転職活動の終着点、念願かなって希望の会社から「内定」の連絡を受けるとうれしいですが、現職中の場合、それから退社準備がスタートします。
今日は、内定に関するよくあるご質問にお答えします。
■内定をもらっても、入社までに取り消されたりすることはないですか?
「内定です」という単なる通知をもらっただけでは、あくまでも採用する予定という意味でしかありません(文書でも口頭でも同じことです)。この段階では、企業側には何の法的拘束力も発生しません。しかし、内定通知に合わせて、入社に関する具体的な情報の提供や指示がある場合には、採用を決定したとみなされ、労働者側が了解した場合には雇用契約が成立します。
具体的な情報提示とは、入社日の取り決め、入社にあたっての手続き書類の提出、勤務地の指定、研修への参加指示等がそれに当たります。採用時には、これらの情報と「採用を決定した」旨の記述のある文書に、雇用主、労働者双方の署名・捺印をもって「雇用契約」の手続きとすることが一般的です。このような手続きを踏んだ後に、採用側から一方的に「取り消し」を通告された場合には、法的に対抗可能です。
■内定をもらった後に、優先順位の高い会社に合格したので、断りたいが・・
上記の手続きを踏んで、入社を受諾した後に断るのは、道義上も問題ありですが、法的にも違反行為とみなされます。しかし、単に「内定」を通知されただけであれば、断ることに問題はありません。他社への入社の可能性がある場合には、その旨をきちんと先方企業に伝え、受諾意思表示をいつまでにするか明確に連絡しましょう。通常、内定通知から受諾返答まで長くとも2週間以内が常識範囲内です。
■内定から入社までどのくらい待ってもらえますか?
採用側のニーズにもよりますが、一般的には1ヶ月以内が妥当です。民法上、労働者は雇用主に対して、退社日の2週間前までに退社の申し出を行うことと定められていますので、法的には意思表示から2週間で退社できるわけですが、現実的には、引継ぎや後継担当者の都合でそれ以上の日数を要求されることが多いでしょう。
もちろん、円満退社が大前提ですので、退社までの期間については双方の前向きな話し合いで妥当な合意を得るよう努力すべきですが、転職先が決定している場合には、なるべく早めに入社することを、最優先に調整するように努力しましょう。
<まりりん>