2017年を振り返って
今年も最後のコラムになりました。早いもので、今年もあと1週間で終わりです。今回のコラムは2017年を振り返る意味で、今年流行したIT業界のキーワードをエージェントの視点から取りあげたいと思います。
とある企業から「○○エンジニア」という見慣れない技術・職種の求人が出たかと思うと、時を同じくして、別の企業からまったく同じような求人をもらうことがあります。IT業界をウォッチしている身として、2017年にトレンドとなった求人のキーワードを3つに絞って、述べていきたいと思います。
1.RPA(ロボティクスプロセスオートメーション)
今年のある時期からよく目にし始め、複数企業から求人としても使われはじめたキーワードです。RPAの概念自体は以前からもあったのですが、今年になって具体的な求人にまで落とし込まれてきた印象です。
RPAとは、簡単に言ってしまえば人間が行う作業をロボット(つまりソフトウェア)が代替して行い、業務の効率化を推し進めるというもの。働き方改革が叫ばれている中、自動化が可能な領域には出来るだけ適用していこうという、世の中の流れともマッチしたのだと思います。事務作用への適用はもちろんですが、システムの保守・運用現場に対するRPAの適用も多かったように感じます。RPAの専門パッケージソフトからも求人が寄せられるなど、2017年を象徴したキーワードの一つでした。
2.オートモーティブIT
もう一つのキーワードとして、オートモーティブ(自動車)関連の求人があります。数年前には「ビッグデータ解析」や「クラウド」がキーワードとして挙がりましたが、今年はIoTの「T側(つまり端末側)」として、自動車がいち早く取り上げられた印象です。
自動車業界はユーザーの母数しかり、関わっている企業の数や経済活動の規模等からみても、日本の基幹産業といえます。コネクテッドカーやEV(電気自動車)、自動運転など大きなパラダイムシフトが起こっている中で、必然的にITを使ったトランスフォーメーションが求められています。
組み込みの開発ポジションをはじめ、自動車に対するセキュリティ求人や、自動運転用のAI技術者まで、オートモーティブ関連のIT求人を数多く見かけました。自動車の完成品メーカーだけでなく、SIerやコンサルティングファームまで広く求人が出されていた印象です。
3.Fintech
最後のキーワードにはFintechを選びました。ベンチャー企業でのキャッシュレス決済アプリから、大企業におけるAIソリューションまで、広く求人が出て来ました。
一言にFintechといっても、その中身は3つほどに分類出来ると思っています。1つは決済系のサービス、もう1つはAI・機械学習を活用したソリューション、最後は仮想通過関連のシステムです。そのいずれも求人として扱いましたが、このところはブロックチェーンやビットコインに関する求人も増えてきました。
金融システムというと、ちょっと前までならトラディショナルなレガシーシステムが多かった印象ですが、それも今年に入って印象も変わってきました。来年以降、どのような潮流が現れるか楽しみです。
2018年に向けて
上記3つのトレンドに絞ってしまいましたが、それ以外にもキーワードは多数あります。AI・機械学習に関する求人はますます増えていますし、セキュリティのポジションもあらゆる企業から寄せられました。また、このところ監査や品質保証といったポジションも、徐々に増えているように感じています。
世の中が変化する時に、必ずITあり。来年はどんな変化が起こるか、今から楽しみにしています。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ、よいお年をお迎えください。