注目企業インタビュー

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エヌ・ティ・ティ・データ先端技術株式会社

NTTデータの大規模プロジェクトでコア領域を任されるプロ集団
国や業界を支える社会的システムで、唯一無二の技術力を発揮

人事総務部
ウェルビーイング経営推進担当 担当課長
猪又 大助 氏
人事総務部
ウェルビーイング経営推進担当 統括部長
杉山 志保 氏
人事総務部
ウェルビーイング経営推進担当
上原 梨津子 氏
エヌ・ティ・ティ・データ先端技術(以下、NTTデータ先端技術)は、NTTデータの100%子会社である。国内74社、海外62社に上るNTTデータグループの中では卓越した技術力に定評があり、グループ内からも厚い信頼を受けている。NTTデータが有する複雑なシステム構築において、無くてはならない存在だ。
親会社との太いパートナーシップを有する同社だが、実際のプロジェクトではどのような立ち位置になるのか、あるいはグループ内の他社と比べてどういった強みや特徴があるのかなどは、見えていない部分も多い。
そこで、今回はNTTデータ先端技術という会社の内情に切り込み、その魅力に迫る。聞いたのは、同社人事総務部ウェルビーイング経営推進担当の杉山志保統括部長、猪又大助担当課長、上原梨津子さんの3人。エンジニアにとってどのようなメリットがあり、経験者採用で入社することでどのようなキャリアパスが描けるのかを語ってもらった。これまで知られてこなかったNTTデータ先端技術の全貌が明らかになる。

“技統本”だけでなく、“公共・金融・法人”からの直接案件も増加中
基盤やセキュリティならトータルで丸ごと任される、頼られる存在

人事総務部 ウェルビーイング経営推進担当 統括部長
杉山 志保 氏

NTTデータ先端技術は、NTTデータの技術戦略を統括し、プロジェクト支援も行う技術開発本部(当時)から分社する形で1999年に立ち上げられた会社だ。

そのため、事業領域としてITシステム基盤に強いのが特徴となっている。サーバーやネットワーク、データベース、ストレージ、クラウドの上流工程から実際の構築、技術支援までを担い、ファシリティサービス(データセンター施設の設計や施工)も行っている。さらに、そうした基盤の上に乗せるミドルウェア・ソフトウェアの開発と保守運用も担当し、システムを守るためのサイバーセキュリティも事業ドメインとしている。

NTTデータグループでは、1999年にNTTデータ・セキュリティを設立したが、その会社も2011年にNTTデータ先端技術が吸収する形で統合している。つまり、NTTデータグループの中で、ITシステム基盤、ミドルウェア・ソフトウェア、セキュリティの3つの領域で最も高度な知見とノウハウ、経験と実績を持つのがほかならぬNTTデータ先端技術であり、様々なプロジェクトをその3領域で支えているというのが、同社の大きな強みなのだ。

人事総務部 ウェルビーイング経営推進担当 担当課長
猪又 大助 氏

では、実際にどのような商流で主な取引先となっているNTTデータと案件を行っているのだろうか。同社は冒頭で述べた通り、技統本からスピンオフする形で生まれた会社だ。であれば、技統本を経由した案件が大半を占めるのではないかと思われがちだが、実情は違うと杉山氏は話す。

「確かに過去には技統本経由の案件が大半だったが、現在はNTTデータの公共・金融・法人の各部門から直接当社に依頼が来て仕事をするケースが増えている。また、当社にもそれらの各部門を担当するアカウント営業が在籍している。公共・金融・法人の各事業部が受けた案件で基盤の構築などが含まれれば当社に声が掛かるし、基盤で何か困難なことが発生すれば、当社に必ず相談が寄せられる」(杉山氏)。すなわち、NTTデータグループの中で、基盤といえばNTTデータ先端技術に任せるというプレゼンスを確立しているのだ。
同様に「セキュリティのこととなればNTTデータ先端技術」という共通認識がグループ内には根付いている。例えば、各部門の案件でセキュリティ診断サービスが必要となれば、NTTデータ先端技術に真っ先に依頼が来る事が多い。

人事総務部 ウェルビーイング経営推進担当
上原 梨津子 氏

また、プライムベンダーであるNTTデータが営業や要件定義、プロジェクトマネジメントなど上流を担当し、NTTデータ先端技術はその下でシステムを開発するため、一般的な見方でいえば2次請けの立場に映るだろう。しかし、これも実態でいうとややニュアンスが異なる部分があると、上原氏は次のように話す。

「要件定義が決まってから案件が下りてくるというより、当社のメンバーも最初から入って一緒に要件定義を考えていくケースも多い。クライアントとの折衝でも説明要員としてNTTデータの各部門のメンバーと一緒に客先に出向くことも日常的にあり、時には受注を獲得するために案件化する前のもっと早い段階から加わることも少なくない」。つまり、よりプライムに近いところでフロントに立つ仕事が多いというわけだ。位置付けとしては、2次請けというより「技術的なパートナー」という言い方が適切であり、NTTデータ先端技術でも、面接の場などでは「NTTデータの“1.5次請け”」と表現し、説明しているそうだ。

国内最大級の大規模システムで磨かれる技術力
管理面ではNTTデータ流の体系的な手法を適用

NTTデータのメンバーと共にフロントに近い立ち位置で仕事ができることに加え、同社で働く魅力は何といっても大規模なプロジェクトを経験できることだ。NTTデータのクライアントを相手にするため、大半が大企業の案件となる。さらに、官公庁など国が顧客となるプロジェクトも多く、金額で表せば基盤だけで数億、数十億レベルの案件に日常的に関われることになる。

それはつまり、エンジニアとしての醍醐味となる国内最大級のシステムに携われることを意味する。例えばNTTデータが提供している、全国の金融機関向けクラウドサービス「OpenCanvas」の基盤部分の開発は、NTTデータ先端技術が担当している。あるいは、NTTデータが展開する、接続社数、取引量ともに日本最大級のキャッシュレス決済プラットフォーム「CAFIS」の基盤開発も担っているのは同社だ。「公共の案件や業界横断的なシステムで大規模な基盤開発の経験が積めることは、他社では得難い、非常に価値のあるキャリアとなる」と、杉山氏は話す。

他方、ミドルウェア開発も規模は大きくなる。その一つが統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」だ。顧客企業のシステムの性能監視やジョブ実行、設定変更などの運用に関する様々な機能を一元的に提供するミドルウェアで、大規模システムの制御に不可欠な製品だ。「他のNTTデータグループでは、アプリケーション開発は金融や官公庁などの業務システムを担当することが多い。一方、当社では業務知識を使ったものよりも、大規模な基盤の上に乗せる共通基盤やミドルウェアの開発がメインとなる」と、猪又氏は言う。

また、セキュリティに関しても、大企業のインフラや国の社会インフラを守るような大規模な案件が対象となる。コンサルティングを行い、必要に応じてSOCを使って監視・診断し、問題があればソリューションを導入するセキュリティの一気通貫の業務を、一つの組織でトータルに提供できるのが強みだ。

この業務を担うサイバーセキュリティ事業本部には、セキュリティのスペシャリストたちが集結している。例えば、日本の情報セキュリティの対策活動の向上に取り組む中立組織「JNSA」、「NCA」に社員が積極的に参画し、業界のために汗を流している、中には、第一線で日本のセキュリティ業界をけん引してきた技術者もいて、名前をいえば多くの関係者が分かるほど、名が通っている人も少なくない。「そうした人と一緒に案件に携わり、自分の知見や技術が磨けることも、当社で働く大きなメリット」と、猪又氏は話す。

加えて、同社でかなえられるエンジニアとしての得難い経験がもう一つある。それは、プロジェクト開発の“NTTデータグループが持つ高い品質基準やマネジメント手法”を身に付けられることだ。
「NTTデータグループが社会的責任の大きなシステムを幾つも作り上げてきたのは、高度なマネジメント手法があったからこそ。また同社の開発標準はただ厳格な規定というだけでなく、時代に合わせてリバイスされてきた。最新技術を活用しながらも、高い品質レベルを実現するためには必要な取り組みだと捉えている。NTTデータ先端技術のメンバーもその意識でプロジェクトに参画し、それによってエンジニアとしてもワンランク上にステップアップできる。」(杉山氏)

スペシャリストでも待遇が高くなる新制度を導入
研修や検証環境が充実し、知識の共有化も活発

こうして同社の特徴を紐解いていくと、「大規模で高い技術力」というのがひと言で表した場合のストロングポイントとなる。実際、経験者採用の人材も技術を磨いて力を発揮したいと考える人からの応募が多いという。そこで、2021年、同社では専門性を持って活躍する「技術好き」な社員をより公正に評価するための制度を導入した。それが、「スペシャリティバンド(S軸)」「マネジメントバンド(M軸)」の両方の軸で評価する人事制度だ。

「従来、当社ではマネジメントの立場に就くと報酬が上がる制度設計となっており、技術志向で専門性を極めていきたい人たちには適さない部分もあった。それを抜本的に変え、M軸に加えて新たにS軸という評価軸を設定し、スペシャリストとしての道を選んでも報酬が上がるシステムを取り入れた。S軸だけが評価されてスペシャリスト人材としてキャリアアップしても管理職と同様の高い報酬が支給されるようになった」(杉山氏)。これは、経営層の思いもあり、エンジニアにとって働きやすい会社を作ろうと制定された仕組みである。

専門性を評価する制度の導入はNTTグループ内でも独自の取り組みだ。中途入社するエンジニアも含め、NTTデータ先端技術の中で、自身がどのようにキャリアアップを図っていくかを選択できるものであり、同社で今後長く働くモチベーションにつながる制度になったことは間違いない。

ただ、同社では経験者採用でマネジメント志向の人が応募してくることを決して求めていないわけではなく、「むしろ歓迎」(猪又氏)だという。「技術志向が強い会社であっても当然のことながらプロジェクトのマネジメントは重要。参画するメンバーの人数は非常に多く、大規模なプロジェクトマネジメントの経験を積める点が、当社で働くメリットとなる」(猪又氏)

また、教育研修に関しては、技術研修、階層別研修の2つがあり、非常に充実している。資格取得を伴う各種ベンダーの研修も会社費用で受講できる。同社はAWSなどの研修ビジネスも会社として提供しており、所属している社内の講師から直接教わることができる点も特徴的だ。さらに、研修の種類は今後注力・注目していく領域のものがラインナップされており、比較的新しい技術が学べるのも利点となる。

一方、技術は検証環境で実際に手を動かして学ぶ方法も採っているが、その検証環境が各部署に数多く用意されていることも特筆すべき点だ。自宅にわざわざ検証環境を作って技術を学ぶエンジニアもいる中、それを会社で多数設けて、いつでも学べる環境を整えているのである。そして、ユニークなのが、22年から「プロフェッショナルタイム」という制度が導入され、就業時間内に年間30時間、こうした試験や資格、技術の勉強を行えるようになったことだ。社員の学びを重視する同社の意気込みを形に表した制度といえる。

そうして身に付けた知識やスキルは、社内で自主的に行う勉強会で共有していくことも同社では求めている。インプットするだけでなく、アウトプットすることによって、会社全体の知識レベルを上げていくのが狙いだ。もちろん、自分自身も他者の勉強会に参加することによって、その恩恵にあずかれる。知識の共有を図るため社内では日々多種多様なテーマの勉強会が実施されているのだ。

「ホワイト500」に選ばれる働きやすい環境
多様性を受け入れる社風でなおかつ皆紳士的

働き方改革が課題となる中、同社でも様々な取り組みを実践している。現在、テレワーク率は7~8割にも上っているが、経験者採用で入社した場合、会社負担でリモート環境の整備ができる。配布されたポイントを使って机、モニター、ヘッドセットなどをレンタル可能で、自宅でも快適に仕事ができる環境を整備できるのだ。

出社した場合の仕事のしやすさも十分考慮されている。固定席がないフリーアドレス方式で、個人で集中して仕事を行うためのブースも数多く用意されている。「サクラCafe」と呼ばれる広々としたスペースも設けられ、リラックスして仕事をしたり、打ち合わせを行ったりすることも可能だ。

健康経営も標榜されており、人間ドッグのメニューが充実し、産業医のセミナーを受講することもできる。有給休暇については年間20日が全員に付与されるが、全体の消化率は9割近くに上り、加えて夏休みも5日間分付与される。男性が育児休暇を取るケースも多いという。勤務時間はフルフレックスで、家庭の事情に応じて非常に柔軟に組み立てられることも同社ならではだ。「経済産業省が従業員の健康を大切に考えて実践する法人を認定する『ホワイト500(健康経営優良法人)』にも選ばれており、国からも働きやすい会社として認められている」(上原氏)

さらに、社風としては、堅苦しくなく、上司でも役職ではなく「さん付け」と呼ぶような柔らかい雰囲気だという。実際、自身も経験者採用で入社したという上原氏はこう話す。「技術に特化した個性的な人もたくさんいるが、互いに尊重し、多様性を受け入れる素地があると感じた。それに、皆紳士的でフェアで、当たり前のようにコンプライアンスを守ることが常識化されている。これが外部から入った私が最初に実感した印象だ」

また、「技術が大好きで、なおかつ働きやすさやプライベートも充実させたいという方には格好の職場」(杉山氏)、「エンジニア目線で会社を運営し、多様なキャリアパスを選択できる会社」(猪又氏)と、他の人事担当も異口同音に優位性を強調する。

ワークライフバランスを保持しながら、技術やキャリアのさらなる高みを目指したい——。そんな人にとって、NTTデータ先端技術は絶好の選択肢となるだろう。

ライター プロフィール

高橋 学(たかはし・まなぶ)
1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
◇主な著書
『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。

リーベルコンサルタントから一言

最新技術をいち早く採用することは出来ても、そのシステムを正しく稼働させることは並大抵ではありません。社会的責任の大きなシステムで、技術のベースとなるインフラやアプリケーションを最適に作り上げること。そこにNTTデータ先端技術が追求する技術の価値があります。
堅い社風を想像するかもしれませんが、思った以上に雰囲気はフランク。技術者視点でキャリアを描けるのも大きな特徴で、同じ特徴を持つIT企業は他に思いつきません。ご興味のある方、ぜひご相談ください。

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