「落ち着いて働きたい」を理由に社内SEを目指すのは難しくなる
「システムエンジニアとして毎晩遅くまで働くのはもう限界だ!」
「自分の趣味の時間が欲しいから、ワークライフバランスが保てる企業に転職だ!」
そう考えている方も少なからずいらっしゃると思います。
とはいえ、せっかく今までIT業界で働いてきたのだから、経験を無駄にするような転職は避けたいものです。そこで、社内SEであれば、IT業界での経験を生かすことができる上に、お客様が自社内になるので、納期に徹夜してでも間に合わさなければいけないという状況も少なくなります。また、場合によっては社内のシステムはベンダーに開発を依頼するので、例えば「テストで大量にバグが発生してしまい、早急に手を打たなければならない!」とか、「非機能要件を全く満たせていない!」という理由から一気に高稼働になることも少ないかもしれません。
確かに、これまではワークワイフバランスを保つために社内SEを目指すという選択肢もあり”だった”かもしれません。実際に、稼働時間を落ち着かせるために社内SEへと転職した方も多くいたのも事実です。しかしながら、これからの時代はワークライフバランスを保ちたいという理由で社内SEを目指すことが難しくなってきそうです。
社内SEにも求められるコンサルティングスキル
私も様々な事業会社の社内SEポジションの話を聞く機会がありますが、求める人物の傾向として、会社事業・社内業務のあるべき姿を描ける人を強く求めるようになってきています。ITコストを削減するためにどのような施策を打つか、クラウド化にはAWSかAzureのどちらを適用するかというシステム寄りのことから、小売業であれば倉庫管理や出荷、配送などSCM周りのあるべき姿を描き、業務改善策を実現できるシステムを検討するなど、コンサル寄りの業務まで求められるようになってきました。実際に、最近はコンサルティングファームから社内SEへ転職する方も多くなってきており、企業側もファーム出身者を求めるようになっています。
従って、社内SEにも高いレベルで成果を求められる時代に入ってきており、残業時間を減らしたいから、自分の時間を確保したいからという理由で転職するのは難しくなってくる可能性があります。
社内SEにも求められる語学力
ITスキル、コンサルティングスキル以外に、社内SEであっても英語が話せる人を求める企業が増えてきています。
その理由は2点あります。
ひとつは、国内企業のグローバル進出に伴い、海外拠点でのシステム構築を現地社員と一緒になって考えていくことができる人のニーズが高まっているため。もうひとつは、社内システムの開発(プログラミング)を海外オフショアへ依頼しているところも多く、オフショア先の管理ができることが必要なためです。
とある国内大手小売企業では、中堅社員以上になるとビジネス英語レベルでないと採用要件を満たさず、それだけでお見送りになるケースも出てきています。社内SEだから英語は必要ない、残業時間も抑えてのんびりやっていきたいという考えは危険であり、活躍できるフィールドが狭まっていきます。これからの時代では、社内SEを目指すのであれば、相当の覚悟を持たなければならないでしょう。
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