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人事第二部門 採用人事担当
担当課長
大網 優太 氏
人事第二部門 採用人事担当
チーフ
野上 和嗣 氏
人事第二部門 採用人事担当
チーフ
大杉 舞 氏
※法人名、組織名、役職およびインタビュー内容は取材当時のものです。
地域社会を支援し、循環経済を促せる企業へ
日本の通信を牽引してきたNTTグループ。その一社が関東甲信越・東北・北海道をカバーするNTT東日本だ。アナログ通信の時代から蓄積された高度かつ安定した技術力、事業規模を活かしながら、インターネット、最先端ITなどの普及・利用を進め、社会のデジタル化を牽引してきた。
通信事業を基盤として維持しつつ、非回線領域(光通信を含む固定通信回線以外の領域)と呼ばれる多様な事業に進出した。
新たな事業の推進に向けて、人材の多様化も必要となるため、NTT東日本は積極的な経験者採用活動を展開中だ。
ではNTT東日本は今、どのような方向をめざしているのだろうか。
キーワードは「地域社会」である。同社はパーパスとして、「地域循環型社会の共創」、ミッションとして「地域の課題解決と価値創造、レジリエンス向上」を掲げている。少子高齢化、人口減少、産業の衰退などの課題を抱える地域は多い。
「ICTやデジタル技術を、地域の社会課題解決のために使い、地域の未来を支える会社をめざしています」(大網氏)。NTT東日本は長く、通信回線をいかに高速、広帯域、高品質にするかに注力してきたが、現在はそれを超え、地方自治体と連携しつつ、地域の課題を解決、地域社会の活性化や持続可能性に貢献しようとしている。
こうした変革を推進するため、これまで培ったさまざまな強みを活かしている。
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総務人事部
人事第二部門 採用人事担当
担当課長
大網 優太 氏
まず、これまで蓄積した広範な技術である。「NTTは多数の汎用技術を持っています。例えばそれを地域の農業、水産業などの一次産業、製造業のオペレーションなどに活かすことができます」(大網氏)。通信だけでなく、クラウド、DX、ローカル5G、スマートインフラ、セキュリティ、生成AIなど多種多様な技術によって課題解決の道を探ることができる。
「しかもそれらを単独でなく、足回り(通信回線基盤)からアプリケーションまで、一気通貫で総合的に提供できます」(大網氏)。
多数の拠点や通信インフラを保持していることによる、顧客接点の幅広さは有利な点だ。医療、教育、農業、防災、物流、エネルギーなど、近くにいるからこそ実態のわかる地域課題は多い。地域に密着して事業を推進してきたNTT東日本ならでは強みと言えよう。
「一般に地方自治体にとって、パブリッククラウドとの接続などの新たなITソリューションの導入はハードルが高いようです。けれども当社は電話やインターネットで既に信頼を得ているため、新しい提案にも耳を傾けていただける。これは他のIT企業にはなかなかできない特徴だと感じます」(大杉氏)。
また地方での利用を考えたとき、技術的には最先端なシステムをフルスクラッチで構築するよりも、より簡略なローコード/ノーコードで構築し、ユーザが簡単な操作のみ実施できるシステムにする方がマッチすることがある。既存のシステムと新しいシステムとどうすり合わせていくかなどについても、顧客を熟知している強みが発揮される。
「NTT東日本自身の知見・ノウハウをサービス化し、自治体などに提供することもできます。例えばNTT東日本は地震などの有事の際に、通信が途絶えないように対策を講じてきましたが、そのノウハウはサービスになり得ます。こういった顧客へも提案できる知見は、ビジネス化していくよう進めているところです。自治体に応用できる手法なので最近注目されています」(野上氏)。
総合性、先端性、社会性などが仕事の魅力に
実際の課題解決に当たっては、単独の設備や回線だけでなく、総合的な体制づくりから取り組める総合力も魅力となっている。
一例として、次世代施設園芸がある。NTT東日本が農・食専門企業のNTTアグリテクノロジーを設立し、同社は山梨中央市の実証ファームでICT、IoT、AIなどを駆使した農業の確立をめざしている。
施設(ハウス)内の環境制御、生産量向上、収量予測、人員の最適配置や標準化、地域の再生可能エネルギーの利用、収穫物の流通最適化、作業状況の可視化などを実施する。さらにはこうした施設園芸施設を核とした「農業エコシティ」と、地域の循環経済なども視野に入れている。
「一次産業は担い手不足であるなど、労働人口が少ないという社会課題に対して、私たちが体制づくりから関わることで、地域へのより大きな責任を果たしたいと考えています」(大杉氏)。仕事の影響範囲もより大きくなるので、やりがいにもつながる。
地域に関係する事業としてちょっと異色なものとして、文化、芸術の分野もある。祭、年中行事、食文化、美術、工芸、音楽などの地域文化の中には衰退しつつあるもの、地域以外に知られていないものがたくさんある。それらを高精細画像や映像として保存したり、海外も含めた他地域に伝えることもしている。時間と空間を超えた文化振興とも言えそうだ。NTT東日本はこうした事業を進める専門会社として、2020年、NTT Art Technologyを設立した。
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総務人事部
人事第二部門 採用人事担当
チーフ
野上 和嗣 氏
「これは文化・芸術に貢献する側面も強い事業です。高度な技術力があり、それを活用して文化を後世に残していくことに大きな意味があると思います」(野上氏)。これもNTT東日本ならではの特色の一つだろう。
多種多様なチャレンジが可能なのは、通信事業から得る継続的に安定した収益が、NTT東日本を支えているからでもある。
それだけに、自社の通信設備やシステムの開発、更改、保守などの業務も重要な役割を担う。「当社には上流から下流まで、膨大な数のシステムがあります。大規模、高度なインフラを支障なく稼働させることは必須であり、責任も重大。これに大きなやりがいを感じる方も少なくありません」(野上氏)。
またNTTグループでは常に最先端の技術や技術コンセプトを打ち出している。最近ではNTT版の大規模言語モデルtsuzumi、光通信技術を用いた情報ネットワーク基盤の IOWN などが発表された。それらはまずグループ各社での利用、検証を経て本格的サービスに転化されることが多い。そのため最先端技術に最初に触れる機会があることも、NTT東日本での仕事のやりがいやおもしろさにつながっている。
専門性をチーム力に活用できる人を
こうした新しい動きに伴い、NTT東日本は本格的に中途採用に力を入れている。4年ほど前から中途採用の数を増やし、現在では中途社員もかなり増えてきた。
「全社員に比べると中途入社者はまだ多くはありません。それでも各部署に中途採用者が配属され、受け入れる体制、文化が醸成されてきました」(野上氏)。
ときにプロパー社員では気づかない点を指摘されることは、むしろ刺激になっているようだ。「中途入社の増加するにつれ、NTT東日本のカルチャーも変わっていくと思いますが、それをポジティブにとらえていきたいですね」(大杉氏)。
募集する分野は、クラウド、DX、ローカル5G、スマートインフラ、セキュリティ、生成AI、新規事業、バックオフィスと幅広い。
「中途採用者の皆さまには、プロパーの社員には少ない高度な専門性、そして当社が提唱する地域循環型社会への共感があるかたを求めています」(大網氏)。「専門性と言っても、これまで入社している人を見ると、閉じたものではなく、チームワーク力を増幅できるようなオープンな専門性の持主が適している。他者を助け、他者に助けられるチームスピリットのある人が来ています」(大杉氏)。
NTT東日本の職種やポストは多種多様であることから、自分の意思で選んだ仕事に確実に携われることは、応募者にとって大きな魅力である。
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総務人事部
人事第二部門 採用人事担当
チーフ
大杉 舞 氏
それを可能にしている要因の一つが、面接の際、業務紹介をしていることだ。「面接ではNTT東日本にどのような業務があるのかのご説明もしています。私たちは応募者の方々を選考しますが、同時に、応募者の方々に私たちも選んでいただくという意識を大切にしているからです」(大杉氏)。
入社後はフォローアップ研修、eラーニングなどで学習できる環境が整い、各職務(ポスト)に特化したレクチャーなども行っている。
キャリアステップにおいても本人の意思が尊重される。入社後しばらくは専門性を活かした仕事に従事するが、その先は本人の意思次第である。大きくはマネージャーをめざす道と、専門性を高めて特定分野でのスペシャリストをめざす道の二つがある。中途入社の場合、専門性を活かして入ってくるので、後者の道を志望する人が多い。マネージャー(リーダー)をめざす人には、プロパー社員と公平になるように制度が整えられ、マネジメント研修なども用意されている。
また上長との月1回の面談、今後のキャリアに迷いのある社員に対しては、キャリアコンサルタントに相談できる制度もある。
恵まれた仕事環境で力を発揮できる
社員への福利厚生やワークライフバランスの点も優れている。
「有給休暇は必ず消化してもらっています。基本20日にプラス夏季休暇等なので、中途入社された方から『本当に取れるのですか』、と半信半疑で尋ねられることもありますが、本当に取れます。計画的に取るようにはお願いしていますが(笑)」(大杉氏)。
リモート環境も整備されており、男女関係なく、育児しつつ、在宅勤務も柔軟に利用できる。育児や(親の)介護という条件がある人にとっても非常に恵まれた環境だ。
NTT東日本は今、転換期を迎えているため、チャレンジングな人材や変革、新しいアイデアを歓迎している。その一方で、社風や企業文化には、温かく、和やかな組織DNAのようなものが引き継がれている。恵まれた労働環境はその一つの表れでもあるようだ。
「『寄りそう文化』であり、人を見捨てない文化がありますね。中途で入った人に対しても、放っておくことはありません。社員には、助ける、教える、相談に乗る、がごく自然に身についています」(大杉氏)。
この企業風土は同社が長い期間、各地域に密着し、通信を着実に守ってきたところから来るものだろう。このように新と旧をハイブリッドさせつつ、未来に向かうNTT東日本は、さまざまな人にとって活躍しやすい舞台であると言えるだろう。
ライター プロフィール
- 織田 孝一(おだ・こういち)
- 1959年生まれ。学習院大学法学部政治学科卒業後、広告制作会社および人材採用サービス会社の制作ディレクターを経て、1989年にライターとして独立。ビジネス誌などの他、企業広報・採用関連の執筆も多い。現在注力しているジャンルは、科学技術、IT、人材戦略、農学、デザインなど。
リーベルコンサルタントから一言
従来の通信インフラという枠組みを超えて、NTT東日本は社会課題に対峙するデジタル企業として着々と変革を進めています。
しかも通信キャリアとしてのアセットや顧客接点等が活かされ、他社には真似出来ないDXが同社の強み。唯一無二の環境で、新たな挑戦をしたい方をお待ちしています。