家族が最近大河ドラマを見るようになったのですが、それをきっかけに昔の大河ドラマを見ようかなと思い立ち、龍馬伝を見ることにしました。
まだ序盤で、坂本龍馬が江戸に剣術修業に出てきたところなのですが、龍馬は土佐の実家に近況報告のためしばしば手紙を書きます。家族はそれを読んで、龍馬は頑張ってるねと喜ぶのですが、姉の乙女だけが、龍馬の手紙に違和感を覚え、返信でストレートにそれを伝えます。
ある時の龍馬の手紙に、「剣術修業に励んでおります」と書かれていたのですが、乙女は、龍馬がもともと世の中を知りたいため上京したことを知っていたので、お前は剣術修業のために江戸に行ったのか、世の中を広く知るためではなかったのか、剣術修業に励むのは良いがそれで満足するなと、厳しい言葉を投げかけます。
その後もまた龍馬は近況を手紙に書いて実家に送るのですが、既に黒船が来日したあとということもあり、「異人が来たらお国のために戦い首を討ちとる」と宣言します。家族はあの弱虫の龍馬がなんと勇ましいことを言うのかと感動するのですが、乙女はまた疑問を持ち、思いを手紙に書いて龍馬に返信します。
おまんらしい生き方を探しなさい
乙女は、龍馬に対して、それは本心なのか?と問いかけます。
『異人の首を討ちとって帰るゆう龍馬の手紙、みんなぁ喜んじょりました。
けんど、姉やんは、お前らしゅうない手紙じゃないと思いました。日本の国のことを考えるがはええことじゃけんど、おまんがいくさをしたがっちゅうとは思えんきに。
世の中を知るゆうことは、みんなと同じような人間になることではないがぞね、龍馬。
おまんらしい生き方を探しなさい。
それを見つけてこそ、自分が何を成し遂げるために生まれてきたのかが見つかるがじゃ。』
龍馬は乙女の手紙を読み、その通りだ、あの手紙は嘘じゃ、とつぶやきます。本心でない言葉は、見る人が見れば分かるもの。乙女は龍馬の本当の理解者であったと思われます。
あなたは本当にそれをしたいのか
転職活動で企業の面接を受けると、大抵「あなたは入社後に何をしたいですか」と聞かれます。その際、○○をしたい、という話をするわけですが、そこで話すことが本心でない場合、それが見抜かれてしまい、面接を通過することができなくなったりします。
例えばよくあるパターンとしては、「プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを目指したい」というもの。確かにそれは、エンジニアのステップアップとしては最もメジャーなものではありますが、それが本当に自分に合っているのかどうかはよく考えたほうが良いです。
過去に弊社でご支援したある30代中盤の方は、会社からは上流工程を担当することを期待され、また、リーダーやマネージャーとして成長することも期待されていたのですが、ご自身としてはそれらの業務が自分に合っているとは思えなかったと仰っていました。自身の性格や強みを考えたときに、ある程度やることが見えている業務を手堅く進めていく方が性に合っている、ということで、それができる企業への転職を決められました。
それは、一般的なキャリアではないかも知れませんが、周りと自分とは違うわけです。周りに合わせる必要はありません。この方は、自分らしい生き方を探し、掴まれたと思っています。
一方、これも過去に弊社でご支援した方の話ですが、キャリアプランを聞かれたときに、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーになりたいと話し続けた方がおられました。しかし、面接官がなぜ?と突っ込んで聞いてみると理由は余りなく、やりたいことを聞いてみると技術の幅を広げたいとのことで、本当にプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーをやりたいの?と思われ、面接で良い評価を得ることができませんでした。
この方がプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーになりたいと言い続けておられたのは、もしかしたらみんなと同じようなキャリアを辿りたい、という思いがあったのかもしれません。しかし、それは本心で思っていることではないため、面接官には言葉が届かなかったものと思われます。
自分らしい生き方を
他にも、「○○をやりたい!」といっても面接官に響かないというケースは少なくありません。なぜそれが響かないかというと、それはもしかしたら、周りがそうしているから、というのに縛られて、自分らしい生き方をしていないからなのかも知れません。
もしあなたがやりたいと思っていることを面接官に伝えても伝わらないときには、それが自分らしい生き方なのか?そもそも自分らしいとは何か?というのを一度考えてみてくださいませ。