先日、日経アソシエに掲載されたコーチ21の伊藤守社長のコラムに「会話のキャッチボール」の極意について書かれていました。
伊藤社長のコラムでは、コーチングにおける良いキャッチボールとは、相手の受け取りやすいボールを投げること、と明快に定義されています。楽しくキャッチボールをするには、相手の手元にきれいな放物線を描いてリズミカルにボールを投げてあげること。強すぎたり、届かなかったり、あらぬ方向に投げたり、いつまでもボールを持って投げなかったりするとスムーズなキャッチボールはできません、とコラムには書かれています。
採用面接時でのやりとりにこの考え方をあてはめて考えてみました。
採用面接では「コミュニケーション力」が問われます。コミュニケーション能力にもさまざまな要素がありますが、その中でも多くの面接官が第一のチェックポイントとしてあげるのが、「会話がきちんと成立するか」、すなわち「会話のキャッチボールができるか」という点です。伊藤守社長のコラムでいうところの相手の受け取りやすいボールを投げるというのはとりもなおさず、相手の立場になってボールを投げるということだと思います。
面接時での相手とはもちろん、面接官のこと。面接官の投げたボール(質問)をきちんと受け取り、面接官の受け取りやすいボール(回答)を投げるようにする。
ここで、誤解しないでいただきたいことは、受け取りやすい=好み、とは違います。自分の意思に沿わないことを、無理に面接官の好む内容で回答する必要はありません。あくまでも、相手が理解しやすいように話すこと。自分の意思や考えを、相手が受け止めやすいように話すことをこころがけるようにすると、スムーズなキャッチボールができ、結果的に双方満足のいくコミュニケーションがとれるのだと思います。
<まりりん>