自分の子供のころ
子供のころは人見知りでした。今でも覚えています。5歳から近所の幼稚園に通い始めたのですが、まぁまったくもって楽しくありませんでしたね。友達が出来なかったんです。初めての集団生活になかなか慣れませんでした。徐々に環境に慣れて、幼稚園が楽しくなってきた頃に卒業となったのを覚えています。つまり周囲に溶け込み、環境に慣れるまで2年かかったことになります。
学生時代はそこそこ楽しかったんですが、バイトだけは長続きしませんでした。飲食から警備員、訪問販売まで色々やりましたが、全て短期間で辞めてしまいました。当時は自分のことを甲斐性なしの人間なんだなと諦めていたのですが、今考えれば仕事に馴染むのに時間が掛かっていただけかもしれません。周囲とのコミュニケーション含め、キャッチアップには時間が掛かるタイプなんでしょう。
だからこそ、IT業界に入りプロジェクトマネージャーをやり始めたころはなんと自分に向いてない仕事に就いてしまったんだと深く深く後悔しました。いきなり集まったメンバーを束ね、計画を立てて役割を決めるというのは、根が人見知りの自分にはまったくもって向いてない。仕事が上手くいかない日々にそんな葛藤を抱えていましたが、それも不思議と年数を重ねると、なんとかこなせるようになります。しかも意外と成果が出る。PMは意外と向いているなとさえも感じました。
これが人間の成長というヤツでしょうか。なんと今では転職エージェントをしています。内気で人見知りだったはずなのに、初めて会った人と5分後には転職について真剣に議論する仕事をしているのですから、人生分からないものです。
アメリカの人気ドラマより
『ベター・コール・ソウル』という人気ドラマがあります。悪徳弁護士のソウル・グッドマンが、犯罪者たちを狡猾に弁護して成り上がっていく。というアメリカのドラマで、前作にあたる作品から14年に渡って配信されていました。
本作のポイントは、ソウルが悪徳弁護士になっていく過程にあります。最初に登場した時には、既に倫理観ゼロの弁護士に堕ちていたソウル・グッドマン。そのソウルが、なぜチンピラ犯罪者専門の悪徳弁護士へとたどり着いてしまったのかをつぶさに描かれていく人生ドラマなのです。
ソウルの本名はジミー・マッギル。学歴もキャリアも無いどころか、若い時には詐欺師として刑務所にも入っていました。そこから周囲のサポートを得て社会に復帰。独学で弁護士資格を取得すると、お年寄りを専門とした弁護士として社会の巨悪と戦い始めるのですが、
成果を出せば出すほど弁護士としてのエゴが出てきます。自分の得意なことで金を稼ごうと画策するのです。口が上手くて破天荒。周囲の目は気にせず、情には厚くて信念だけはなんとしても叶えようとする努力家。その性格的特徴を生かすのは、老人弁護ではありません。倫理観を無視した悪徳弁護こそ生きる道と定めたジミー・マッギルは登録名をソウル・グッドマンに変更。破天荒弁護士として知名度を上げるとともに、やがて訪れる破滅へと向かって突き進むのです。
自分を理解すること
人が持って生まれた性格は、大きく変わることは無いのかもしれません。私は今でも根底は人見知りなんだと思います。それでもプロジェクトマネージャーとして開発を取り纏め、転職エージェントとして初対面の方とコミュニケーションを取ってきました。自分の性格が変わったんだと思っていましたが、最近ではそんな単純な話でもないと思うようになっています。
性格は簡単に変えるのは難しくても、自分自身の性格を正しく・深く理解することは出来るのです。私のことは、私が一番知っています。性格を理解することによって、自分がどのように考え、どのように行動すれば社会に適合して、それなりの成果が出せるようになるのか少しだけ分かってきました。
きっと人には、仕事においてナチュラルに達成出来る得意領域も、意識をして準備し成功する苦手領域もあるはずです。人からはどちらも出来ると映るかもしれませんが、性格上得意でないことはきっと自分なりの向き合い方をして、成果を残してきたんだと思うのです。
自分の歩むべき道
ベター・コール・ソウルの最終回で、ソウルはこれまでの自分と向き合ったある決断をします。ソウルは明らかにモラルに欠けており、法曹界に相応しいとはいえない人物でしたが、それでも弁護士として矜持は学んでいました。やっと自分の本質を理解し、自分らしい生き方の選択をするのです。
人の本質を変えるのは、簡単ではありません。性格は一生変わらないかもしれない。ただ、自分という人間を理解したとき、どんな人生を歩むべきなのか、道が見つかるはずです。