2021年も早くも4月に入り、多くの企業で新年度がスタートしました。昨年度は、新型コロナの影響により採用を少し止めた企業もありましたが今年度はどうでしょうか。IT業界の転職はコロナ収束の前後どちらが良いかについて、若手であれば収束後、中堅層であれば収束前が良いのではと私は考えます。
弊社が持つIT業界の求人数は増えている
昨年度の始めは少し企業も様子を見ていたことから一時的に求人数は減りましたが、夏頃にはすぐに戻り、そこからはコロナ禍でも減るどころか増えてきています。先日、とある事業会社の採用担当の方とミーティングをしましたが、ITに対する投資は増やす方針であり、そのためには今以上に情報システム部門の強化が必要なため、中途でSEを積極的に増員していきたいとのことでした。企業からこの様な話を聞く機会が最近多くなり、IT人材を積極的に採用している企業は増えています。
その背景の1つに、コロナ禍でリモートワークも広がったことからか、企業のITに対する投資価値が上がってきているのではとも考えます。サイロ化しているアナログ業務を変えるというのは、社内調整や社内政治も絡むためにパワーが必要ですが、この機会に多くの企業のデジタル化が進むのは、IT業界に携わる身としては応援していきたい気持ちです。
今一番ニーズが高いのは30歳前後の中堅層
IT業界の求人が増えているといっても、残念ながら誰にでも良い状況というわけではありません。今一番ニーズが高いのは30歳前後の中堅層です。コロナ禍の前までは、20代中盤のいわゆる第二新卒という採用を比較的多くの企業で実施していて、入社後4~5年かけて育てるために、IT未経験や経験の浅い方にも多くのチャンスがありました。
ですが、今はコロナ禍がいつまで続くかわからない不透明さと、早急なIT化の波により半年~1年程度で立ち上がれる即戦力人材を多くの企業が求めている傾向があります。そのため、もし今30歳前後で新卒からIT業界でSEを数年以上経験しているのであれば、企業のニーズとマッチしているため、相対的に市場価値が上がっている状況となります。この様な市場のニーズを掴むことも、キャリアアップを成功させる要素の1つです。
コロナ収束前後の市場
中長期的にコロナが収束すれば、景気が回復し、採用を抑えた反動から求人も増えることが想定されますのでマイナス要素になることはないと考えます。ですが、IT業界に限って言えば、上記で記載した通り、未経験や若手の採用は抑えられていますが、30歳前後を中心とした即戦力人材の採用数は抑えられていません。つまり、コロナ収束後は、若手の採用が拡大し、30歳前後を中心とした中堅層は緩やかな増加程度になるのではと予想しております。
一方で、企業の求人数と転職活動者数を比較しますと、今転職活動をしている30歳前後を中心とした中堅層は、例年よりも少ない状況であり、局地的に売り手市場となっています。コロナ収束後は転職活動者数が増加すると考えますので、同世代のライバルが活発になる前に動くというのも戦略の1つであり、中堅層であれば今動くのも良いのではと考えます。