- プロフィール
- 京都産業大学経営学部卒業後、IT関連の人材育成サービス会社に入社。人材育成サービスの提案型セールス活動などに携わる。その後、製造業のシステム開発などを手がけるクラステクノロジーに転職。直販、パートナー企業への営業やマネジメントなどを手がける。
今の会社で納得できる仕事をしてから転職する
「今回の転職では2つのことを実感しました。まず出会いを大事にした方がいいということ。もうひとつは募集要項などだけで会社を判断するのではなく、面接を受けて自分の目で確かめるべきだということです。そこにチャンスがあると思って自分で可能性を広げていった方がいいですね」
今年、初めての転職を経験した千葉さんの新しい会社は、製造業のシステム開発などを手がけるクラステクノロジー。これまでは人材育成サービスの会社でコーディネーターとして働いていたのだが、初めての、そして異業種への転職にどのような心境で臨んだのだろうか。
千葉さんが転職を考え始めるようになったのは、転職の約半年前。多忙な業務に追われる日々の中で、自分の仕事に対する疑問が生まれてきたことがきっかけだった。
仕事に対する価値観を共有できる出会い
そのプロジェクトの終わりが見えてきた9月、千葉さんは自分の仕事の成果に納得し、転職を具体的に考え始める。ただ、この5ヶ月間には自分でも満足していたため、会社に留まろうという考えも浮かんできたという。
「やはり人材育成という仕事がすごく好きだったんで。お客様に感謝してもらったり褒めてもらうと、『またこの仕事がやりないな』と思っていました。でも、会社に留まることも考えつつ、外でいろいろな会社を見て、そこで働きたいと思える会社があったらそっちを考えてもいいかなと思ったんです」
冒頭の言葉にあるように、千葉さんが大切にした出会いが、まずここにあった。それが「知り合いから紹介を受けた」というリーベルとの出会いだ。
「リーベルは知り合いの紹介で、『IT系の企業をメインで扱っているからいい』と言われました。登録してからのレスポンスが速くて、最初に面談をしたときも私が何をやりたいのかということをしっかり聞いてくださって、信頼できる印象を抱きました」
相談をしながら転職先を選んでいくなかで、千葉さんが重視したことは仕事の内容と働く環境。特に営業職への思い入れは強かった。
働く環境を考える際には、将来への意欲とともに、転職に対する不安な気持ちも含まれていた。
「その会社のホームページを見て、何か新しいことをしようとしている会社や、全員で協力して日本一を目指しているようなところに目が行きました。また、転職して全く知らない人の中に一人で入ってやっていけるのか、誰かに助けてもらえるのか、という不安があったので、できるだけ社内がどういう環境なのかよく調べました。面接でもその辺をはっきりと聞きましたね」
こうして条件を整理しながら、希望に沿った5社を選び出す。最初に面接を受けた会社の社長の言葉を「すごくインパクトがあった」と振り返る千葉さん。すぐにその会社に決めようと心が揺らぐ。その時には今の会社に留まらず、転職する覚悟もできた。しかし、最終的な返事が来るまでに時間が空き、その間に「他の会社も見てみよう」と思い、面接を受けることにした。その中に今回入社に至ったクラステクノロジーが含まれていたのだ。ここでは最初の会社のインパクトを上回る大切な出会いが待っていた。
「面接をした人とは、自分の仕事に対する価値観と向こうが求めているものが一致して、入社後の仕事がすごく具体的に見えました。それに入社後に自分と一緒に働いていく人を紹介してもらって、じっくり話もしました。そういったことから私のことをすごく考えてくれることが伝わってきました」
千葉さんと同じくらいの年齢で法人営業を希望する人を募集していたクラステクノロジーのニーズと一致し、すぐに内定が出た。応募から内定まで約2週間という異例の早さだった。
今回の転職のキーワードは「人との縁」
クラステクノロジーでは慣れない分野に飛び込むことで多少不安もあるようだが、今は新しい仕事への意欲がそれを上回っている。「他の人には負けない」という持ち前の根性で、必要な知識や経験を貪欲に吸収していく構えだ。
感想は、「『仕事は縁』とか言いますけど、それは本当だなと実感しました」
「人との縁が今回の転職のキーワードになっていました。最初にリーベルを紹介してもらったことや、面接での出会いです。自分が入社するかわからないのに忙しい時間を割いて面接してくれる人のためにも、『この人に会ってよかった』と思われるように心がけました。一瞬の出会いで終わるかもしれないけど、そこから何か発展していく可能性もあるということを常に意識していました」
今回の千葉さんのケースは出会いという偶然が生んだ成功例と言えるかもしれない。ただ、その背景には、一つ一つの出会いを大切にし、そこからチャンスをつかもうとする心構えがあった。面接で相手に与える印象は、こうした心構えひとつでも変わってくるのではないだろうか。
ライター:高橋 智