- プロフィール
- 1992年生まれ。大学在学中にITパスポートをはじめ様々な資格を取得。新卒入社したITベンチャーではネットワークエンジニアとして、1年目からプロジェクトリーダーに抜擢される。2年後、SIerに転職。データセンターの機器移設プロジェクトに携わりつつ、ネットワークスペシャリストの資格を取得。続いて転職した外資系コンサルティングファームでは、MBAを取得するなどして、ITコンサルタントから経営コンサルタントへの「社内転職」を実現する。
数々の資格を精力的に取得。
社会に出てSEとなってからも、激務の合間を縫いつつ、
難関のネットワークスペシャリスト資格に挑むなど、自分を磨き続けた。
外資系コンサルティングファームに移ってからもその姿勢は変わらず、
ついには念願だった経営コンサルタントへの「社内転職」も実現。
目標に向け、常に先回り、先回りで、
超人的とも言える努力を重ねたその足跡を、
本人の口から振り返ってもらった。
大学時代から様々な資格取得に励む
「得られるものは早めに得たい」とするMさん。その言葉どおり、学生時代からITパスポートをはじめとする資格取得に精力的に取り組む。新卒入社したITベンチャーでもネットワーク関連の知識を貪欲に吸収。1年目からプロジェクトリーダーに抜擢される。
—— 大学は情報学部。もともとITには興味があったんですね。
Mさん:ええ。高校の授業でHTMLを使ってホームページを作ったりしていて。そこで情報システムに興味を持ち、情報学部へ進学しました。大学ではプロジェクトマネジメントからシステム設計、プログラミング、運用管理などをひと通り学びました。
—— 大学時代には資格も熱心に取得されたそうですね。ITパスポートをはじめ、ファイナンシャルプランナー3級、秘書検定2級、知的財産管理技能検定2級と。
Mさん:そうですね。ITパスポートについては、ITの知識は幅広く、大学の講義で学ぶだけではどうしても断片的で偏りができてしまう。満遍なく知識を習得するには資格を取るのがいい、と考え、まずは入門編であるこの資格に挑みました。ファイナンシャルプランナーは、ITとは関係なく、将来の自分の生活を豊かにするにはライフプランの設計や税金などについての知識を身につけることが必須と考えたため。秘書検定は、ビジネスマナーを身につけるため。知的財産管理技能検定は、IT業界でもソフトウェアやプログラムなどの著作権を巡るトラブルが増えており、情報システムを語るうえで知的財産の知識は欠かせないと考えたため、取得しました。
—— 学生のうちにこれだけたくさんの資格を取得するのは、かなり大変だったのでは?
Mさん:たしかに大変でしたが、私には「何かをするなら早いほうがいい」という基本的な考え方があるんです。早くにアクションを起こして、何かを得られたら、残りの人生はそれをベースに過ごせる。なので、得られるものは早めに得ておきたいんです。
—— 新卒入社したのは、ITサービスの企画・設計から運用保守までのワンストップソリューションを提供するITベンチャーでした。この会社を選んだのはどういう理由からでしたか?
Mさん:ITの世界は流れが速いですよね。ベンチャーには、その流れの速さに食らいついていく人材がたくさんいると思ったんです。なので、自分もまずはそういうところに身をおいて成長していきたいなと。一方で、この会社はベンチャーでありながら600名規模と人数もまずまず多く、ベンチャーと大企業、両方の良いところを学べるのではないかとも感じました。
—— この会社ではどんな業務を担当していたんですか?
Mさん:大手シンクタンクのデータセンター向け音声基盤システムの設計・構築・運用を担当しました。平たく言えばIP電話機のシステムですね。ネットワーク関連の知識はITパスポートの資格取得の際に勉強した程度だったので、実地で身につけていきつつ、IT関連資格を5個ほど取得して必要な知識を習得しました。
この業務では、いろいろなことが重なり、新卒1年目にも関わらず、お客様からの指名でプロジェクトリーダーを任されたんです。
—— 1年目でプロジェクトリーダーとは凄いですね。
Mさん:お客様に対して、誠実かつスピーディーに対応することを心掛けていたのが評価されたのかなと思います。1年目でプロジェクトリーダーとしてチームマネジメントを経験できたのは大きかったですね。また、お客様先に常駐し、お客様と一緒になって課題解決に挑んだことで、クライアント対応というか、どうすればお客様からの信頼を勝ち取れるか、ということも学べました。
転職後、激務の合間を縫い難関のネットワークスペシャリスト資格に挑戦
2年後、SIerに転職。データセンターの機器移設プロジェクトに携わる。その業務をこなしながら、今度は難関のネットワークスペシャリスト資格取得に挑む。
—— ただ、この会社は入社2年で転職することになるんですよね。次に選んだのは、SIerでした。転職の理由を教えてください。
Mさん:入社以来、一貫して音声基盤システムの業務に携わる中で、日本や世界で広く利用されているような大規模なシステムの開発や運用に携わりたいという気持ちが大きくなってきたんです。当時の業務だと、他のシステムとの連携などを学ぶことも難しかったですし。そこで、そういうことができそうな企業に転職しようと考えました。
—— 思い立ったら動きが速いですよね。今度の会社は、どんな視点から選んだのでしょう?
Mさん:日本や世界で広く利用されているシステムを数多く開発・運用していることが一番の魅力でしたね。新卒2年での転職ということで経験の浅さを指摘されることもあるかなと思っていたのですが、実際はそんなこともなかったですね。他の会社からもオファーをいただき、スムーズに転職できました。
—— ここではどんな業務を担当しましたか?
Mさん:最初はネットワーク関連の設計導入担当として配属されたのですが、入社4ヶ月目からは製造業のお客様の、データセンターから別のデータセンターへの機器移設プロジェクトに立ち上げから携わることになりました。PMO的な立場で、プロジェクト全体のQCDの管理のほか、多数のベンダーが関わっているため、それらのベンダーとの保守契約交渉などが主な役割でした。
—— このプロジェクトに関わりつつ、難関のネットワークスペシャリストの資格も取得しているんですよね?
Mさん:はい。ネットワークスペシャリストを取得しようと思ったきっかけは、入社当初、ネットワーク関連のプロジェクトに配属された際に、ネットワークに関する知識は前職でそれなりに身につけていたと自負していたにも関わらず、実際は業務の領域が異なることから話についていけないことがあったからです。それがとても悔しくて。ネットワークのあらゆる分野の知識を身につけて、社内外誰にでも認められるスペシャリストになりたいと考えました。
—— ただ、仕事をしながらネットワークスペシャリストの仕事をするのはかなり大変だったのでは? 一発合格されたそうですが。
Mさん:そうですね。機器移設プロジェクトの現場が埼玉県の大宮で、当時、私が住んでいた横浜から毎日、片道2時間かけて通勤していたんです。その往復の時間に参考書を読んだり、当時通っていた資格の専門学校の教材DVDを何度も繰り返し視聴して勉強しました。満員電車で座れない時には講義の音声だけ聴いていましたね。土日などまとまった時間が取れる時には過去問を徹底的に解きました。
—— 本当に凄いですね。目標を決めたら達成に向けてとことん努力するMさんの姿勢には本当に頭が下がります。ただ、当時関わっていた機器移設プロジェクトでは、ネットワークスペシャリストの専門知識は活かせなかったとか。
Mさん:そうなんです。機器を物理的に移設するプロジェクトなので、ネットワーク関連の知識を活かす機会がほとんど無く。しかし、プロジェクトの立ち上げから関われたことで、「プロジェクトマネジメントとは何か?」といったことを突き詰めて考えられたのは大きな収穫でした。また、より上流のコンサルティングに興味を持つきっかけにもなりましたね。上流での要件定義漏れや意思決定を誤ると、下流でリカバリーするのは手戻りが大きくてすごく大変。上流の重要性を実感するとともに、ぜひともそこに関わってみたいと考えるようになりました。
上流工程への志向が高まり、外資系コンサルティングファームに転職
2社目の会社も1年半で退職。より上流工程の業務に携わりたいと外資系コンサルティングファームに転職を決める。日々の業務の中で、コンサルタントと現場SEの働き方の違いを実感しつつ成長を続ける。
—— 結局、この2社目の会社も1年半ほどで退職し、現在お勤めの外資系コンサルティングファームに転職することになります。なぜコンサルティングファームへ転職したのか、教えていただけますか?
Mさん:先ほど申し上げたように、仕事をする中で上流工程の重要性を実感し、コンサルタントとしてそこに携わりたいと考えたのがまずひとつ。さらにこの頃には、自分の中で、「ITという枠組みの中での上流」ではなく、経営コンサルタントとして「企業経営全体の上流」に関わりたいという思いが強くなっていたのです。企業経営の大まかな流れは、経営戦略を策定し、業務戦略を練り、そこで必要であれば情報システムを導入することになりますが、SIerの立場では情報システムの導入以降からしか携われない。この外資系コンサルティングファームなら、いずれ経営戦略含めた経営のコンサルティングに挑戦するチャンスもあるかもしれないと考えたのです。
—— そこでリーベルをエージェントとして、転職活動に臨んだわけですね。それにしても、当時、まだ社会人経験も3年半ほどで、外資系コンサルティングファームに転職するのはかなりハードルが高かったのではないかと思います。ご自身では、どのあたりが転職成功のポイントだったと考えますか?
Mさん:まず、このコンサルティングファームの中でも、運用管理に特化したグループに応募したため、私の経歴とマッチしたのはあると思いますね。また、ネットワークスペシャリストの資格を取っていたのも、単に知識があるだけでなく、目標を設定して達成できる人間だと評価してもらうことにつながったでしょう。実際、公共系の案件では、ネットワークスペシャリストなど高度情報処理技術者の資格を持っている人がプロジェクトに参画することが入札の条件になったりするんです。
—— 頑張って資格を取得したのは大正解でしたね。コンサルティングファーム入社後は、まずどんな業務を担当したんですか?
Mさん:まず2年ほど、公共系のお客様の基幹システム刷新プロジェクトに、運用管理担当のITコンサルタントとして加わりました。約10年かけてシステムを順次刷新し、刷新しながら運用していくという大規模プロジェクトです。私はPMO的な立場で、インシデント(障害)管理や、定型業務の自動化による業務効率化の提案などを行いました。保守ベンダーは10業者ほどあり、その統括というか全体管理も我々の仕事です。
公共サービスを担っている大規模なシステムということで、万一システムが止まってしまったらとんでもないことになる。キャッチアップすることが多く、正直かなり大変でしたね。
—— その中で、どんなことを学べましたか?
Mさん:このプロジェクトには2年半ほど携わったのですが、1日に何十件とインシデントが起き、それを捌いていかなくてはならない。とにかくクイックに状況を把握して、解決策を考え、それをクライアントや保守ベンダーと共有する、というスピード感は身についたと感じますね。また、コンサルタントとして、仮設を立てて、それが正しいか保守ベンダーと会話をしつつ検証していくことも求められ、これまでやっていたSEの仕事とは違うなと感じました。
—— コンサルタントと現場SEの働き方は、やはり違うものですか?
Mさん:大きく違いますね。仕事は大きく「作業」と「思考」に分けられると思うのですが、SE時代は作業が多かったのに対し、コンサルタントは思考がメインになります。
運用管理の業務であっても、お客様はコンサルティング会社に作業は求めません。単に作業をするだけなら、もっと安いベンダーはたくさんあるわけですから。我々コンサルタントに求められるのは「考える」こと。例えば、何かインシデントが起きた際に、ただ状況報告するだけというのはコンサルタントの仕事ではありません。「だったらどうするのか?」、「そこから何が導き出せるのか?」を考え、アウトプットを出さなくてはいけない。それはお客様からも、会社からも求められることですね。
経営コンサルタントへの「社内転職」実現に向け行動を開始
ITコンサルタントとして実績を重ねつつ、経営コンサルタントへの「社内転職」実現に向けても着々と準備を進める。経営学の知識を身につけるためMBAを取得するなどし、ついに念願の経営コンサルタントに。
—— そうやって、ITコンサルタントとして実績を積み上げつつ、一方で「経営コンサルタントになる」という目標に向けても着々と準備を進めていくのが、Mさんの凄いところだと思います。いわば「社内転職」のような形で経営コンサルタントを目指す上で、どのようなことをしたのでしょう?
Mさん:SE時代に、自分が経営コンサルタントになるためには2つ足りない点があると感じていたんです。1つは、「コンサルタントしての働き方、所作」。もう1つが「経営学についての知識」です。
コンサルティングファームに入社して、ITコンサルタントとして働くうちに「コンサルタントしての働き方、所作」は身につけられてきた実感がありました。ならば次に、経営学についての知識を身につけようということで、青山学院大学大学院の国際マネジメント研究科に入学して、MBAの取得を目指すことにしました。入社2年目からですね。
—— 今度はMBAですか! しかし、当時はお話のあった公共系クライアントの基幹システム刷新プロジェクトにどっぷりハマっている時期で、普通に考えたら、とても大学院に通っている余裕などないと思うんです。「もう少し業務が落ち着いてから」とは考えませんでしたか?
Mさん:「落ち着いてから」などと考えていても、落ち着く時なんてずっと来ないんですよ(笑)。ある一定のタイミングで思い切って飛び込まないと、結局、やらずに終わってしまうことになります。
—— たしかにそうかもしれませんね。それにしても、仕事と学業の両立は、資格取得の時に増して大変だったのでは?
Mさん:正直、本当に大変でした(笑)。平日に週2日4時間、土曜日は終日と、週3日講義があり。平日は、仕事が終わっていないと、一旦抜けさせてもらい、講義が終わってからトンボ返りする、などということもよくありました。
—— うわー、それは大変な生活ですね!
Mさん:しかも大学院の勉強って、講義を受けさえすればいいというものではないんです。毎回、膨大な量のレポートが出て、講義がない日はレポート書きに忙殺されます。仕事も忙しいので、昼休みにレポートを書くとか、深夜2時に帰宅して明け方4時までレポートを書き、2時間だけ寝て出勤する、みたいな生活が2年続き。体力的には本当にしんどかったですね。
—— 超人的な努力ですね。それだけ苦労して大学院で学び、MBAを取得した価値はありましたか?
Mさん:もちろんです。経営学の知識について体系的に学ぶことができ、特に専攻したマーケティングの分野では専門的な深い知識を身につけることができました。もう1つ、いろんな業界のいろんな役職の人と一緒に学ぶことで、「人脈」が一気に広がったのも大きかったですね。
—— 2020年6月には念願の経営コンサルタントへの「社内転職」を果たします。とはいえ、単に経営学を勉強しただけでは、ITコンサルタントから経営コンサルタントになるのは難しいと思うんです。他にどんなことをしましたか?
Mさん:そうですね。ITコンサルタントとして仕事をする合間を縫って、社内の経営コンサルタント数名に対して、経営コンサルタントの具体的な働き方や業務内容についてインタビューしましたね。そうした中で、社内転職後に経営コンサルタントとして働くイメージを具体化しました。あと、もちろん、当時担当していたプロジェクトでの評価も重要になるので、お客様とプロジェクトメンバから信頼していただけるよう通常業務も頑張りました。
当社では、異動したい場合は、外部からの転職と同じように、自分が希望するポジションの求人に応募して、書類選考・面接を受けるんです。幸いなことに私は1回目の応募で、経営・戦略コンサルティングを提供している部署への「社内転職」を果たせました。
—— 素晴らしいですね。実際、貴社の社内で、ITコンサルタントから経営コンサルタントになる方は結構いらっしゃるんですか?
Mさん:私がやっていた運用管理担当のITコンサルタントから、直で経営コンサルタントになったケースはほとんどないと思いますね。ITコンサルタントの中でも、IT戦略の立案など上流工程を専門にやっている部署があって、一旦そちらを経由して、経営コンサルタントにトランスファーするケースはありますが。私自身、その道も考えたのですが、正直、ITコンサルタントとして経験を積み、経営学の知識も身につけ、昇進要件であるTOEICのスコアもクリアしていたことから選考に通過する自信があったので、ダイレクトに応募する道を選びました。
視野が広がったことを実感。自分のコンサルティングで日本経済にインパクトを与えたい
経営コンサルタントになって、Mさんはどんな仕事をし、どんな成長の手応えを感じているのか? 次なる目標は? さらに、今後、Mさん同様、現場SEから経営コンサルタントを目指したいという人に対するアドバイスもいただいた。
—— 念願の経営コンサルタントになってから、どんなお仕事をされているんですか?
Mさん:私はマーケティング専門の部署に所属して、主に通信キャリアのチャネル最適化のプロジェクトを担当しています。例えば、通信キャリアのショップのリブランディングや、ショップの配置戦略策定、端末調達に関するサプライチェーンの高度化といったところですね。
—— これまでのITコンサルタントとは全く違う仕事内容ですね。戸惑いはありませんでしたか?
Mさん:正直、最初はすごく苦労しましたね。今までの業務内容とは全く違うし、大学院で学んだマーケティングの知識を活かせるシチュエーションはあっても、アカデミックな知識を実地に落とし込むのはなかなか難しくて。どうしようかと思いました。
—— そこをどうやって乗り越えたんですか?
Mさん:最初のプロジェクトに、私を含めて3人、同年代のコンサルタントがアサインされたんです。うち1人は大手広告代理店出身でマーケティングの実務経験が豊富で、もう1人は新卒で弊社に入社していて経営コンサルタントとしての経験が豊富でした。私はIT関連プロジェクトの経験や経営学のアカデミックな知見はあったので、3人で得意分野をサポートし合うことで、スムーズにプロジェクトを進めることができました。また、スーパーバイザー(上司)も非常に面倒見がよく、資料作成やお客様向けのプレゼンの後にも適宜フィードバックをくれました。そうした周りのサポートがあって、何とかやってこれました。
業務知識についても、とにかく業界関連の書籍やお客様の業務マニュアルを読み込みまくり、どうしてもわからないことは社内の有識者に訊くなどして、キャッチアップしていきました。
—— そろそろ経営コンサルタントとして働きだして2年経ちますが、成長の手応えややりがいはどのように感じていますか?
Mさん:確実に視野が広がりましたね。経営コンサルタントは、ITだけにとらわれず、いろいろな目線から最適な解決策を見つけるのが仕事。ITはあくまで選択肢の1つであり、ITを使わずに解決できるならそれはそれでいいんです。より高い視座・広い選択肢からお客様にとって最適な解決策を考え、ビジネスの成長に直接貢献できるのがやりがいにつながっています。
一方で、直接、今の仕事に使えるわけではないけれども、ITのバックグラウンドを持っていることは私にとって大きな武器になっています。先ほど、同時期に2人のコンサルタントと一緒にプロジェクトに配属されたと言いましたが、彼らは経営コンサルタントとしては私より経験があるものの、ITの知識は持っていません。ITの知識が必要なシチュエーションになった際には、私が貢献できることは大いにあると思います。
—— たしかにそうですね。今回、この記事を読んで、「自分もMさんのように、現場SEから経営コンサルタントを目指したい」と思う人も多いと思うんです。そういう人に、アドバイスをいただけますか?
Mさん:まず、いきなり経営コンサルタントを目指すのはかなり難しいので、第一段階としてITコンサルタントになってコンサルタントとしての所作を学ぶなどして、実績を作りながらステップを踏むのがいいと思います。
また、先ほどお話したとおり、経営コンサルタントになってもITエンジニアとして培った知見は必ず活かせるので、ITの実力もしっかり身につけておくべきです。経営コンサルタントのプロジェクトで結構多いのが、BPR(Business Process Re-engineering=業務再構築)に関する案件。このBPRのプロジェクトでは、あるべき業務フローを描いて業務要件を整理し、それを実現するために情報システムを開発する必要があれば、システム開発業者に業務要件を伝達するので、ITバックグラウンドがあるとお客様とシステム開発業者の橋渡し役としてバリューを出せるんですよ。なので、ハードルが高いと諦めるのではなく、ぜひともチャレンジしていただきたいですね。
—— ありがとうございます! それでは最後に、Mさんの今後の目標や、思い描くキャリアについてお話いただけますか?
Mさん:コンサルティングを通してお客様のあらゆる施策立案と実行を支援することによって、将来的には日本経済の活性化に貢献していきたいですね。
そのためにも、マーケティングやIT領域だけではなく、経営戦略や人材・組織、ファイナンスなどの観点からもコンサルティングできるように、現在は中小企業診断士の合格を目標に、知識の拡充を進めています。
また、お客様のグローバル進出を支援するためにも、英語力は引き続き向上していきたいと考えています。大学院時代にTOEICスコアは一定にまで達したものの、まだまだ英会話力は弱いと感じています。社内の英会話プログラムなども積極的に活用して、グローバル案件をリードしていけるような人材を目指していきます。
—— これまで着々と目標を達成してきたMさんなら、それもきっと叶えられると思います。本日は長時間、ありがとうございました!
ライター プロフィール
- 荒濱 一(あらはま・はじめ)
- 1971年、東京生まれ。上智大学文学部教育学科卒。高校教諭、タイ・インドでの広告代理店勤務を経て、1998年からライターとして活動を開始する。現在、ビジネス(特に人材・起業)、IT/デジタル機器、著名人インタビューなど幅広い分野で記事を執筆するほか、広告コピー分野でも活躍。
- ◇主な著書
- 『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(高橋学氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(高橋学氏との共著)