<旬の時期を逃がす>
先週から4週連続で、キャリアプランニングで陥りやすい4つの落とし穴について、事例を挙げてご紹介しています。今週は「旬の時期を逃す」について。
ここでいう「旬」とは、転職に成功する絶妙のタイミングのことであり、言い換えれば、「自分を最も高く売れる時期」とも言えます。
Bさんは、大学卒業後新卒で入社した中堅商社で、8年間、社内システムの開発・運用を担当してきました。世の中のIT化に伴いそこそこにシステムのリプレースが行われ、そのメイン担当エンジニアとして社内でも高い評価を得てきました。
ですが、Bさん自身は、いつからか漫然と「このままこの会社にいても、しょせんはシステムのお守役。エンジニアとして満足するスキルアップは望めそうもない」というフラストレイションを感じ続けていました。しかし、日々の仕事に追われ、じっくりと自分の将来を考えることもしないままに8年が過ぎ、いつしか31才となったBさん。今回、会社の4年後輩が転職したことに触発され、ようやく転職に向けて重い腰をあげたのですが。。。。
1ヶ月位あれば、希望の内容で転職できるだろうと思っていたBさんでしたが、結局Bさんは半年たっても思うような転職先に出会えないまま、結局は転職活動を一旦休止せざるを得なかったのです。
Bさんが受けた企業のある人事担当のコメントは、「もう3年早く応募してくれていたら、是非欲しい人材でした。」これは、単純に若ければよいという意味ではなく、エンジニアとしてもっと柔軟に伸びていける可能性を持っている時期であれば、という意味なのです。Bさんの場合、自分で将来に疑問を感じ始めたまさにその時が、市場的にも「旬」だったのです。
さて、自分の「旬」を逃さないためにはどうしたらよいでしょうか?ポイントをいくつかあげてみました。
- 自分を客観的に評価することを心がける。
- 市場動向、社会動向等広い視野から情報収集、分析を習慣づける。
- 「井の中の蛙」にならない。(シロウト(会社の同僚、家族族、知人等)の意見で納得していないか?プロ(コンサルタント、人事関係者等)の意見も重要です。)
- 自分の心の声に敏感になる。
- 多少の犠牲は切り捨てる強さをもつ。
次週は、「収入を近視眼的に判断する」について。
<まりりん>