ネットワーク業界で資格が重要視されている理由
ネットワーク業界では資格が非常に重要視されています。
それは何故なのでしょうか?
ネットワーク業界では、Cisco systemsが製造しているネットワーク機器が業界のデファクト・スタンダードとして位置づけられています。
そのため、ネットワークエンジニアでCisco systemsの機器を使ったことがない!という方はまずいないでしょう。
そして、Cisco systemsはネットワークエンジニアの能力を証明すべく、様々な資格を発行しています。私が取得してきたCCNA、CCNP、CCIEといった資格です。
難易度によってAssociate、Professional、Expertに分類されており、資格の種類もルータやスイッチを対象としたRouting and Switching、ファイアウォールや認証サーバなどを対象としたSecurity、アクセスポイントやワイヤレスコントローラーなどを対象としたWireless など多岐にわたります。
Ciscoの資格については以下図も参照してください。
Cisco systemsの資格試験では製品の知識も含まれますが、技術そのものの理解や知識を求められることが多いです。
そのため、これらの資格を取得していればネットワークに関してどのレベルまで知識を持っており、理解があるのかを客観的に証明することができるのです。
業務経歴を多く積んだ中堅以上のエンジニアならともかく、まだまだ経験の少ない若手エンジニアや未経験者では自身の能力を経歴で証明することができません。
プログラマーのようにGitHubにソースコードを載せてアピールするといったこともできないため、自身のキャリアや身に付く能力が配属先に大きく左右されてしまいます。
しかし、資格を取得することができれば自身の能力を客観的に証明することができるので、これらの問題を解決することができます!
実際に、社内の評価制度として昇格条件にCCNA、CCNP、CCIEを取得していることが含まれている場合や、求人にCCNA、CCNP、CCIEまたは準ずるスキルを保持していることなどと記載されていることからも、ネットワークエンジニアにとって資格がどれほど重要視されているかご理解いただけるのではないかと思います。
資格を取得するメリットとは?
ネットワーク業界における資格の重要性を説明したところで、資格を取得するメリットを紹介しようと思います。資格を取得するメリットは主に以下の3つです。
(1)業務では身につかない技術を身につけることができる!
(2)仕事でチャンスを掴める機会が増える!
(3)転職に優位に働くことも!
ひとつずつ説明していきます。
(1)業務では身につかない技術を身につけることができる!
資格取得に励めば、幅広い技術を体系的に学び、身につけることができます。
業務のなかで知識を身につけていくことももちろん大切ですが、それだけでは業務で担当したことがある分野や技術しか身につけることができません。意外かもしれませんが、実機を触る機会もプロジェクト全体で見ればごく一部であるため、業務より実機を用いて資格の学習をしたほうが技術力を身につけることができるのです。
実際、ネットワークを構築するプロジェクトでは、設計書や手順書、パラメータシートといったドキュメントを作成する作業が全体の9割を占めます。
なぜ9割がそういった作業を占めるかというと、設計書で要件がキチンと定義されていなければ大きな手戻りが発生しますし、構築作業でパラメータが間違っていたためにネットワークが止まってしまって大問題になるからです。
もし、あなたの会社のネットワークが止まってしまうと、パソコンからメールを送れなくなりますし、社内のシステムにアクセスすることもできなくなってしまったりして、日常業務をまともに遂行することができなくなってしまいますよね。
このような問題を引き起こなさいためにも、設計書や手順書といったドキュメントをしっかりと作ることがプロジェクトにおいては非常に重要なのです。
しかし、その結果、実際にネットワーク機器を触り、検証や構築を行うことは残りの1割ほどになってしまいます。これでは技術力の向上も難しいと言わざるを得ません。
その点、資格取得に励めば、ネットワークエンジニアにとって必要なスキルを着実に身につけることができるので、資格取得で得た知識を活かして業務で活躍することができるでしょう。特に、CCIEにもなると、実際の機器を使用した実技試験もあるため、より高い技術力を身につけることができます。
私自身も日々の学習から技術力が高まり、技術的な問題で苦労をすることがほとんどなくなりましたので、資格取得に励むことで技術を身につけることができると自信を持って言えます。
(2)仕事でチャンスを掴める機会が増える!
私自身、まだまだ若手ではありますが、新卒の頃から資格取得に励んでいたことがきっかけで、小規模ではありましたが1年目にしてプロジェクトリーダーに任命されたことがあります。日頃から勉強する姿や実際に資格を取得して結果を出していることが評価され、上司からの信頼を得ることができたからだと思います。
他にも、CCNPを取得していることでサービスプロバイダーの案件に2年目社員で唯一抜擢されましたし、CCIEに挑戦していると公言していたことから、そうであればネットワークに詳しいはずと大規模案件に要件定義から参加させていただいたこともあります。
このように、資格を取得することや挑戦していることをアピールすることで、チャンスを掴める機会を増やすことができます。
(3)転職に有利に働くことも!
資格を取得するメリットとして、実はこれが一番インパクトがあるかもしれません。
私はいまスタートアップ企業で働いていますが、社長との出会いはCCIEの勉強会でした。
当時はCCNPを取得してCCIEの勉強をしている最中でしたが、キャリアアップを考え、人生初の転職活動を行いました。
転職サイトに登録すると、様々な方からメッセージをいただくことができましたが、「3年目にしてCCIEの筆記試験を合格しているなんてすごいですね!」とご連絡をいただいたのがリーベルさんでした笑
その後リーベルさんで転職活動を行い、大手企業から数社内定もいただくことができました。
面接では、資格取得で日頃から勉強しているという自信のもと臨むことができましたし、自己研鑽や努力を企業に認めてもらえたという確かな手応えがありました。
他にも、資格取得がきっかけでつかんできた様々なチャンスを実績として話せたことも、大きなアピールポイントになったのではないかと思います。
このように、資格を取得することが転職に有利に働くことがあります。
また、当然ですが、資格のレベルが上がれば上がるほどメリットも比例して大きくなります。
特にCCIEという資格はCCNAやCCNPとは段違いに難易度の高いものであり、なんと全世界でも取得者が6万人ほどしかいません。
そのぐらい稀少価値がある資格のため、CCIEを取得してからLinkdin経由で様々な企業からヘッドハンティングを受けましたし、何かの機会にお会いした方々に興味を持っていただくことが増えました。
私がここでコラムを連載させていただいていることも、CCIEという資格を取得していることがきっかけです笑
ここまでお伝えしました通り、ネットワーク関連の資格取得には様々な魅力があり、たくさんのメリットを得ることができます。
…しかし、メリットがあるということは、必ずデメリットも存在します。
資格を取得することで、いったいどんなデメリットがあるのか….これは次回にお伝えしたいと思います!
ここまでお読みいただきありがとうございました。どうぞ次回もお楽しみに!
(次回につづく)