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第687章
2015/02/13

社会人になってから大学院へ進学してMBAを取得するリスク

— 仕事を辞める前によく考えて決断するべき —

大学院でMBAを取得すれば戦略ファームで働けるか

「社会人になって数年がたったものの、今の仕事に対してやりがいをなかなか感じられないな。でも、せっかく転職するなら、経営に関われるようなことがしたい。そうだ、大学院でMBAを取得してマッキンゼーやボスコン、アクセンチュアの戦略コンサルを目指そう。会社を辞めて大学院へ進学だ。」
と考え、仕事を辞めてMBA取得のために大学院へ進学した方がいたとします。この方の再就職先として、外資系戦略ファームへ入社できる可能性はどれほどでしょうか。
結論から申し上げますと、もともとファームや事業会社の経営に近い場所で活躍してきた方にとっては難易度が高いものの可能性はあるかもしれません。しかし、そうでない場合は極めて可能性が低くなってしまうのが現状です。そればかりか、他業種への転職も場合によっては選択の幅も狭まってしまうことがあります。

中途で見られるのはあくまでも業務経験

中途採用でポテンシャルが見られるのは若手層だけであり、一般的には今までの業務経験を見られます。つまり、戦略ファームの選考を受ける場合は、どんな知識を身につけてきたかではなく、どんな経験を積んできたかがポイントです。MBAを取得するまでに確かに経営に関わる様々な知識は身につけることができますが、選考の場では実務経験が無いという理由でNGが出てしまいます。実務経験が無い=新卒同等となってしまいますが、企業側としては、中途採用の方に教育コストをかけて育てていくのではなく、即戦力性を求めています。
したがって、もともと戦略・経営コンサルタント、事業会社の経営企画で業務をされていた方は実務経験にMBAで学んだ知識が追加されるため、外資系戦略ファームも狙うことができます。
ただし、実務未経験であっても、世界屈指の大学(ハーバードなど)の海外MBAを取得した場合は評価の対象になることもあります。逆にいえば、実務経験がなくても戦略コンサルを目指すのであれば、このレベルの大学の海外MBAを取得する必要があります。

転職の際は、大学院在籍期間=離職期間と見られることが多い

これは、MBAだけではなく、すべての大学院進学に言えることでもありますが、企業によっては、社会人経験を経て大学院で学習してきた期間(仮に2年とする)に対し、離職期間が2年間あると捉えられてしまいます。中には離職期間が1年以上ある場合はNGとする企業もあるので、場合によっては逆に選択肢が狭まってしまう恐れがあります。
したがって、仕事を辞めて大学院へ進学する前に、一度立ち止まって将来のリスクをよく考えてから行動に移していくべきです。
「経営に携わりたい」という思いが強いのであれば、MBAを取得しなくても現職で成果を出し続けることで幹部になるキャリアもあります。企業にもよりますが、幹部の中でMBAを取得している人はさほど多くは無いです。
もしくは、ベンチャー企業などで経営に携わる場所で働くことでノウハウを身につけてから起業するというのもひとつです。
様々な可能性を考えた上で、後悔の無い決断をしましょう。

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