同様、一人の対策では限界があります。
4. まとめ
もはや当たり前になったCOVID-19におけるマスクをするという対策。
リストアタックにおけるパスワードの使い回しをやめるという対策。
それと同様に「安易な応募はしない」「甘い罠にかからない」という転職活動における対策を皆様が取り、呼びかければ転職活動において失敗をする方は減るのではないかと思っています。
- マスクをしないで外出が出来るか?
- すべてのパスワードが「abcde」で安全にインターネットを使えるか?
- 安易に応募をして良い企業に転職が出来るか?
厳しい状況だからこそ、皆で力を合わせて正しい情報を発信し、そして可能な限りの対策をし、幸せな未来を勝ち取って頂きたいと思っています。
<ジャパ>