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第1146章
2023/12/08

ITコンサルタントとPMOコンサルタントの違い

最近はご面談でITコンサルタントを希望される方から、PMOコンサルタントとは何かを聞かれる事が増えています。そこで今回のコラムでは、PMOコンサルタントとは何か、ITコンサルタントの違いはどこかについて、お話します。

PMOコンサルタントとは

そもそも「PMO」とは、Project Management Officeの略で、企業や組織において、個々のプロジェクトのマネジメントを横断的に支援する事を指します。

例えば、一般的なシステム開発プロジェクトの場合、機能単位でチームが分かれており、チーム毎にリーダーがいて、更にその複数チームをまとめるマネージャーがいる構造が多いですよね。
ただ、複数システムを連携して、一つの大きなシステムとして作り上げるようプロジェクトの場合は、機能単位だけでなく、システム単位でもチームが作られ、人数で言えば100名単位でエンジニアがいる状況ですから、一人のマネージャーだけでは到底管理しきれません。

そういった、規模の大きなプロジェクトが発生した際に出てくるのがPMOコンサルタントになります。システム毎に配置されたマネージャーと連携し、会議の日程調整、集まった課題の管理、納期確認から遅延した場合の問い合わせ等を行い、プロジェクトが円滑に進むための支援をするわけです。

勿論、ポジションの定義は企業によって異なる事も多く、PMOコンサルタントと名の付くポジションでも、上記のような業務以外に、事業会社の企画側の人としてプロジェクトに入り、業務課題の解決に踏み込める場合もあります。
ただ、PMOコンサルタントに期待される役割は、名前の通りのプロジェクトを横断的、俯瞰的に見て管理をしていく事が多いようです。

そのため、PMOコンサルタントになる事で、プロジェクトを俯瞰的に見る力や、ステークホルダー間の調整スキルを身に着けることが出来ます。
そして、大手のコンサルファーム等では、ITコンサルタント未経験者は先ず、プロジェクト全体の流れや最低限必要なマネジメントスキルを身に着けるべく、PMOの役割を任されることもあります。

ITコンサルタントとの違い

では、ITコンサルタントとPMOコンサルタントとの違いは何か、ですが、簡単に言うと課題解決力とITの専門知識をより強く求められるのがITコンサルタントだとお考え下さい。

先述した通り、PMOコンサルタントに期待する役割は、会議の日程調整、集まった課題の管理、納期確認から遅延した場合の問い合わせ等の事務的な部分が多く、求められるスキルは、納期を守るためのスケジュール管理能力や、会議を進めるためのファシリテーション能力が主です。

一方で、ITコンサルタントに対しては、事業会社の業界・業務を深く理解した上でITを駆使し、どう業務を効率よく変えていけるかを考え、提案頂くことを期待しています。
そのため、必要なスキルでいうと、ITを使ってどう業務をより効率化していくかを考えるための顧客の業界・業務知識、メリット・デメリットを語れるだけのIT技術の知識、それら知識を駆使して、顧客が抱える課題の本質を捉え+解決策を考える力が必要と言えます。

なお、PMOコンサルタントも、プロジェクトを進める上で最低限の顧客業務の知識やITの知識は必要ですが、課題管理やファシリテーション行うために必要な知識で問題ないため、ITコンサルタントに求められるほどの深い知識は必要ありません。

ITコンサルタントとPMOコンサルタントはどちらが良いか

ITコンサルタントもPMOコンサルタント、どちらも大事な役割であり、どちらが良いという事はありません。業務的に重なる部分もありますので、できる・できない(ゼロかイチか)で言えば、どちらも同じことができると言えてしまいます。

とはいえ、関われる業務の割合は役割が違うため全く異なり、必要なスキル、身につくスキルも異なるため、もし2つのポジションで悩まれた場合は、課題解決がしたいのか、マネジメントスキルを強化したいのか、で判断されると良いと思います。

筆者 明神 江里子
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