- プロフィール
- 早稲田大学理工学部建築学科卒業後、大手SIerに入社。3年間の在籍中に顧客折衝や要件定義、設計、プログラミング、導入運用試験まで、上流から下流まで経験。その後、スカイライト コンサルティングに転職。
「成長したい。そして向上した能力を存分に発揮できる仕事に挑戦したい」。長岡哲夫さんは、自らの欲求をかなえるため転職を決意し、システム開発エンジニアからコンサルタントに転身を遂げた。この転職はいかにして成功したのか。リーベル代表の石川が聞いた。
枝葉を見ず、幹を見る
石川:前職はSIerで開発エンジニアとして働いていましたが、転職のきっかけを教えてください。
長岡さん:入社して最初の1年間は勉強することが多く、充実した日々を送りました。2年目も重要な開発を担当することができ、自分としても納得する仕事ができた。
でも、3年目になり、運用がメインの仕事が続くことに。運用はもちろん重要な仕事なのですが、私にはあまり合わないのかなと。自分の力を充分に伸ばせていない気がして、これを機会に自分は仕事を通してどういうことを実現したいのか、真剣に考えるようになったのです
石川:長岡さんは25歳という若さですが、その時点で早くもキャリアプランを真剣に見つめなおしたわけですね。
長岡さん:そうです。1週間くらい考えて、考えて。その間は将来的に給料を上げたいとか、人間関係でもっと刺激になる人が数多く欲しいとか、色々浮かんできました。でもそれらはすべて枝葉の部分だった。最終的に残った幹の部分。それが、「仕事を通じて可能な限り成長し、そして、高めた能力を存分に発揮できる仕事に挑戦すること」。私にとってそれが本質だという結論に至ったのです。
石川:その欲求をかなえる仕事がコンサルタントだと。
長岡さん:コンサルタントは、自分自身が商品であり、自分を高めていくことが当然と考えて行動する人が多い。そういった方たちとともに、お互いに刺激を与えあいつつ、成長していきたいと考えました。ただし、自分の中にあるのはそうしたイメージだけであり、その時点では実態が見えないような状況でした。だから人材紹介会社に支援をお願いすることにしたんです。
人材紹介会社選別の基準:メール・記事・面談
石川:人材紹介会社を選んだ際の経緯を教えてください。
長岡さん:自分の中では3つのチェックポイントを設定していました。まず、スカウトメールの文面。私が履歴書に書いた意図を汲み取ってくれているかどうか、紹介してくれる会社が私のやりたい仕事の枠から外れていないかどうかを見ました。
また、記事を執筆されている方はその記事の内容。わかりやすいか、納得できるものかどうかで判断しました。最後に面談。こちらの意図を汲まず、「この会社は入りやすい」という勧め方は、ちょっと信頼できないなと。あとは相性の問題ですかね。
その点、リーベルは全ての条件をクリアしていました。それに一番大きなポイントが、現実的なことを正直にアドバイスしてくれたこと。私が今の経歴だと、どの会社がどういった評価をしてくれますかと聞くと、ここは厳しいなどと、結構ズバッと答えてもらえた(笑)。
石川:人材の価値は、一義的に決まるのではなく、各会社との相対で決まるもの。色んな会社の価値判断があるから、この会社は難しい、この会社は可能性があるという情報を正確に伝えるのが、私たちコンサルタントのプロフェッショナルな部分だと思うんですよね。長岡さんの場合は、実務経験よりもポテンシャルの高さを評価するような会社が向いているのではないか。そう思い、会社を選別しました。
ロジカルシンキングのポテンシャル
石川:そのうちの一社がスカイライト コンサルティングでした。面接はいかがでしたか?
長岡さん:非常に強く印象に残っているのが、面接に論理的な流れがあること。相手の聞きたいことは何か、自分が全体のストーリーの中で今どこの部分を話しているのかが把握でき、同時に何をチェックされているのか明確に伝わってきました。でも、一つの質問に答えると、それをさらに掘り下げて質問され、答えるとまた掘り下げるという、独特の面接手法には面食らいました。
石川:そうですね。それがスカイライト コンサルティングの面接の特徴ですね。論理的にしっかりしていないと、切り抜けることができない。
長岡さん:私のときは、新しいビジネスを考えていますかと質問され、正直に今は考えていないと答えると、「では今考えてください」と(笑)。無理矢理ひねり出して、今考えるとボロボロだったと思うんですけど。ただ、ひねり出す中でも、こういう順番で考えているという考え方の段取りの部分は主張しました。行き詰ったときにも、こういう情報があればこの先が展開できるが、今は持ち合わせていないので難しいと状況を理性的に説明しました。ビジネスのアイディア自体は全然良くなかったと思いますが、あきらめずに論理的に説明する努力をしたことを評価していただけたのかもしれません。
石川:その答えを正すというよりも、切り口やロジカルシンキングの部分をチェックされたんでしょうね。長岡さんはその部分のポテンシャルが非常に秀でている方であり、そこが評価されたんでしょう。
考え抜いた先に“答え”がある
石川:まだ入社して間もないのですが、スカイライト コンサルティングの社風や環境はいかがですか?
長岡さん:スカイライト コンサルティングの特徴は、各プロジェクトの情報が社内で共有されていて、自分が挑戦したいプロジェクトに志願できる応募制を採用していること。つまり、自分のキャリアを自由に選べるわけです。
評価に関しても、各個人の良い点、悪い点をお互いに評価しあう制度が整っている。欠点を指摘されることも、前向きに捉えれば、それを改善して成長するチャンス。すべて私が求める「成長」につながっていると思いますね。
石川:社員や会議の雰囲気も他社とは違うのでは?
長岡さん:「会議で発言しない人は給料泥棒」という、この業界の有名な言葉があります。そこまで厳しい言い方はされませんが、会議では自分の意見・考えを積極的に発信していくことが重要視されます。思いつかなくても、切り口や発想を変えて考え抜けば何か出てくるから、それを話せと。今までとはギャップがあり、まだついていけていない部分もありますが、そこはこれからもっと伸ばさなくてはいけないと思っています。
石川:何か改善点や他の切り口を見つける。常に心がけることがトレーニングになり、ゆくゆくは顧客のコンサルティングに役立つんでしょうね。では、最後に転職を考えている方たちにメッセージをお願いします。
長岡さん:まず、自分が求めているものを、真剣に考えることが重要だと思いますね。それが一つ決まると判断の軸になり、転職先選び、面接の準備、実際の面接、面接が上手くいかなかった際のリカバリ、退職などのプロセスを自信を持って進められるし、納得の行く転職ができると思います。また考え抜く際の助言を人材紹介会社のコンサルタントに求めるのも有効ですね。複数のコンサルタントのサポートを受けてもいいかもしれません。私もリーベルに来る前に2社のコンサルタントの方と面談しましたが、質問されて答える中で考え方がブラッシュアップされた。今ではその経験が非常に役に立ったと思いますね。
ライター プロフィール
- 高橋 学(たかはし・まなぶ)
- 1969年東京生まれ。幼少期は社会主義全盛のロシアで過ごす。中央大学商学部経営学科卒業後、1994年からフリーライターに。近年注力するジャンルは、ビジネス、キャリア、アート、消費トレンドなど。現在は日経トレンディや日経ビジネスムック、ダイヤモンドオンラインなどで執筆。
- ◇主な著書
- 『新版 結局「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『新版 やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』(光文社)(荒濱一氏との共著)
『「場回し」の技術』(光文社)など。