IT業界への転職を検討する際、資格を取得したほうが良いのかどうか迷ってしまう方も少なくありません。
そもそも資格は転職の際に評価されるのか、条件の良い企業へ転職するためにはどんな資格を取得すればいいのか、評価される資格はどれなのか、など転職を検討するうえで気になることも多いかと思います。
そこで今回は、IT業界で資格は重要視されるのか、アピールはどのようにしたら良いのかなどをご紹介します。
1.IT業界の転職に資格は重要か?
IT業界の転職では資格の有無はそれほど重要視されず、経験の方が圧倒的に重要視されます。
理由としては、資格を取得する際に得た知識のうち、実務において役立つ部分はほんの一部であることや、実際に仕事ができるかどうかが別問題であることが挙げられます。
ただ、企業や職種、求められるスキルセットなどによっては選考で有利に働く場合もあります。資格が全て無駄になるわけではなく、自分が目指す職種では資格が必要なのか、どんな資格が求められているのかを把握することが大切です。
2.転職で資格が有効になり得るケース
まずは、IT業界の転職で、資格が有利に働くことが多いケースを4つご紹介します。
- 転職先で必要な資格を有している場合
- インフラ系を受ける場合
- セキュリティ系を受ける場合
- 未経験の場合
転職先で必要な資格を有している場合
自分が希望する企業で必要または重視している資格を持っている場合は、選考で有利となる可能性があります。
特に転職先で必要な資格の場合、入社後にその資格を取得することになるため、すでに資格を有している方が採用の土台に上がりやすいと言えます。
募集要項の「歓迎条件」などに記載されていることが多いので、事前に確認しておきましょう。
インフラ系を受ける場合
インフラエンジニアは、アプリケーション開発よりも資格を評価する傾向にあります。
サーバーやネットワークの構築業務では、それに関連した有名なベンダー資格が数多くあり、関連する資格を有していれば基礎知識があると判断される機会が多いからです。
また、インフラエンジニアは客先に出向くことも多いため、資格を有していると顧客から信頼を得やすく、優遇されやすいという傾向にあります。
セキュリティ系を受ける場合
インフラエンジニアと同様の理由で、セキュリティエンジニアも深い知見をどれぐらい有しているかを知る指標として、資格が重要視される傾向にあります。
セキュリティと言っても範囲が広く、どの領域に知見を持っているのかなどを確認するのに資格が1つの指標となります。
未経験の場合
これまでIT業界で働いたことがない未経験者の場合でも、資格が有効になります。
理由としては、実務経験がなくても、資格を取得するまでの努力、資格を取得したいという学習意欲、向上心など精神的な面で評価されることがあるからです。
3.転職で資格が評価されづらいケース
転職もおいて有効になる資格がある一方で、資格が評価されづらいケースもあります。
ここからは、資格が評価されづらいケースを3つご紹介します。
- 経験者の場合
- 有している資格が転職先で必要ない場合
- マイナー資格や下位資格を有している場合
経験者の場合
経験者の場合は、基本的に即戦力かどうかが重要です。
一般的に、年齢を重ねるごとに資格より実務経験の方が評価のウエイトが高くなる傾向にあります。
そのため、経験者は面接などで資格の有無よりも「どんな仕事をしてきたのか」「何ができるのか」など実務経験をアピールしたほうが効果的と言えるでしょう。
有している資格が転職先で必要ない場合
自分の有している資格が、転職先の業務で必要がない場合も資格が評価されづらいでしょう。
一口にIT業界の資格と言ってもさまざまな種類があり、前職で必要だった資格も転職先では必要ではない場合も多々あります。
ただ、転職先で必要とされないからといって資格欄に記入しないのはもったいないです。仕事との直接の関係性は薄いかもしれませんが、間接的に関連している可能性もあったり、資格で話が膨らむ可能性もあるため、しっかりと記載しておきましょう。
マイナー資格や下位資格を有する場合
IT業界は国家資格からベンダー資格まで数多くの資格がありますが、実務に役立つかもわからないマイナーな資格を有していても、選考でメリットを享受できる可能性は低いと言えます。
採用担当者も知らない資格は、取るメリットが薄いと言わざるをえません。国家資格やベンダー資格で知名度が高いものや、企業が必要とする資格を取得する方が無駄な労力を割く必要がなくなります。
また、同様の資格でも1級、2級、3級などと序列がある場合、下位資格を持っていても評価されづらい傾向にあります。
4.転職で資格を有効にアピールするためのポイント
最後に、転職で資格を有効にアピールするためのポイントを3つご紹介します。
以下のポイントを押さえて資格を有効にアピールし、内定を勝ち取りましょう。
- 資格を取得した背景・目的を伝える
- キャリアアップと結びつける
- 年代別でアピール方法を変える
資格を取得した背景・目的を伝える
まず、資格を取得した背景や目的をしっかりと伝えることができると、有している資格を有効にアピールすることができます。
一般的に選考の場面では、資格そのものだけでなく取得しようと思った目的意識や努力の方が評価されやすい傾向にあります。
ただ単に「〇〇という資格を持っています。」と伝えるよりも、資格を取るに至った背景や目的を伝えられると、努力や向上心を効果的にアピールすることができ、内定に近づきます。
キャリアアップと結びつける
「なぜ資格を取得したのか」という理由を、キャリアアップに結びつけるとより効果的です。
資格を取得したことでどのように自分が転職先でキャリアアップしていきたいのかを具体的に伝えられれば、取得した資格を有効にアピールすることができます。
転職先の仕事と結びつける必要があるため、仕事との関連度も意識するようにしておきましょう。
年代別でアピール方法を変える
自分の年齢でアピール方法を変えることも大切です。
20代の場合は、企業も今後のポテンシャルに期待して募集していることが多いことから、資格を取得したことによる成長意欲の高さを積極的にアピールすることが大切です。
30代以上の場合は、企業も即戦力を求めていることが多いので、20代のように成長意欲をアピールするよりも、資格を自身のスキルの高さに対する証明としてアピールする方が効果的です。
5.まとめ
IT業界は基本的には資格よりも実務経験の方を重要視します。
しかし、職種においては資格が有利に働く場合もあります。
自分が目指している職種では、まず資格が必要なのかどうかを調べることが大切です。