この年末年始はみなさんどのように過ごされましたでしょうか。私は久しぶりに何冊かの本を読むことができました。
私は普段、歴史ものを読むことが多く、今回も一冊は歴史ものを入れたのですが、その他は敢えて読んだことのない系統の本を読むことにしました。読んだ本は以下の通りです。
宮城谷昌光 戦国名臣列伝
ドリアン助川 あん
村上春樹 風の歌を聴け
森絵都 アーモンド入りチョコレートのワルツ
堀内都喜子 フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか
いずれも全く異なる文体で、世界観も異なり、内容もばらばらです。
やっぱり、好みの本はするすると読むことができました。世界観が自分に合っているのでイメージが湧きやすく、期待していた読後の充実感も得ることができました。
一方、読み慣れない本ほど、読み進めるのに苦労しました。言葉の使い方や話の進め方、テンポなどが、特に読み初めの頃は掴むのが難しく、遅々としてページが進みませんでした。
でも、学び、という観点でいえば、好みの本を読んだ時よりも読み慣れない本を読んだ時の方が圧倒的に学びが多かったように思います。新しい考え方や価値観、知らなかった世界観がそこにはあり、読後も想像していたものとは異なっていたりして、充実感を得られなかったり、むしろ不完全燃焼感が残ったものもあったものの、こういう終わり方もまた一つの終わり方で、それを好み評価する人もいるんだなと知ることができました。
私は時々、今回のように敢えて頭に負荷をかけることをしています。学びとは負荷が伴うもので、負荷のかからないことだけをし続けていると自分が劣化していくと思うからです。
それに、私どもの仕事は、自分とは生きてきた環境も考え方も違う方々をご支援する仕事になります。自分の価値観や好みとする考え方はありつつも、ご支援差し上げる方々の世界観を理解し、その世界観の中で成し遂げたいことが実現できるように後押しさせて頂く必要があります。
その観点でも、負荷がかかる本を敢えて読むようにし、自分と異なる好みや考え方に触れることが大事だと思っているのですが、これは人材紹介に限らず、人とのコミュニケーションが重要なITの仕事でも効果があると思います。
どのようなITの仕事でも、一人で成し遂げられるものは稀です。強みや考え方、価値観などが異なる方々と仕事をして目標に向かっていくことになります。きっといまこれを読んでおられるみなさまも、合わない人と仕事をしてやりにくいなと思ったことは、一度や二度ではないでしょう。
それらの方々と仕事をするのは苦痛ではあるのですが、自分の価値観と異なるものを、共感はせずとも理解をする癖をつけることで、いろんな種類の方々と仕事をうまく進められるようになります。
もちろん、ご自身に負荷をかける手段は本でなくても構いません。映画やテレビなどのメディアでも良いですし、普段のコミュニケーションでも大丈夫です。
とはいえ、できれば文章の方がよくはあります。映像や音楽があると、全てを想像しなければならない文章に比べて想像力を働かせる負荷が低くなってしまいますし、コミュニケーションの場合、質問・確認をすることで、自分の世界観で、自分が理解したいように理解できてしまうからです。
ただ、負荷をかけすぎるとただ嫌になってしまうだけですので、耐えられる程度の負荷をかけて、自分とは違う世界観をご自身の中に取り込んでいってくださいませ。