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第1138章
2023/10/13

履歴書や職務経歴書で「人柄」や「姿勢」も見せる ~ある企業の人事の話~

転職に対して昔よりも寛容な時代になりましたが、転職を少しインスタントに考える方も増えていると最近感じます。今は人材不足により確かに企業は幅広く多くの人に出会おうとしていますが、解雇規制が外国よりも厳しい日本では最終的な選考基準はそれほど下がっている印象はなく、特に応募者数が多い企業の選考基準はこれまでとそこまで変化は感じません。

企業によっては月500件の応募

これはある大手有名企業のグループ会社の人事の話ですが、2023年9月の1ヶ月間の応募者数が500件を超えたと話されていました。1ヶ月の平日を20日とすると、1日約25人がその企業に応募していることになります。

転職を少しインスタントに考えている方は、応募する際の履歴書や職務経歴書を安易に考えている方もいます。Webサイトの履歴書・職務経歴書の作成ツールで簡単にエクスポートした書類で応募される方もいますが、企業によっては1ヵ月間に499人、1日に24人の「見えないライバル」がいる可能性があることも意識されると良いと思います。

履歴書や職務経歴書で「人柄」や「姿勢」を見せているか

では見えないライバルに競り勝つには何が必要かですが、これもある有名企業の書類選考官に聞いたのですが、「人柄」「仕事への姿勢」「価値観」「自分の経験技術の内容が整理されているか」「アピールは具体的か」「チャレンジしたエピソードがあるか」などを良い例として話されていました。

SEの転職の場合、職務経歴書には経験したプログラミング言語や開発環境、開発工程などの記載は必要ですが、逆に言うと当たり前の基本事項であり、それだけでは他者比較となった場合には印象が薄くなり十分ではない可能性があります。この時に有効なのが上記の人事の話にある、人柄・姿勢・価値観などの記載です。「求人票の技術要件を満たしているのに書類選考で落ちた」という方は、上記の観点を意識して書類を再作成してはいかがでしょうか。

生成AIの進歩は目覚ましいですが、まだまだ企業の書類選考は「人間」が実施しているため人間味も重要な要素です。これを意識すれば、技術的な要件に少し足りなくても「会ってみたい」と思わせて書類選考が通過することもできます。

悪い例ですと、箇条書きで無機質な書類はたとえ自身の経験を網羅していても、伝えようとする姿勢が薄いと判断されてしまいますし、反対に一生懸命記載して姿勢をアピールしても、内容が根性論や精神論だけで戦略性や定量的な情報がない場合は、具体性に欠けると判断されてしまいます。

また内容の他に「整理されているか」も大切で、誤字脱字はないか、です・ます調など文体が統一されているか、改行で読みやすい構成にしているかなど、見た目が読み手に与える印象も軽視できない要素です。「自分をアピールすること」だけではなく「読み手に対して配慮があるか」も書類から評価されるということも意識してください。

あなたの作成した履歴書や職務経歴書は「感情を持った人間」が見ているということを忘れてはいけません。

筆者 南條 充
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