他コンサルから戦略ファームへ
こんにちは、ケンゾウです。戦略ファーム以外にも、世の中には沢山のコンサルティングファームがあります。ここでも紹介されているように、IT/システムに強い業務系コンサルや人事コンサル、財務系コンサルなど様々です。では、そういったコンサルティングファームから戦略ファームへの転職ってどうなんでしょうか?今日はこのテーマについて私の考えを書いてみたいと思います。
まず結論から言うと、他コンサルで経験を積んでから戦略ファームに転職するのは、非常に良いキャリアパスなのではないかと思います。実際に、私が所属していた戦略ファームでも、そのような事例はちらほら見かけましたし、そういった方々は全体的に見て戦略ファームでも活躍されていた印象があります。
他コンサルで経験を積まれた方は、やはりコンサルに共通する基礎的な部分が出来ている方が多いので、通常の事業会社の方よりも早く馴染むことが出来るんじゃないかと思います。例えば、数人のプロジェクトチームでクライアント先に入り込み、数ヶ月の期間で報告書をまとめるという流れは、他コンサルでも大きくは違わないと思います。また、インタビュー、調査、データ分析といった作業も経験があるでしょう。瑣末なテクニックの話になってしまいますが、最初の段階では、パワーポイントでわかりやすいスライドを作成する作業に慣れているだけでもだいぶ違います(笑)。
他コンサルから戦略ファームへの転職で気をつけるべきこと
一方で、他コンサルから転職されてきた方が戸惑いやすいポイントは、仕事の基本的な進め方の部分ではないかと思います。戦略ファームの仕事の進め方には、イシューツリーを使って論点整理をしたり、フレームワークを作って物事を整理したり、仮説思考で分析を進めたりといった特徴があります(それぞれの詳細はここでは割愛させて頂きます)。
これらの手法は、慣れてしまえば自然と使いこなせるようになり、非常にパワフルな手法でもあるのですが、ちょっと独特なやり方なので、他コンサルでの業務経験がある方でも、多くの方が最初は少し戸惑うんじゃないかと思います(個人差がかなりありますが)。
そういったことを考えると、他コンサルから戦略ファームへの転身にあたっては、どのランクで転職するのかということが非常に重要になってきます。端的に言うと、マネージャー以上で戦略ファームに入るのか、現場のメンバーとして戦略ファームに入るのかが重要になってきます。
現場のメンバーとして戦略ファームに入社するのであれば、上記の仕事の進め方は、現場での実務を通して習得していけば全く問題ありません。しかし、マネージャーとして入ってしまうと、そういった仕事の進め方に慣れないまま現場でプロジェクトをまわしていかないといけないので、最初は非常に大変だと思います。よほどバリューを出せる個人技を何か持っていれば別ですが、最初の幾つかプロジェクトでは、周囲のメンバーに助けてもらいながら何とか乗り切っていくというのが実情だと思います。
ですので、理想を言えば、他コンサルで数年間の経験を積み、そこでマネージャーになる前に戦略ファームに現場メンバーとして転職するか、又はマネージャーになって時間が経つ前に、戦略ファームでマネージャーの1つ前のタイトルで入社するのが、比較的スムーズに立ち上がってリスクの少ない転職方法ではないかと思います。
他ファームでマネージャー経験が長くなってしまうと、戦略ファームに転職して再び現場メンバーに戻るのはご本人としても元気が出ないでしょうし、かといって戦略ファームにマネージャーとして転職すると最初がかなり大変だと思いますので。もちろん、他コンサルから戦略ファームにマネージャーとして転職して乗り切っていくガッツのある方もいるので全く無理な話ではありませんが。
戦略ファームも、他コンサルと同様に結果を出せれば直ぐにプロモーションしますので、入社時のタイトルにこだわるよりも、スムーズな立ち上がりを重視した方が良いのではないかと個人的には思います。
また、仮に新卒時に戦略ファームを受けて選考に落ちていたとしても、他コンサルである程度の業務経験を積んで、再び中途入社の面接を受ければ採用となる可能性も十分あると思います。ですので、まずは他コンサルに転職して数年経験を積み、そこから戦略ファームを考えてみるというのも一つの手かもしれませんね。