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第1053章
2021/12/17

『カジュアル』でも全ては評価され記録されている

優秀なのに受け入れて貰えない

先週、もう10年くらい前にご支援したAさんからお誘いがあって話をしてきました。同じく8年くらい前に私がご支援したBさんと一緒に仕事をしているらしく、3人で話そうということになって久々にお会いしました。

Aさんは社内で1回異動をしていたのですが、最近もう1回異動を希望し、無事に叶ったとのことでした。また、Bさんは最近マネージャになったとのことで、二重で嬉しいお話を聞くことができました。

いろんな思い出話をしたり、その後の話もたくさん聞いたのですが、そのなかで、その日に来ることができなかったCさんの話題がでました。

Cさんは、Aさんから支援依頼があって私がご支援をしたのですが、優秀な方なのにAさん・Bさんと同じ会社に入ることが出来ずにいました。Aさんが社内でCさんを推薦したものの、どうしても受け入れられないとの話だったようです。

それでAさんから私に相談があってCさんをご支援したのですが、優秀な方だったので面接もどんどん通過していきました。結局、Aさん・Bさんがいる企業の競合会社に入られたのですが、なぜこれだけの力のある方なのにあの会社は受け入れを拒否したのだろうとずっと疑問に思っていました。

過去の記録の重み

その日、Aさんから後日談として、Cさんが受け入れ拒否をされた理由を聞くことができました。理由は極めてシンプルで、過去の選考記録に残っていた評価コメントが余りにも酷かったためだったそうです。

Cさんは、確かにその時よりも前に転職活動をしていた時期がありました。どうやらその時にその会社の選考を受けていたようです。

その時、Cさんがどういう面接対応をされたのかは分かりませんが、その後、どこかの企業に就職することなくフリーランスになっておられますので、もしかしたら当時の転職活動の結果は芳しくなかったのかも知れません。

仮にそうだとしても、私がご支援をさせて頂いた時はしっかりした方という印象でしたし、その会社でも、Aさんの会社でも、Aさん以外にも推薦する声が挙がっていたようです。

それにもかかわらず、その会社がCさんを受け入れることはありませんでした。過去の選考結果は重いよと、常々ご支援を差し上げている方には申し上げているのですが、その会社は過去の経歴には比較的寛容な会社だっただけに、あの企業でもそうなのかと驚きました。

過去の経緯を詳しく知っている人がいれば実際はどうだったのかを聞くことができますが、何年も経っているとその人はもういないかも知れませんし、いたとしても覚えていない可能性が高いです。選考NGの時は大抵、ネガティブな評価コメントだけが冷たい文字として(時に辛辣とも言える内容で)残っていますので、本当に恐ろしいものと言えます。

連絡した時から勝負が始まる

面接に限らず、全ての接点は採用担当によりきちんと記録され、管理されています。
私も採用経験があるので分かるのですが、メールの内容、レスポンスの頻度やタイミング、電話の受け答えや話し方のトーンなど、一つ一つのアクションから、この人は採用に足る人材かを見極めようとするのが採用担当というものです。

いま、企業との接点は至るところにあります。気合いを入れなくても気軽にコンタクトを取れるようになりました。転職そのもののハードルが高かった1900年代と比べて遥かに良い時代になったと思っています。

一方で、接点を持ちやすくなった=気軽に話し易くなったと捉えるのは早計です。企業の採用担当は大抵、時間のない中で動いています。有限の時間の中で効率的に人材を見極めるために、感覚を研ぎ澄ませて一回一回のコミュニケーションで評価をし、かつそれらを記録していきます。

さらっとメールを返すこと、5分だけでもということで軽く電話をすること、カジュアルに面談をすること、いずれも気が抜けた状態や準備しない状態で行うのはリスクがあります。

ましてや面接となると、試しに受けてみよう、という程度で臨んでしまうと、Cさんのように、あとあとの人生においてマイナスの影響を与えてしまいかねません。

過去のネガティブな記録は、例え成長し、一般的に優秀と呼ばれる人材になったとしても消すことができません。企業と接点を持つ時は一つ一つが勝負だと思って慎重に行動してください。

なお、弊社でも、企業様とのカジュアル面談をお勧めすることがあります。その際は、『カジュアル』という言葉に惑わされないように、というアドバイスをさせて頂いた上で、カジュアル面談に当たって必要な知識のインプットをさせていただき、対応の仕方もアドバイスをさせていただきますのでご安心ください。

筆者 田中 祐介
コンサルタント実績
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