COLUMN
コラム:転職の技術
第126章
2003/09/29

志望動機のタブー

先日、ある新進SIerの人事担当の方とお話する機会がありました。事業拡大に伴い、採用枠を大幅に拡大するという背景で、求人内容のヒアリングに行った際に、求める人材像、最近の応募者事情等について興味深いお話を伺いました。その中で、印象に残った言葉があります。

「なぜ、うちに応募してきたのですか?と聞くと、研修制度が整っているから、という答えが多いのですが、そのような回答の方は、残念ながらお断りしています。」

確かに、その企業は、研修のバックグラウンドは非常に充実しています。経済的にも、設備的にも様々な機会を用意してくれています。しかし、それはあくまでも本人の自由意志による自己啓発を支援するためのもの。会社側が、上げ膳据え膳でプランニングして教育するわけではないのです。中途採用の原則は、あくまでも「即戦力」。それが企業論理です。

知識を学ぶことが最優先の人材は、「即戦力」とはみなされません。知識は経験をベースに身に着けるもの。OJTで結果を出しながら、ひとつ上のスキルを身につけていける人材こそが企業の欲しい人材です。

志望動機に「研修に熱心な社風に期待している」主旨を記述する転職希望者が多いのですが、企業側からしてみればそういう人材に違和感を覚えこそすれ、向上心ある人材とはみなされないと考えたほうがよいでしょう。

<まりりん>

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