先日、慶応義塾大学大学院 政策・メディア研究科教授 高橋俊介氏のセミナーに参加してきました。キャリア論の著書も多く執筆されており、お読みになった方もいらっしゃるのではないかと思います。
今、真に求められる人材とは、という講演内容でした。
経営環境の変化が加速度的に早まる今日では、将来の予測・管理がより困難になっていくため、自律性の高い、リーダー的自律人材を持つ組織になることが不可欠だということです。
この、リーダー的自律人材とは、従来型のハードリーダーシップ(「縦」の関係で人を引っ張りやる気を引き出す。例:ビジョンの提示/絶対目標達成への信念など)だけではなく、他者理解を深め、納得性のあるコミュニケーションや人間関係への気配りなどが出来る、「横」の関係で人を動かすソフトリーダーシップの重要性が増していくそうです。
「これをやれ」ではなく、「こういう考え方でやれ」と腑に落とすリーダーシップが求められるということです。
高橋先生はわかりやすく『野球型組織』と『サッカー型組織』と説明しておられました。
野球型組織では、監督からサインが出たときに、確実にバントが決められる選手、確実に三振の取れる選手が求められますが、サッカーの試合では、自分にパスが回ってきた時に、監督ならどう指示をするかということをきちんと理解して走れるタイプの選手が必要だということです。
様々な形で説明を試みる。判断の基準をわかりやすいレベルで相手に明示する。わかってやっているのか、言われたからやっているだけなのか、質問をしてみる。
日本代表のオシム監督の指導は、まさにこういったことを行なっていたようでした。
これからは、ビジョンを描き、これを部下全てに見せて説明することがリーダーシップの大きな役割になる。その前提として、右脳により到達イメージ(仮説)を立て、左脳を連動させて論理的に言語化、システム化させる。加えて、トップからの抽象的なメッセージを充分に咀嚼し、自分なりの言葉で、身近なわかりやすい事例や例えを活用して、思いは対面で繰り返し伝達することが重要である。と仰っていました。
何だか、SEの皆さんがシステムを構築するために踏むステップと似ているように思いました。
仮説→計画→経験→検証。このサイクルをきちんと回せるリーダーシップを私自身も身につけていきたいと思います。
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