IT業界の転職市場は売り手市場で選択肢の多い状況ではありますが、面接には入るけどお見送りになることが多いという方は、面接への臨み方の改善が必要かもしれません。
面接には入るが通過できない
冒頭で記載の通り、IT業界の転職市場は売り手市場が続いており、書類選考は比較的通過しやすい状況にあります。既に転職活動をご経験されている方は「意外と書類選考が通過するな」という実感もあるのではと思います。企業側も人材不足で採用目標が上げられているため、書類はできるだけ通過にして面接で会って判断するという傾向もあり、過去よりも書類選考は通過しやすい状況です。
ただし、同じように面接も通過しやすいかというと書類選考ほどではありません。やはり企業側が持つ採用基準は、多少は寛容になっていたとしても、明らかに面接準備をしていない状態で臨まれる方を通過させるほどハードルを下げてはいないためです。複数の企業の書類選考が通過したからといって面接も同じ様に通過できるだろうと考え、十分な準備をせずに面接に臨まれている方は残念ながら面接の通過率が良くないです。
あなたはスタートラインに立てているか
面接で良く聞かれる質問の1つに「志望動機」があります。ただ、どの企業でも聞かれることの多い質問であるがゆえに、ついつい複数の企業に汎用的に使える内容にしてしまう方も多いのではないでしょうか。面接の通過率が良くない方で汎用的な回答をしていたという方は、大変残念ながらスタートラインに立てていない可能性があります。
採用する側の立場でイメージすることが鍵になるのですが、例えばコンサルティングファームやSIerなど同業他社が多い業界でも、1社1社その企業なりの強みや特徴は何かしらあり、当然ですが採用側は自社の強みや特徴を理解しています。多少間違っていても、志望動機には自分なりにリサーチして相手企業の特徴を入れなければ、残念ながら「準備不足」の印象を持たれてしまい、経歴は問題なく採用したいと書類選考の時点では考えていても、面接に対して準備不足で来られてしまうと採用できないことがあります。これは実際に私も自社採用の面接に携わる時に感じます。
最低限、志望動機については1社1社企業をしっかりリサーチして話せることがスタートラインになると考え、しっかり準備して欲しいと思います。
あなたは面接官を驚かすことができているか
個社毎の志望動機はあくまでスタートラインであり、そこから更に必要になるのは面接官を驚かすことができるかです。世間一般ではギャップというのが話題になる時がありますが、面接官を驚かす要素の1つもギャップです。
例えば、まだ年齢が若いのに俯瞰した視点を持ち、自分の将来だけではなく業界全体に対する自分なりの考えを語れたり、反対に年齢が高いのに考えが凝り固まらずに若い方と同じ視点や柔軟な考えで語れたりなど、印象や想定と違った話が面接でできると面接官を驚かすことができます。
私が面接官をしていて思うのは、やはり業界全体の魅力や課題など、自分なりにリサーチしてまとめた考えを面接で語られるのは素直に嬉しいです。語った内容が多少間違っていたとしても、自分なりに準備をして面接に臨んでいただいたのだと感じることができます。
面接がなかなか通過しないという方は、面接官を良い意味で驚かすことができているかを是非考えてみてください。