転職希望者の方と面談させていただくと、転職理由に「現職では技術が固定化されており、新しい技術に触れる機会が無い」と言われる方がいます。
話を聞いていくと皆さん新しい技術の勉強をされたり資格取得に励まれたりと、非常に成長意欲が伝わって来ます。
エンジニアにとって技術は生命線。感度高く最新技術の習得に励んでおられる姿は、面接においても企業から高く評価されるのは間違いありません。
一方で、「なぜその技術を勉強しているのですか」と聞くと、漠然と「将来の不安から」と回答される方もいらっしゃいます。
先日お会いした方で、これまではWindowsサーバだけしか扱っていないので、今後はLinuxやUnix等、他のサーバの技術も付けていきたいという方がいました。
意欲としては素晴らしいと思いますが、何もWindowsサーバのみというスキルセットに必ず問題が有るかと言うと、そうとは言い切れません。逆に、一貫して特定技術を磨いているのであれば、その道のスペシャリストになるという選択肢もあるのです。
大事なのは、自分がどういうエンジニアになりたいかというビジョンです。
尖った技術のスペシャリストになるも良し、あらゆる技術の有識者として活躍するも良しです。また、サーバに拘らなくてもネットワークやストレージ、セキュリティなど、インフラだけでも考えるべき要素は幾らでもあります。
自身が持つ技術のバックボーンをどの領域にするかで、将来リーダーやマネージャーとして活躍する姿も変わってくるはずです。
もちろん、技術の幅を広げる事自体は、エンジニアとして成長に繋がるのは言うまでもありません。せっかく勉強するのであれば、自身のビジョン実現に向けた一歩だと思って頑張っていただきたいと思います。
<鈴木 裕行>