3年ほど前からでしょうか、中途採用の求人にAI関連のポジションが増えてきました。ただAIエンジニアになりたいといって、いきなり未経験で挑戦できるほど甘い道ではありません。
今回は将来AIエンジニアになりたい方向けに、どのようにキャリアを積めば良いのか、具体的なポジションを上げながら説明させていただきたいと思います。
1. AIエンジニアの定義
そもそもAIエンジニアとは、具体的にはどんな仕事を指すのでしょうか。色々な定義があるのですが、ここでは「大量のデータを分析するうえでAIを活用させ、より高度な分析を実現させる仕事」と位置付けたいと思います。世の中にはAI技術そのものを基礎研究して方もおられますが、本コラムではそのような方は「AI研究者」として、AIそのものをサービスやシステムに組み込んで価値を発揮させるエンジニアを「AIエンジニア」と定義したいと思います。
2. AIエンジニアにとって大事なスキル
それでは、AIエンジニアになるにはどんな知識が必要でしょうか。
当然ですが、AIそのものの知識は必要です。細かく言えばAIには複数の種類やモデルが存在しており、どんなシステムにどんなAIを適用すれば良いのかは、各AIエンジニアが考える必要があります。そしてそのためには、AIだけでなく、データをみる力がとても重要なのです。
音声の認識や自然言語処理など、本来であれば人間がするべき業務をシステムが代替してくれるのがAIです。ただ、それもベースとなりうる基本データが無ければAIは動きません。しかも膨大な、相当量のビッグデータが必要なのです。そして、そのデータを上手く綺麗に揃えるのもAIエンジニアの腕の見せ所です。
つまり、AIエンジニアはビッグデータを扱うスキルが非常に重要だと言えます。大規模データ処理や統計情報の知見がある方は、AIエンジニアになりやすいスキルセットと言えるのです。
3. AIエンジニアの周辺ポジション
では、アプリケーションエンジニアがAIエンジニアを目指すにあたり、具体的にどのような経験を積めば良いのでしょうか。ここでは職種をベースにしながら、参考となるスキルセットを語りたいと思います。
まずデータを扱うという意味では、データベース関連のスキルセットは基礎中の基礎となります。「データベースエンジニア」はもちろん、ETLツールを使ってデータウェアハウスを構築する「BIエンジニア」と呼ばれるポジションもそれに該当するでしょう。
また、当然データの分析を行う「データサイエンティスト」も、AIエンジニアの土台となるポジションです。ITスキルに加えてデータ分析の知識も必要とあり、数学や統計学などの知見も重要になってきます。
他には、金融やマーケティングなど特定業種向けに分析を行う「データ分析コンサルタント」や、分析用のインフラ環境を用意する「分析基盤エンジニア」というポジションも、周辺系のポジションと言えます。
いきなりAIエンジニアを目指すのが難しいという方は、まずはこれらポジションへの転職を目指してみてはいかがでしょう。各自の技術経験から、どのようなポジションを狙うのが良いのか、是非転職エージェントに相談してみてください。
4. AIエンジニアへの勉強方法
もちろん、AI技術そのものを勉強することも重要なステップです。ITスキルとビッグデータの経験に加え、AIの知識が身に付けられれば転職でAIエンジニアへの挑戦も十分可能です。AI関連の資格もありますので、取得を目指すのも一つの手です。
また、今月末には弊社主催で下記のセミナーを開催します。もし何を自己学習すれば良いか分からない方は、是非ご参加ください。
【セミナー:現役AIエンジニアが語る!AI業界のキャリアと勉強方法!
—未経験からAIエンジニアへ—】
https://connpass.com/event/147309/
5. まとめ
業務でいきなりAIシステムに関われれば、それに越したことはありません。ただ、まだAIの案件自体が少ない現状では、自ら知識を広げる努力も必要です。自己学習と転職を上手く使って、理想のAIエンジニアを目指してください。