- プロフィール
- 慶應義塾大学理工学部、同大学院理工学研究科を経て、大手SI会社に入社し、大規模金融業務システムの構築等に従事する。顧客のビジネスを改革し、収益にダイレクトに貢献するコンサルティングを行いたいという希望を胸に、転職活動に取り組み、フューチャーアーキテクトに入社。
大手SI会社入社後も業務改善を実現するシステム提案を常に心がけ、自らの手で新規案件を獲得するなどの実績を積み重ねてきた。
そして、さらに顧客の売上げや利益増につながる「攻めの提案」が行える環境を求めて、新天地・フューチャーアーキテクトへ——。転職を成功裏に導いたプロセスを追った。
原点となったビジネスコンテスト
Mさんは大学院在学中にビジネスコンテストに参加。当時流行り出していたAR(拡張現実)技術を使った洋服のバーチャル着せ替えシステムを企画した。SI会社に入社した後もこのシステムを実現するため、休日などを利用して仲間と奔走する。事業を企画し、形にする楽しさを知り、この経験が仕事を行う上での“原点”となった。
—— 大学院を卒業後、SI会社に入社した理由を教えて下さい。
Mさん:大学院在学中に学内公募のビジネスコンテストに参加したとき、事業の企画力に加えて、今後はIT技術を身に付けることが必須だと痛感しました。ビジネスにも携わりながらIT技術を得るためにSI会社を選びました。
—— 入社後は大規模システムの開発にアサインされたようですね。
Mさん:大規模金融業務システムの再構築プロジェクトでした。部署ごとにシステムのコード体系や用語の意味が異なっていたり、運用オペレーションが属人化していたりして、ビジネスの変化への迅速な対応が困難で、保守費用も増大していました。こうした問題を解決するため、アーキテクチャを全システムで共通化し、各システムの変化に対する柔軟性を高めることが狙い。開発人数600人、開発予算200億円の大きなプロジェクトでした。
—— 入社以来4年以上にわたるビッグプロジェクトでしたね。心掛けたり、工夫されたりした点はありますか?
Mさん:10社以上が参加するマルチベンダーの案件だったため、各社間やチーム間の調整が重要なポイントでした。私は自ら橋渡し役を買って出て、他社の担当者と直接フェイストゥフェイスで雑談も交えながら話し合い、方針や進め方を決めることを心掛けました。他チームが現場で困っていれば、状況把握や関係者の要望の汲み取りなどを行い、どうしていくべきかを提案。こうした私の調整力は顧客や現場担当者から高く評価され、複数のチームが参加するミーティングには私に名指しで出席依頼があり、意見を求められることも多くありました。
—— 問題解決の調整力や提案力は現場では非常に重宝されるスキルですね。
Mさん:提案に関しては、システムの企画や立案を行うことも、常に意識しながら仕事に取り組みました。実際の成果として2件の案件化に成功し、仕様決めから設計、実装、テストまで全工程に携わり、業務改善を実現しています。
—— ユーザーからの要求に応えていくことはとても骨の折れることだと思います。
Mさん:確かにこのプロジェクトではユーザーからの要求が多く、一度決まった仕様がリリース後に変更を迫られることも。その都度、本当に仕様を変えるべきかを粘り強くユーザーと話し合い、複数の選択肢を提示することによって最善の道を一緒に探すことに注力しました。こうした丁寧な折衝も評価され、ユーザーとは良好な関係を築くことができました。
ワンランク上のエージェントとの出会い
現場の担当者やユーザーから信頼を獲得し、サブリーダーやリーダーを経験するなど順調にキャリアを積んだMさん。だが、自身の中では、このままでいいのかという葛藤が芽生え始めた。見つめ直した原点に気持ちは揺り動かされ、心は転職へと向かって行った。
—— 転職に心が傾いて行った経緯は?
Mさん:入社以来ずっと同じ顧客で、他の担当者が離任していく中で、顧客の業務や社内文化に精通する人間が自分以外にいないような状況に、徐々に陥っていきました。システムがカットオーバーして保守運用のフェーズに移り、3カ月スパンでヒアリングと改修を行うプロセスが継続。今後も同じことの繰り返しが続くと、本来自分がやりたかった事業企画や業務改善の新規提案ができにくくなるのではという危機感がありました。胸に去来したのは自分の仕事観の原点となった学生時代のビジネスコンテスト。あの時のような楽しさや喜びをもう一度取り戻したいと強く思うようになったのです。
—— そこで転職の“スイッチ”が入ったと。
Mさん:それに加えて、ビジネスコンテストに一緒に参加した後輩が転職に成功したことも刺激になりました。早速転職サイトに登録してスカウトメールが来たエージェントの中から7社ほど選び、実際にコンサルタントと会って支援先を吟味しました。エージェントを選ぶポイントは、相談しやすい人柄であることと、対象となる会社について、短所も含めてありのままを脚色せずに話してくれること。これはメールや電話のやり取りでは判断できないため、気になるエージェントに積極的に出向いたわけです。
—— リーベルと出会ったきっかけは?
Mさん:プロジェクトで協業していた他社の方に「転職を考えている」と相談したところ、「実は自分も転職活動をしていて、支援を受けているエージェントがある」と紹介されたのがリーベルです。リーベルのコンサルタントと会い、転職先として考えている会社を示して相談すると、それらの会社の長所と短所を明確に指摘するなど、とてもわかりやすく説明してくれました。直感で、他のエージェントよりワンランク上だと思いましたね。その他社の方も希望する会社から内定が出たと聞き、リーベルとなら自分も転職を成功させることができると判断しました。
—— 実際にリーベルの支援はどうでしたか?
Mさん:事業企画や業務改善の立案に携わりたいという私の希望にかなう会社の選定から応募のやり方、面接の想定問答の準備まで一貫してサポートしてくれ、とにかく「安心」して転職活動に取り組むことができました。面接の時間に急な会議が入ってしまった時は、スケジュールの再調整などバックアップも万全。多忙な中でも順調に面接を受けることができたのは、リーベルの支援のおかげです。
ビジネス感覚が高い評価を受ける
複数の会社を受けたMさんだが、最終的にフューチャーアーキテクトの内定を獲得した。Mさんがフューチャーアーキテクトを選んだ理由、そして内定を獲得できたポイントを聞いてみた。
—— フューチャーアーキテクトに応募しようと思ったのはなぜ?
Mさん:私は顧客のビジネスの成功に直結する仕事を求めていました。フューチャーアーキテクトは単に機能実現を目指すITコンサルティング会社ではなく、経営と業務、システムの3つの領域を見据え、顧客のビジネスそのものを改革していくことをミッションとする会社。そうした本物のコンサルティングを提供する点が、私が将来的に目指していきたい方向性と一致していたため、フューチャーアーキテクトで自分の力を発揮したいと考えたのです。
—— 選考の経緯を教えて下さい。
Mさん:フューチャーアーキテクトでは、会社説明会に参加し、先輩社員の話を座談会で聞く機会があります。話を聞いて、ますますフューチャーアーキテクトなら自分のやりたいことを実現できると感じました。その後、面接を2回実施。1次面接は高度な技術知識を問う質問が多く、私の知識・経験が少し不足していると判断され、「修行のため少し下のランクから入って貰うかもしれない」と言われました。「それでもいい、ぜひ一緒に働きたい」とアピールし、通過することができました。
—— 2次面接はいかがでしたか?
Mさん:サービス事業部のトップの方が面接官でしたが、その方と意気投合し、途中からは新規事業の話で盛り上がりました。ビジネスコンテスト以来、常に売上げや利益を上げるための「攻めの提案」を志向してきた私は、将来的にやりたいことなどを素直に提示。そのビジネス感覚を買ってもらえたためか、1次面接よりも高い評価を得られました。
—— リーベルのサポートで面接に役立ったことは?
Mさん:ホワイトボードを使いながら面接の練習を行えたことでしょう。練習ではホワイトボードに書きながら自分の考えを説明しましたが、本番の面接でもホワイトボードがあり、使っても良いと言われたので、練習を思い出しながらうまく活用できました。対象となる会社の選考の傾向に詳しく、十分な準備ができることも、リーベルの支援の利点だと思います。
「人脈」が転職活動を助ける
希望の会社からの内定を獲得し、転職活動を無事終えることができたMさん。転職成功者だからこそ言える、その極意とは何か? ポイントは「ぶれない心」と「人脈」だった。
—— 改めて転職活動を振り返って、うまく進められた理由は?
Mさん:やはり、リーベルの存在は大きかったと思います。何ひとつ欠けることなく、全面的にサポートを受けられたので、私は面接に集中することができました。
—— 2次面接でビジネス視点の考えをアピールできたことも勝因ですね。
Mさん:新しい事業を提案したい、ビジネスの成功につながるような仕事がしたいという気持ちは、ずっと失わずに持っていました。そうした仕事のスタンスの「芯」がぶれなかったことも、転職成功の要因になったと思います。2次面接で面接官に素直に自分の想いをぶつけられたのも、芯がぶれてなかったからだと考えています。
—— 転職を考えている方たちにアドバイスをお願いします。
Mさん:仕事に対してぶれない芯を持つことに加えて、私は社外に「人脈」を作ることがとても大切だと思っています。今回、リーベルと出会えたのも私が培ってきた人脈のおかげです。転職は同じ会社の人には相談しにくいもの。社外の横のつながりがあれば、その中には転職成功者もいるでしょうし、いいエージェントを紹介してもらえる可能性も高まります。もちろん、転職だけのために人脈を作る必要はありませんが、日頃から社外のネットワーク作りを意識することは、重要でしょう。
—— 社外の人脈作りの秘訣は?
Mさん:同じプロジェクトに関わっている社外の人と、友人になる感覚で、積極的にコミュニケーションを取ることです。プロジェクトに参加する会社は確かにライバルであることが多いですが、それでも飲みに誘ったり、深く話し合ったりすることによって、仲良くなることはできます。私は退職の日に感謝の意味を込めて関係者へお菓子を100個ほど配ったのですが、そのうち8割は他社の人でした。それだけ社外に人脈が多かったということです。
—— ぶれない心と人脈作り。なかなか聞けない話を今回はうかがうことができました。転職を考える人にとって参考になる貴重な話を有難うございました。
ライター プロフィール
- 高橋 学(たかはし・まなぶ)
- 1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
- ◇主な著書
- 『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。