英語公用化の流れはとまらない
ホンダは2020年を目標に社内の公用語を英語にすると発表しました。これは、今までは情報の発信側が日本語だった場合は現地駐在員らが現地語に翻訳していたものを、今後は情報を発信する側が英語の資料や文書を用意するというものです。例えば情報発信元が技術部門であれば、技術部門が最初から英語で作成しなければならないということです。
日本企業の国際部門などはすでに英語が公用語ですが、今まで組織的に離れていた部門も英語公用語の波が押し寄せてくるということを意味します。
すでに日本企業で英語を社内公用語にする方針を出している企業は、楽天、「ユニクロ」のファーストリテイリング、ブリヂストンがあります。部分的にはアサヒビール、シャープ(研究開発部門)、日本電産(管理職)、武田薬品(2013年新卒から)、三井住友銀行などがあり、例えば三井住友銀行では総合職の全行員1万3000人に対しTOEIC800点以上を目指すように求めています。確実に英語力が必須となる波が押し寄せています。
この波に乗り遅れて英語のできない人は、昇進が止まり、活躍できる場は限られてくるでしょう。
企業や技術の変革もとまらない
最近のIT業界の企業合併では、角川とドワンゴ、タタコンサルタンシーサービシズとアイ・ティ・フロンティア。事業売却ではソニーのVAIO、NECパソコンの事実上のレノボ移管があります。
技術レベルでは、クラウドの波。自社でサーバーを持つ時代は終わりつつあります。クラウドサービスは今後ますます加速化していくでしょう。それによって大きな事業縮小を余儀なくされる企業も出てくるでしょう。
デバイスレベルでもPCで行っていた部分の多くが今ではスマートフォンやタブレットのモバイルデバイスで十分にこなせるようになっています。これは個人だけでなく企業レベルでも同じです。
また、企業のIT投資も変わってきています。従来はIT投資の60%、または70%は保守運用コストといわれてきたものが低減化され、その分新規投資に回ってきています。保守運用業務も少なくなっていくでしょう。また専門的になっていきます。
スキル・キャリアも変化しなければ生き残れない
このように、企業、IT業界を取り巻く環境が変わってくればおのずとそこで働く人も変わる必要があります。残念なことに変革に乗り遅れ、波に乗れない人は陳腐化した消え去る業務にしがみついていかざるを得ません。
ではこうならないためにどうすればよいのでしょうか?
それは、若い方でも、担当レベルの方でも業界動向はしっかりと見ておくことです。企業は皆さんが思うほど鈍感ではありません。突然あなたの会社が買収されるかもしれません。大企業にいるからと安心してはいけません。小が大をのみこんでいく時代です。洞察力をもって技術動向、企業動向を予測して自分のキャリアの危機を感じ取り軌道修正していくことです。
そして重要なことは自分が変わることを実行していくことです。 変化の速度は益々速くなっています。10年で変わったことが今は4年で様変わりすることがあります。英語の波が自分にも及んでくると予測できるなら明日からでも英語、英会話の勉強をすべきです。そのための投資は2倍、3倍になって自分に返ってきます。
<コンサルタント T.I>