転職成功者の声

転職を決意したきっかけや入社の決め手、今後のキャリアパスなど、
リーベルの支援で転職を果たした人たちのリアルな声をお届けします。

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東日本電信電話株式会社(NTT東日本)

H.Nさん

教員の働き方改革をITの力で実現する 面接で熱意を伝え通信大手の内定を掴む

プロフィール
国立大学の大学院で教育学研究科を修了後、先端技術や社会公共分野のソリューションを提供するソフトウェア会社に入社。AI(人工知能)やロボットアーム、無人車両運行プラットフォームの開発に携わり、技術とマネジメント力を磨く。7年半勤務後に転職活動に挑み、リーベルの支援を受けてNTT東日本の内定を獲得。
進学したのは、卒業生の大半が教員になる教員養成課程のある国立大学だった。だが、自分だけは違う夢を持った。業務効率化が遅れている教育現場をITの力で変えることだ。
大学院修了後、先端技術や社会公共分野に強いソフトウェア会社に就職した。技術を身に付け、ゆくゆくは教員の働き方改革を実現するシステムを作ろうと思った。
AIを車載カメラに活用する技術研究、AIを人工衛星に搭載するプロジェクト、工場向けロボットアームのソフト開発、そして、建設現場の資材運搬無人車両のプラットフォーム。様々な案件に携わり、経験を積んだ。だが、教育現場向けのシステムを構築する機会は一向に訪れない。
選んだのは、転職をしてチャンスを掴む道だ。リーベルに支援を依頼し、転職活動に臨んだ。しかし、当初応募した会社はスキルがアンマッチで全滅。
心が折れかけた。頼ったのはリーベルの担当者。「もう少し視野を広げてみては」と助言された。見えてきた新たな方向性があった。
再度転職活動に挑んだ。その方向性が奏功し、次々と面接のハードルを越えていく。そして、NTT東日本の内定を取得。この会社なら自分の夢を形にできる――。
「少し方向性が間違っていただけ。それを修正すれば転職の道は開ける」。今はそう確信を持って言える。転職活動をどう修正し、成功に導いたのかを聞いた。

教員にならず、ITで教育現場を変える道へ

大学の学科は初等教員養成課程を選択し、教育実習も行った。教員になることを考えた時期もあった。だが、大学院に進み、一足先に社会に巣立って教員になった同級生の話を聞き、考えが変わった。

—— 大半が教員になる大学で、卒業後、IT業界で働く道を選びました。どのような思いがあったのですか。

Nさん:私の実習での体験や教員になった同級生の話を聞いて思ったことが、教育現場のIT化が進んでおらず、紙ベースやローテクで業務を行っているために、子供たちに教える以外の雑務が非常に多いことです。教員の勤務時間が長くなり、疲弊する一因になっていると感じました。ちょうどそんな時、大学院の研究室で少しプログラミングを行う機会がありまして。この技術を教育現場で導入し、先生方の働き方改革に貢献することこそが、自分の使命だと思ったのです。

—— 就職先としてそのソフトウェア会社を選んだ理由は。

Nさん:上流工程から保守運用まで一貫して手掛けている会社であることに加え、教育研修期間が半年と長かかったことが主な決め手です。自分はシステム作りに関しては初心者。ほぼ何も分からない状態の中で、教えてもらう期間が長ければ、IT業界でやっていく足がかりが作れると考えました。

—— 先端技術や社会公共分野の案件が多いユニークな会社ですね。

Nさん:大手の製造業や自動車メーカーなどと協業し、世の中にない技術やシステムを作っていく会社です。最初にアサインされたのが、自動車の車載カメラで撮影した映像をAIで解析してどう役立てるかを研究開発する案件。AIの画像認識技術を使って標識や交差点をどう見分けるか。あるいは、危険運転をどのように検知するかなどがテーマとなりました。「こうした方がいい」「このやり方の方が面白い」など、私からも提案する場面も多々あり、とにかく楽しかったですね。上流工程で決定したことを実装し、実際に動かして検証する研究活動を続け、4年近く携わりました。プログラミング言語も研修ではアセンブリ言語とC言語、案件ではPythonを使い、低級言語から高級言語まで経験して、プログラミング言語というものを一定程度理解できたことも大きな収穫でした。

—— その後も興味深いいくつかのプロジェクトにアサインされています。

Nさん:次が、人工衛星に搭載するAIが地球にある目標物を探して撮影し、地上の拠点に送信する技術を確立する案件でした。私が勤務するソフトウェア会社に省電力でそれができるデバイスがあり、自分の役割は当該技術をクライアントにプレゼンする際に使うデモ環境を作ることでした。高速で移動する人工衛星が目標物を瞬時に検出して撮影・送信し、それを省電力で実現する。この強みを一目で分かるようなデモを作成することは至難の業でしたが、何とか成し遂げ、これが分かりやすいと社内外で好評を得ることができたのです。

—— その他には。

Nさん:その案件と同時並行でリーダーとしてアサインされたのが、工場のロボットアームを開発するプロジェクトです。そこではマネジメントを意識し、メンバーの得手不得手を理解しながら、適性に合わせた仕事の振り方を心掛けました。ただ、マネジメントは初めてだったので、プロジェクトを束ねるマネージャーに「進捗管理はどうすればよいか」と素直に教えを請いました。その中で、今でも印象に残っているのが、「遅れそうな工程を見つけるのが大事」という言葉です。うまく進んでいる部分は放っておいて大丈夫。どこが遅れているかに常に目を光らせ、「ここは時間が押しそうだ」「ここは次に影響がありそうだ」という部分をいち早く見出し、人員を補充するなどして事前に手を打つことがマネジメントの極意だと教えてくれたのです。
実際、その着眼点で管理することで、プロジェクトがうまく回るようになりました。「自分もある程度マネジメントができる」と自信を持つことができたのです。

挑んだ転職、スキルアンマッチで全滅

手厚い新人教育を受け、アサインされる案件では自身の地力を発揮して成長を実感する日々を過ごした。新たな技術やマネジメント方法も身に付け、社内評価も高かった。だが、上り調子の中で、転職へと舵を切った。どんな思いがあったのか。

—— アサインされる案件は全く異なる内容で、キャッチアップは難しかったのでは。

Nさん:実は、私の強みがキャッチアップの速さで、問題とは感じませんでした。次の案件も、建築現場で資材を運搬する無人車両のプラットフォームを構築するという、私にとっては未知の領域です。協力会社も含めて40人が参画する大規模なプロジェクトで、フロントエンド側でサブリーダーを担いながら、バックエンド側で実装作業をするような立ち位置でした。この案件のポイントの1つは、構築にAWSの設定が必要だったにも関わらず、社内に有識者がいなかったこと。そこで、私が素早くキャッチアップし、AWSの構成を設計してプロジェクトを下支えする役割を担いました。

—— AWSという新しい技術を身に付け、チームへの貢献度も高かったということですね。

Nさん:そして、もう1つが、今まで経験していない大規模プロジェクトだったことです。それによって、大所帯になるとどんなことがあって、何に気を付けるかを学ぶことができました。例えば、小規模案件では、何か問題が起こった時に全員で対処しますが、大規模でそれをやると人的コストがかかり過ぎます。そこで、問題が起きても「あなたは対処してください」「あなたは対処せずに自分の作業に集中してください」と割り切った分業が必要になります。リスクの程度を素早く判断して必要な人数だけをかける。そんな管理を経験できたこともこのプロジェクトで成長できた点でした。

—— しかし、そうした中で転職を考え始めます。それはなぜでしょう。

Nさん:私がIT業界で就職した理由にもつながることなのですが、様々なプロジェクトに携わりながらも、頭の隅ではどうすれば教員の働き方改革を実現するシステムが開発できるかを考えていました。上司にもそのことをずっと話してきて、提案書を作ってNGOに話を持ち掛けたこともあります。さらに、文部科学省に連絡して、国を挙げてのプロジェクトにすることを模索した時期もありました。
けれども、いずれも形にすることが難しかったのです。理由は、当時の会社では、話が大きすぎてプロジェクト化が困難だったことと、話を持って行くルートを持っていなかったこと。そうであれば、他の道を探るために転職するしかない。そう結論付けて、転職活動を行う決心を固めたわけです。

—— 転職活動はどのように進めましたか。

Nさん:それが少し特殊で、私が会社で所属している草野球チームの中に、以前に会社を辞めて転職に成功した先輩がいて、どうやったのかと聞くと、「リーベルという会社の支援を受けた。とても対応が丁寧だった」と教えてくれたのです。信頼している先輩が言うのだから間違いないと思って、早速リーベルに連絡してみることにしました。

—— リーベルの担当者の印象はいかがでしたか。

Nさん:話しやすく、柔らかい語り口でありながら、内容はロジカル。第一印象で「この方なら大丈夫」だと思いました。教員の働き方改革のためにシステムが作れる会社を志望していることを伝えると、求人票をいくつか提示され、どれも「まさにそこに行きたい」と思えるものばかりでした。自らウェブサイトなどを調べた時は見つからなかったのに、「こんなにも候補があるのか」というのが率直な感想でしたね。

—— その求人票を見て早速応募したのですね。

Nさん:そうです。書類が通って面接を受けたのが4社でした。

—— 結果はどうでしたか。

Nさん:それが、全て面接で落ちてしまい、全滅だったのです。私は、自ら手を動かしてシステムを作りたいと考えていたため、応募した求人は全てコーディングを行う開発職でした。経験してきた言語と、必須経験として求められる言語が合わなかったものの、多少触ったことやレビューしたことはあったので挑戦したのです。しかし、面接では各言語での高い技術レベルが要求されました。大学時代に培った基礎力や、AI等の先進技術を早期にキャッチアップしてきた実績をアピールしたのですが、実務経験がもう少し欲しかった、というのがお見送りの理由でした。教育現場を変えるためのシステムを作りたい。その一心でやってきたのに道を閉ざされ、正直、私の心は折れかけてしまったのです。

再び立ち上がり、「熱意」で内定を勝ち取る

転職活動に臨み、返ってきたのは思いもよらぬ結果だった。壁に跳ね返され、相談したのがリーベルの担当者だ。担当者は複数のプランを示してくれた。そして、その中に再び立ち上がるためのヒントがあった。

—— 転職活動が頓挫し、ショックを受けられたのではないかと思います。

Nさん:リーベルの担当者に相談すると、今後、どのように進めるか、いくつかの方法を提示してくれました。例えば、転職活動を一時撤退し、必要な経験を積んでから再度挑戦するアプローチ。また、もう少し視野を広げ、自らコーディングを行うのとは違う形で教育現場の改善に力を発揮することなど、様々なアドバイスを授けてくれたのです。そうした助言を聞きながら、私も自分の中で考えを整理することができました。

—— どのように考え直したのでしょう。

Nさん:簡単に言うと、「自分が作らなくてもいいのでは」と思ったのです。今までのプロジェクトの中でも、私がマネジメントに専念し、他の優秀なメンバーや協力会社に構築を任せることは何度か経験してきました。同じように自分自身が「作ること」に固執せず、リーベルの担当者が言うように視野を広げる。私がやりたいことは、教育業界の働き方改革を「実現すること」。その目的に合う転職先を探すのが本来やるべきことなのではないかと考えるようになったのです。

—— そのスコープであれば、求人票の範囲は広がりそうです。

Nさん:早速、リーベルの担当者にも伝え、新たな求人票を探してもらいました。担当者は私の依頼にしっかりと正対し、再度会社をリストアップ。その中にはNTT東日本の求人票も含まれていました。NTT東日本は教育にICTを導入する活動を進めており、この会社であれば学校現場の働き方改革にダイレクトに携わることができる印象で、私の要望にぴったりの選択だと思いました。

—— 仕切り直して、再び転職活動の開始です。NTT東日本の面接はいかがでしたか。

Nさん:NTT東日本の求人では、認証システムを構築できるスキルを求めており、直近で携わったプロジェクトで、私がAWSのインフラで認証機能を担当していたことから、スキルマッチしていることが評価されたと思います。その他の技術やマネジメントの実績もある程度認めていただき、キャリアでのマイナス要素はなかったのではないでしょうか。さらに、私は教育や現場の改革に対する熱意を、正直しゃべりすぎたと思うくらい話し、その熱意がうまく伝わったのではないかとも考えています。

—— どのようにご自身の胸の内を伝えたのですか。

Nさん:私は教員が子供たちに接する時間を増やしたいと考えています。それに対し、今の学校の先生に求められているスキルの第一位が、事務処理能力です。それがないと、教える以外のところで日々大量発生する事務に対処できず、教員を続けられないからです。ここ数年でITが少しずつ導入されているものの、その歩みは遅いのが実情。デジタル化を進め、事務を最小限にすることこそが、先生たちのためであり、子供たちのためである――。そうした率直な思いを伝えました。面接官が、実際に学校の先生と協業して教育のICT化を推進している方でしたので、共感いただき、熱意を受け止めていただけたことが、内定につながる1つの要素になったのではないかと思います。

「子供は社会で育てるもの」――志を形にするためNTT東日本へ

NTT東日本から内定を取得し、未来への扉が開かれた。ただ、内定は他の会社からも出ていた。教育系のプロダクトを提供しているベンチャー企業だった。どのような観点で最終的な判断をしたのか。

—— NTT東日本とベンチャー企業の2社から内定を取得しました。

Nさん:雇用に関する諸条件が同程度で、正直どうしようか悩んだことは事実です。ただ、大きく違っていたことが1点あります。それは、ベンチャー企業が自社プロダクトでアプローチしているのに対し、NTT東日本は、地域とつながり、教育現場と一緒になって改善を図ろうとしていることです。
教育現場がなぜこれほどに多忙を極めているのでしょうか。それは、本来、地域や家庭で行われていたことが、時代と共にどんどん学校に集約されてしまった結果だと思っています。地域社会とのつながりも希薄化し、「子供は学校で育てるもの」という考えが一般的になってしまっています。

—— 確かに、学校に多くを依存しすぎています。

Nさん:そうではなく、私は、子供は本来社会で育てるべきだと思っています。地域社会ともう一度つながり直して、近所の人たちも、周囲の会社の人たちも、工場の人たちも、みんなで育てる。そうすれば、先生の負荷も減り、地域の特色を生かした教育もできるはずです。そんな考えが私の根っこにあって、その点で見ると、地域とつながっているNTT東日本が私の志と合致するのではないかと思い、同社を選びました。

—— 今回の転職成功の理由をどう考えますか。

Nさん:私の考えでは、一番は熱意だと思います。転職される方は色々な理由があるでしょう。例えば、自分のスキルに自信があって、「私ならこれくらいの報酬をもらえるはず」と考えて年収を増やすことを最も重視する。これも熱意の1つです。私の場合、それが教育現場を変えて、社会を良くすることでした。

—— 熱意はすぐに生まれるものではありません。

Nさん:確かにその通りです。私のケースでは、教育現場の改善という元々実現したいと思っている夢があると同時に、前職でプロジェクトのメンバーと、「自分は何のために今の仕事をするのか」「こうした方が社会は良くなるのではないか」と話す機会が多かったことも影響しているかもしれません。私たちの上司に当たる部長が、「アサインされたプロジェクトの社会的意義をメンバーと合意形成する」という方針を持っており、そうした議論を行う土壌があったのです。熱意を絶やさず燃やし続けられたのは、職場のおかげです。

—— 最後になりますが、転職される方々にアドバイスをお願いします。

Nさん:自分を反面教師として言うと、何社か面接が通らなかったとしても、落ち込まなくていいということです。自分は挫折しそうになったのですが、今思い返すと、単に少し方向性が違っていただけで、それを直せば私のように希望のポジションに行けるわけです。ただ、正直言って1人で活動していたのであれば、諦めていたかもしれない。適切な伴走者がいて、本当に良かったと思っています。

—— あとは夢に向かって全力投球するだけですね。新天地での活躍を願っています。ありがとうございました。

ライター プロフィール

高橋 学(たかはし・まなぶ)
1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
◇主な著書
『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。
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