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第1178章
2024/08/09

コミュニケーション力不足でお見送りになる理由<前編>

企業が求める「コミュニケーション力」にアジャストするのは難しい

クライアント企業様と人材要件のお話しをしていると、かなりの確率で「コミュニケーション力がある人が欲しい」と言われます。

コミュニケーション力、難しいですね。どういうことができればコミュニケーション力があるのかが明確に定義しづらいですし、企業が「コミュニケーション力」でイメージしているものも千差万別ですので。

対処に困るのは、周りから「コミュニケーション力があるよね」と言われているのに、面接で「コミュニケーション力が不足している」と言われてしまうときです。その人自身はコミュニケーション力があると思っているので、このフィードバックがなぜ面接評価としてきているかが分かりません。分からないので修正のしようもなく、同じ様に面接を受け続け、落ち続けてしまいます。

また、口数が少ないためにコミュニケーション力がそこまでないと自覚しておられる方の場合も対処に困ります。面接になったらいろいろと話してみようと頑張られるのですが、話が長い、話が分からない、などと言われて面接に落ちてしまいます。これはまずいと元に戻すと、今度は説明不足、などの理由で面接に通過しなかったりします。

このように、企業が求めるコミュニケーション力にアジャストすることは非常に難しく、求められているものと違うことは分かるけれども、何が悪いのかが自覚し辛かったりします。

そこで今回は、コミュニケーション力不足、という理由で面接に落ちてしまうパターンをいつくかピックアップし、何が問題なのか、どうすればよいのかをお伝えしていきます。まず最初は、コミュニケーション力があると言われるのに落ちるパターンを、次に、口数が少なくて落ちるパターンを、最後に、どちらにも当てはまらないのに落ちるパターンをご紹介していきます。

パターン1 コミュニケーション力があると言われるのに落ちるパターン

1-1.区切りがない

とにかく何かの言葉が溢れ出てくるタイプの方に多く見られる傾向です。

「◯◯で、◯◯で、◯◯で、◯◯なのですが、◯◯という可能性もあって、そうすると◯◯も考えないといけなくて、一方で◯◯という話もあり、その場合は◯◯もしないといけないわけで、だから私が考えているのは◯◯と◯◯と◯◯の3点で、1点目は•••」といったイメージです。

聞き手というものは、句点(。)のタイミングで、それまでに得た情報をひとまとめの情報と捉えて頭に入れ、理解します。ほんの僅かな時間ですが、その小休止の時間が、脳にとっては非常に大切な時間となります。

しかし、読点(、)ばかりで句点がないと、脳は情報をまとめることができません。言っていることは間違ってないのに、話が区切りなく続いてしまうと、聞き手の脳が話についていけず、理解することができません。そうなると、話がわからない、つまりは、話し手にコミュニケーション力がない、という判断となってしまいます。

この場合、意図的に句点を使うことで、話に対する面接官の理解度を高めることができますので、句点を入れて話を区切るようにしていきましょう。

1-2.言葉の髭がたくさんでてくる

かつて受けた研修で聞いたのですが、言葉と言葉の間を繋ぐために発せられる不要な言葉を「言葉の髭」と言うそうです。「えー」「あのー」「えっと」「うーんと」などです。

もちろん、これらの言葉を全く使ってはいけない、という訳ではありません。聞き手が情報を理解するための時間を必要とするように、話し手にも、考えたり、言葉を選ぶ時間は必要です。

もちろん、無言で時間を確保できるならそれが良いのですが、それだとなんとなく落ち着かないという方が多いと思います。そのため、考える時間を確保するために、言葉の髭をたまに使うことはやむを得ないことと思います。

ただ、言葉の髭を多用すると、聞き手の理解を妨げてしまうため、せっかくの話を理解して貰い辛くなります。特に、余計な言葉が多いなと一度面接官が感じてしまうと、面接官は無駄な言葉に意識が向いてしまい、その後はほとんど話を聞いてくれなくなります。

言葉の髭は、無意識に出てしまう話し方の癖です。意識すれば減らすことができますので、出来るだけ使わない、ということを意識して話してみましょう。

1-3.曖昧な表現が多用される

「感じ」「的な」「みたいな」「かな」「風に」というのが代表例です。

私も、普段の会話では「感じ」を多用してしまっています。世の中のほとんどのことは断言できないもののため、どうしても「感じ」「的な」「みたいな」「かな」「風に」を使ってしまいます。

ただ、面接においては、面接官は曖昧な回答を好みません。事実はどうか、あなたの意見はどうか、といった問いかけに対して曖昧な回答をすると、本当に事実なのか?本当にそう思っているのか?と懸念を抱かれてしまいます。そのため、面接ではできるだけ「感じ」「的な」「みたいな」「かな」「風に」は使わず、言い切るようにしましょう。

1-4.無駄に会話を繋ぐ

コミュニケーションスピードが早く、ロジカルにも聞こえるのですが、なぜか話が分からない、というケースがあります。

そのタイプの方がよく使う表現が「といったところで」「関して」「について」です。区切ってもよい話なのに、これらの言葉を使って区切らずに話を続けるため、話していること自体は良いのに、面接官が、分かるようで分からない、という状態に陥ります。

日本人は話すことが苦手な人が多いため、このタイプの方は、話す雰囲気で評価され面接を突破できたりもしますが、ごまかせないレベルの企業や役職者の面接になってはじめて落ちることが増えてきます。通過したりしなかったり、となるため、弱点に気付きにくく、改善もしづらい癖だと言えます。

この場合は、句点の場合と同様、文章を敢えて続けず、区切って話してみることをお勧めします。

(中編に続く。8月23日公開予定です)

筆者 田中 祐介
コンサルタント実績
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