- プロフィール
- 理系大学を卒業後、国立大学の大学院に進学し、博士前期課程を修了。博士後期課程を単位取得退学後、SI関連のベンチャー企業に入社。主に製薬系の研究機関や企業のインフラ、アプリケーションの構築、運用保守業務に携わる。その後、大手メディア系のIT会社に転職し、自社メディアやグループ会社向けにWebサービスの提案、開発に従事。リーベルの支援を受けた転職活動を経て、リクルート住まいカンパニーへの転職を成功させた。
知識ゼロの状態から技術をどん欲に吸収し、インフラやアプリケーションの構築、運用保守で、顧客から高い評価を得られるまでに成長した。
その後、顧客からヘッドハンティングされる形で転職し、複数の案件を担当しながら、マネジメントやプログラミングを経験。
今回、2度目の転職でリクルート住まいカンパニーに活躍の場を移したが、その転職成功の裏にはリーベルでの“3時間の面談”があった。
リーベルにどのような指導や助言を受け、第一志望の会社の内定を勝ち取ったのか。その全貌を聞いた。
エンドユーザーと向き合う刺激的な日々
大学、大学院に在学した9年間、研究に没頭してきたが、博士課程を単位取得退学。これからどう人生を歩んでいくか思いを巡らせていた時、知人がSI系のベンチャー企業の社長を紹介してくれた。社長に入社するように誘われ、エンジニア人生の第一歩を踏み出すことになった。
—— プログラミングの経験がない中での入社になりましたが、不安はありませんでしたか?
Nさん:その社長がとても良い方で、「知識がなければうちで修業すればいいだけ」と言ってくれていたので、心配はしていませんでした。自分は物おじしない性格で、先輩社員に知らないことは知らないとはっきり言って、教えてもらったり、勉強したりしていくうちに、自然と技術力は身に付いていきました。社員数が20名と少なかったこともあり、当初からプロジェクトリーダーを任されたり、遅延プロジェクトに遊軍的に参画し、立て直して納品したりするなど、短期間で数多くの経験を積むことができました。
—— 約3年半勤めて、転職されましたが、理由と経緯は?
Nさん:当時、勤めていたのはSI会社でしたが、自社サービスを展開している会社で働きたいと考えていました。ちょうどタイミング良く、システム提案などの案件で携わった大手メディア系のIT会社から、「うちの自社サービス開発で力を発揮してみないか」と誘われ、これはチャンスと判断して、そのIT会社への転職を決めたのです。
—— どのようなサービス開発に携わりましたか?
Nさん:実際にはIT会社の自社サービスの開発ではなく、親会社の大手メディアが提供する会員向けサービスの開発やWebサイトの構築などを手掛けることになりました。大手メディアのデジタル関連サービスの開発を担うチームと一緒になって、朝から晩まで議論や作業を行い、エンドユーザーが楽しめるサービスを開発する日々は、とても刺激的でした。何より自分が提案した機能やサービスが認められ、Webサイトやアプリに搭載され、エンドユーザーが使ったり、意見を届けてくれたりするなど、反応がダイレクトに返ってくることに喜びを感じました。プロジェクトリーダーを任されることもあれば、プログラミングすることもある。管理側だけでなく、手を動かす側も引き続き経験でき、非常に充実した毎日を送ることができました。
—— しかし、入社して4年目頃からまた転職へと気持ちが傾き始めます。なぜでしょうか?
Nさん:主な仕事がグループ会社や他社のホームページの構築、CRM開発などに変わってしまったことが大きな理由です。大手メディアのサービスでは、エンドユーザーの声をもとにローンチ後に改善することもできましたが、グループ会社や他社の案件ではユーザーの声が私のもとに届きにくくなり、改善する機会も失われてしまいました。もう一度エンドユーザーと直接向き合えるようなサービスの開発に取り組みたい。そう思って、転職活動に踏み切ったのです。
転職を成功に導いたリーベルのきめ細かいサポート
転職活動を始めた当初は、人材紹介会社の支援を受けず、自分で応募する会社を決めて、書類を送った。しかし結果は出ず、自力での活動を断念して、サポートを受けることを決断。その支援を受けた人材紹介会社の一つがリーベルだ。
—— 最初は自力での転職活動を試みたようですね。
Nさん:私は知人や顧客の紹介で仕事を得てきたため、就職活動も転職活動も未経験。やり方がわからず、とりあえず周囲の人が「こんな面白い会社がある」と言ったのを覚えておき、その会社のホームページ経由で応募することから始めました。けれども、これが全く実を結ばず、書類選考の段階で全て落とされてしまいました。このやり方ではらちが明かないと思い直し、転職ポータルを利用して人材紹介会社にコンタクトを取ることにしたのです。転職ポータルに登録すると、スカウトメールが数社から届き、リーベルを含めた3社の担当者と会うことにしました。
—— 実際に担当者と会って、どのように進めましたか?
Nさん:最初にリーベルの担当者に会って面談したのですが、まず書類について数多くの指摘を受けました。例えば、職務経歴書が6ページでは長すぎるので、半分の3ページにしてコンパクトにまとめること。あるいは、経歴は過去から書くのではなく、直近の実績から書くこと。「入社してこういうことをしたい」といった願望を書くのではなく、「自分は会社にこういうことで即戦力として貢献できる」と、自身の価値を書くこと…など。言い始めたらきりがないのですが、とにかくほとんどの文章に赤が入り、原型をとどめないほど書き直しました。でき上がった書類を見てびっくりですよ。わかりやすく私の魅力が伝わるよう書類に様変わりしていたのですから。
—— 書類選考が通る確率を高めてもらえたわけですね。
Nさん:書類を作る際に、私の持っているスキル、強み、弱みを“棚卸し”してもらえたことも、非常に助かりました。その結果、わかった自分の強みはインフラからアプリケーションまで携わり、実際に手を動かして今でもシステムを作れること。さらにマネジメント経験も豊富なこと。一方で、弱みは構築・運用したシステムの規模が比較的小さいこと。もし面接でその点を突かれたら、「入社後に大型案件に取り組んでリカバリーする」と答えればいいと助言されました。また、リーベルの担当者は応募する会社の特徴を熟知しており、「この会社であれば、あなたのこの強みを積極的にアピールした方が良い」と、傾向と対策を教わることもできました。
—— 書類も面接対策も丁寧に話を引き出しながら、的確なアドバイスを受けられたようですね。
Nさん:リーベルの面談は1時間の予定が3時間に延び、時には厳しい意見や助言も受けながら、とても価値のある時間を過ごすことができました。他の人材紹介会社では書類を直されたり、面接で細かく対策を教えてもらえたりする機会はありませんでした。今では、「このリーベルでの3時間が転職の成功を決めた」と言っても過言ではないと思っています。
面接で評価された提案力と発信力
リーベルが面談で提示した応募先は「リクルート住まいカンパニー」。さまざまな自社サービスを展開し、能力の高い技術者も揃っており、まさに自分が求めている会社はここだと感じた。「第一志望はこの会社でいく」。Nさんはそう心に決め、転職活動に着手した。
—— リクルート住まいカンパニーはどのような面接でしたか?
Nさん:私の武器は“提案力”だと思っていましたので、事前に20個くらい新サービスを考えておきました。面接で事業提案の時間を与えられたら、その面接官の心を最も捉えそうなアイデアをぶつけようと思っていたからです。
—— 実際に事業提案を聞かれるような時間は?
Nさん:ありました。そこで、「注文住宅を発注する際の段取りがわかるようなアプリを作ってはどうか」と提案してみました。既にウェディングの段取りが分かるアプリはローンチされていたので、その住宅版を作ろうという提案です。実は、私自身がマイホームを作ろうと思った際に段取りがわからず四苦八苦した実体験があり、同じような経験を持つ人は世の中に多いのではと想定したのが提案を思い付いたきっかけです。
—— 提案に対して面接官の反応はどうでしたか。
Nさん:面接官からはアプリの仕組みや時代背景、ニーズなどについて、「なぜそう作るのか」「なぜそう思うのか」と、根拠を問い続けられました。その一つひとつの質問に対して、私はつい熱くなって語ってしまいました(笑)。あまりに熱くなりすぎて、面接が終わった後不安になったほどです…。ただし、リーベルの担当者が人事担当者に対し、「その熱く語れる点も彼の特徴であり、魅力」と後日、フォローを入れてくれたようです。人事担当者とそうやってやり取りができる関係を築けていることも、非常に心強く感じました。
—— リクルート住まいカンパニーから内定を獲得できた理由をどう考えますか?
Nさん:インフラやアプリケーションを構築、運用してきた実績や、マネジメントの経験はスキルとして評価されたと思います。また、提案力もさることながら、「なぜ」という問いに対して、自分の信念を押し通し、考えを曲げずに答え続けることができたことも、人事部から評価されたポイントです。自分の考えを発信する力が求められるリクルート住まいカンパニーで、「このしぶとさがあればやっていける」と判断され、それが内定獲得につながったと考えています。
長女が大人になった時も残っているサービスを
第一志望のリクルート住まいカンパニーから内定を獲得し、その時点で他社の選考や内定は辞退したNさん。新たなキャリア人生が幕を開ける中、どのような未来図を描いているのだろうか。その想いを聞いてみた。
—— 今回、第一志望への転職を果たしました。その要因をどのように考えますか?
Nさん:私はこれまで就職用の履歴書や職務経歴書を書いたことがありませんでした。ですから当初の自己流の書類は全く要領を得ていなかった。それでは書類選考で落とされてしまうのは当然のこと。リーベルの担当者がプロフェッショナルな視点で私のキャリアの棚卸しを行い、書類を総点検することがなければ、この内定は勝ち得なかったでしょう。
—— リーベルとの出会いが成功の要因の一つということですね。
Nさん:私のキャリアと自社サービスを開発したいという要望を考慮して、リクルート住まいカンパニーをマッチングさせたことも、リーベルならではの選択眼と言えます。候補者に最適な会社を選び、その会社の内定を獲得するために的確なサポートをする。まさにプロフェッショナルな仕事があったからこそ、私は第一志望に転職することができたのだと、実感しています。
—— さて、希望通りの転職が実現しました。リクルート住まいカンパニーではどのような仕事をしたいですか?
Nさん:私には長女が生まれ、一児の父になりました。国内外で役立つような画期的なサービスを開発し、できれば長女が大人になった時も残っているようなものができればと思っています。そう思うのも、子どもを授かり、物事をより長期スパンで考えるようになったからでしょう。リクルート住まいカンパニーには、そうした長期にわたって役立つようなサービスを作ることができる人材が豊富に揃っています。そんな会社に転職できて、心の底からよかったと、今は感じています。
—— 今まで培ってきた技術力とNさんならではの提案力をもってすれば、きっと世の中に定着するような新しいサービスを開発できると思います。活躍できることを心より祈っています。本日は有難うございました。
ライター プロフィール
- 高橋 学(たかはし・まなぶ)
- 1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
- ◇主な著書
- 『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。