企業情報を把握するために
応募前に、口コミサイト等で企業の情報収集される方が増えています。企業に対する印象や雰囲気など内情を知るツールとして活用されていて、その印象から応募する/しないを判断される方もいます。数年前から顕著になってきましたが、その印象だけで判断してしまい、本当はとてもマッチするであろう会社を避けてしまう方もいて、個人的には残念に思うケースもしばしばあったりします。
転職なので、リスクを避けたいと思うのは普通のことだと思います。ただ、口コミ評価がどんなに高くても、貴方にマッチする企業とは限りません。異様に悪い評判は気になるのは当然ですが、どんなに良い評価も、気になる口コミも、ある程度はフラットに見ておく必要があります。
口コミ情報をどう見るのが良いか
これはよく言われていることですが、口コミは既に退職された方や企業への不満を抱えている方が記載するケースが多いこと。加えて、企業といっても部門や職種によって業務も組織も当然変わるため、一概に正しい情報として受け取ることは出来ません。そういった前提で見ている方も多いと思うのですが、それに加えて判断基準が人それぞれ違うという要素も存在しています。
年収や働き方、福利厚生などの制度や規則に関しては、一定参考になるでしょう。コロナ禍を経て制度の変化も増えているので注意が必要ですが、企業のハード面に関しては全社的なものであれば参考になります。
一方で、注意が必要なのは企業のソフト面です。特に社風や雰囲気等に関しては、その人の主観で見ているため、必ずしも記述されている内容の通りとは限りません。同じ企業であっても、例えば入社3ヵ月の人が感じる思いと、入社10年の人が思うこと、3社を転職後に4社目として入社された人からみた印象は、当然全て違う。ということを念頭に置かなければなりません。また人によっては何十年も在籍したいと思う会社であっても、短期離職される方も一定数は存在するはずです。良い・悪いではなく、自分にとって合う・合わないで判断するしかないのです。
では、企業の特性を他の手段で把握するにはどうしたら良いでしょう。意外と参考になるのは、企業の成り立ちや歴史だったりします。
会社の成り立ちと歴史を知ること
実は企業の成り立ちや歴史を知ることは、社風を知る最良の手段です。
IT業界の中でも、例えば外資系企業なのか、日系のIT企業なのかで当然雰囲気は異なります。また、最近増えてきたベンチャーコンサルであっても、大手コンサル出身者の方が立ち上げたのか、事業会社が新たに立ち上げたDXコンサルかによって雰囲気は異なります。創業者や母体の意向が強く含まれるため、既存のIT企業とは違ったユニークな特徴が出やすかったりします。当然、ベンチャー企業なら代表の経歴として、過去どんな企業に在籍していたのかも重要です。その企業の文化を形成する、大きな礎になっています。
SIerでも同様で、例えば独立系とユーザー系では大きく印象が異なります。特にユーザー系企業の場合、社風に関しても親会社からの影響も実は大きいのです。その会社の株主がどんな企業なのかを知ると想像がつきやすくなります。加えて、成り立ちとして例えば情報システム部門から独立したのか、サービス部門から独立したのかでは雰囲気もだいぶ違います。数社が合併して設立された企業もあれば、外資系企業が買収する形で独立した企業もあり、その企業の成り立ちや歴史を知るだけで、かなりイメージが付きやすくなるのです。
「良い・悪い」ではなく、「合う・合わない」で判断すること
結局のところ、その企業が「良いのか・悪いのか」ではありません。貴方にとって「合うか・合わないか」でしかないのです。もしかしたら口コミの数が少ない企業であっても、貴方にマッチしている可能性もあります。
自分の大事にしたい価値観を重視して、それにマッチする企業を選ぶのが重要だと思っています。